こんばんは。 法務未経験の場合、ファーストキャリアはベンチャーと上場子会社だと、どちらがおすすめでしょうか？ できれば上場企業に行きたいのですが、完全未経験から上場企業は難しいとエージェントに言われました。そのため、上記のどちらかで考えているのですが、かたおかさんのおすすめを教えて下さい。

こんばんわ！ まず最初にお伝えしておきたいのは、エージェントの「難しい」は鵜呑みにしないほうがいい、ということです。 彼らは転職者が内定を得て入社することで募集企業からフィーをもらうビジネスなので、候補者には内定を得やすい会社を勧めてくる傾向にあるからです。未経験者のようなそもそも内定獲得難度が高めで給与（=エージェントの報酬）が低めになる求職者に対しては、特に。 もちろん、みんながみんなそうだとは言いませんが、ビジネスモデルががそうなっている以上、全体の傾向がこうなってしまうのは、もう構造的なお話なのでどうしようもないのです。なので、エージェント一本足打法ではなく、スカウト系のダイレクトリクルーティングサービスも併用することをお勧めします。 とはいえ、ダイレクト系は未経験だと落ちまくると思うので、最初のキャリアは経験を積むことと割り切って、エージェントにねじ込んでもらうという作戦も全然ありだと思いますよ。 さて、個別の話ですが、まずベンチャーについて。 ベンチャーと言っても「メガベンチャー」と呼ばれるような、グロース/スタンダード市場の標準的な企業より遥かに強力な法務機能を擁している会社もあれば、「現状法務の専業はいません」みたいな会社もあるのでケースバイケースであり、一括りにするのは危険かもしれません。 最初は（できれば優秀な）先輩がいる会社の方が安心だとは思いますが、成長中の企業に放り込まれて急速に成長する人がいるのもまた事実なので、絶対にそうすべきとも言えないのが難しいところですよね。 他方、上場子会社は「親会社の支援」と「独立した法務機能」の両方を兼ね備えているという意味ではなかなか美味しい選択肢だと思います。「子会社」という一点をもって人気が一定落ちるところはあるので、企業側からすると採用難度が高くなりがちな分、未経験でも入りやすい傾向はありそうです。いいところに目をつけましたね！ 他方、昨今の流れで親子上場する必要性が乏しい会社は非上場化することになる可能性もあり、その場合はコーポレート系業務がごっそりなくなってしまうというリスクは一定程度残ります。ま、そんな可能性は高くはないですし、そうなったらそうなった後考えればいいことなのかもしれません。法務はチームごと親会社に転籍になるかもしれませんしね。 なお、質問者さんは上記のどちらかで考えられているとのことですが、ファーストキャリアにおいては、選り好みをしているとなかなか内定を取れないおそれがあるという点については注意が必要かもしれません。 未経験の場合は年齢が上がれば上がるほど門戸が急速に狭くなっていくので、時間との勝負みたいなところがありますからね。 というわけで、かたおかさんのおすすめは（2択のどちらでもなくて申し訳ないのですが） 「”内定が出たら入ってみたい”と思える会社には片っ端からエントリーする」 です。 ダイレクト系サイトで見つけた求人については、まず信頼できそうなエージェントにもっていって「この案件もってませんか？」と聞き、もっていて推薦してくれるならエージェント経由で、もってないと言われたら直接応募しましょう。（エージェントは信頼できる人を見つけるまで複数の方と並行してお付き合いしましょうね） それでは、良いご報告をお待ちしています！