少し長文になりますが、質問させてください。
私は1年前から、知人が経営する会社で正社員として働いています。小さな会社なので、仕事はコンペで獲得することが多いです。
現在2つの案件を担当していますが、そのうち案件Aは継続案件で、案件Bはコンペに勝たなければならない仕事です。これまでは裁量労働制で時間も場所もフレックス、副業も自由にさせてもらっており、手取りで20万円いただいていました。
しかし昨日、もしコンペに落ちた場合は4月から手取りが20万円から5万円になるという話をされました。減給の可能性については認識していましたが、まさか4分の1にまで減るとは思っておらず、驚いています。
そこで社長に以下の2点を質問しました。
1. その決定はもう覆らないのか
2. この減給はペナルティという位置付けなのか
すると社長からは、「今まで副業も認めて、時間も場所も自由に働かせてあげたのに、これ以上何を望むのか」という返答をされてしまいました。また、「給与は作業対価。案件Bの稼働がない場合は案件Aのみの給与になるため、減給には当たらない」という説明を受けました。
個人的には、私の質問には答えてもらえず、論点をずらされたなという印象を受けました。
実は今はちょうどこの案件Bのコンペの期間中で、一次審査の結果を待っている状態です。もし通過すればプレゼンをしなければなりませんが、今の私にはもうモチベーションがありません。
確かに自由に働かせてもらってはいましたが、それと報酬の話は別軸ではないかと考えています。仮にこれほど大幅な減給があるのなら、もっと早く知らせてほしかったです。
前提の説明が長くなってしまいましたが、私はこれからどうすればいいでしょうか。
今からプロポーザルを辞退することはおそらくできないので、頑張るしかありません。しかし、結果がどうあれ、このようなことを言われて働き続けられる自信が今のところありません。
トミナガさんだったら、どうされますか?

トミナガハルキ | フリーランス歴10年な人さん
ご質問ありがとうございます。長文どころか、むしろこれだけ丁寧に状況を書いてくださって助かります。曖昧な情報でお答えするほうが危ないですし。
まず最初にお伝えしたいのは、僕は弁護士(法律の専門家)ではありません。法的な判断を下す立場にはないということです。ただ、少なくとも「おかしい」と感じられているその感覚は、間違っていないと思います。
■「これって法的に大丈夫なの?」という点
結論から言うと、かなりグレーというより黒に近いと僕は感じます。
正社員として雇用契約を結んでいる以上、給与は労働条件の根幹です。労働契約法では、労働条件の不利益変更には原則として労働者の合意が必要とされています。つまり、「コンペに落ちたら手取り5万」という一方的な通告は、そもそも法的に有効なのか疑わしいです。
社長の言う「給与は作業対価。案件Bがなくなれば案件Aの分だけ」という説明ですが、これは正社員の給与体系の話ではなく、どちらかというと業務委託やフリーランスの報酬の考え方です。正社員として雇っておきながら、報酬だけフリーランスの論理を適用するのは、都合が良すぎるのではないかと...。裁量労働制であっても、所定の給与を支払う義務は会社側にあります。
仮にこれが懲戒処分としての「減給」(それもおかしいと思いますが)だったとしても、労働基準法第91条では、1回の減給は平均賃金1日分の半額まで、月の総額でも賃金の10分の1が上限と定められています。20万から5万は75%カットですから、どう解釈しても法的な上限を遥かに超えています。
■論点をずらされた件について
「副業も認めて、時間も場所も自由にさせてあげたのに」という返答。僕も似たような場面を見たことがありますが、典型的な論点のすり替えです。
自由な働き方を認めていたことと、報酬を75%カットすることは、本当にまったく別の話です。あなたが「別軸ではないか」と感じた感覚は正しいです。むしろ、自由な環境を「恩」として持ち出して、報酬の話を封じにかかっている構図に見えます。
■今、何をすべきか
まず、目の前のコンペについて。おっしゃる通り辞退は難しいでしょうし、やるなら全力でやったほうがいいとは思います。それは社長のためではなく、あなた自身のキャリアのためです。コンペの実績は、あなたが次にどこへ行くにしても資産になります。
ただ、それと並行して、いくつかやっておいてほしいこと(および提案)があります。
一つ目:今回の社長とのやり取りを、日付と内容を含めて記録しておいてください。口頭だったなら、後からでもメールやチャットで「先日の〇〇というお話の確認ですが」と送って、"文面に残す"。自分を守るための基本です。契約書がどうなっているかも改めて確認してください。
二つ目:お住まいの地域の労働基準監督署に相談してみてください。無料ですし、匿名でも相談できます。「こういう状況なんですが、法的にどうなんでしょう」と聞くだけでも、自分の立場がクリアになります。
三つ目:こっそり転職活動を始めてみるのはどうでしょうか。今すぐ辞めろという意味ではなく、選択肢を持つことで精神的に楽になります。
■僕だったら、どうするか
正直に言います。僕なら結果がどうであれ、この会社には長くいません。
理由はシンプルです。今回の件で「この社長と対等な関係で仕事をしていくのは無理だ」と判断するからです。
コンペに勝っても、今度は別の場面で同じことが起きる可能性が高い。「自由にさせてやっている」という言葉が出る時点で、対等なビジネスパートナーではなく、恩を着せる側と受ける側の関係になっています。小さな会社で知人の経営者のもとで働くということには、こういうリスクが付きまといます。距離が近い分、契約や条件が曖昧になりやすく、それは往々にして被雇用者が不利になりがちです。
まずは、自分の状況を正しく把握して、使える制度や相談先を頼ること。それが今いちばん大事なことだと思います。