監査法人で働くスタッフです。質問というか意見になってしまい申し訳ないですが、まったさんの「監査現場へのAI導入でむしろ工数が増える」という考え方には同意できません。最近法人内でコパイロットが導入された結果、証憑突合(転記ふくめ)やリスク評価段階の分析もほとんどAIに任せられるようになり、周囲のスタッフやシニアはとりあえずAIに投げて結果だけザッとチェックするような運用をしている人もいます。その結果、少なくない領域で工数が削減されています。
AI導入でAIが提起したリスクに全て対応することが求められる(そのため工数が増える)というのは、AIによるリスク評価が手続きとして義務化される状況になった場合に限ると思われます。すなわち、監査基準が改訂されて、AIのリスク評価とその対応の文書化が必須になったときです。AIのリスク評価を調書化する必要がなければ、一度はAIに壁打ちとしてリスク評価させはするものの、そこからは監査人判断で報酬予算内でできる範囲のリスクが識別されて手続きが画策されるだけだと思われます。

まった/公認会計士さん
ご意見ありがとうございます。実際にAIを導入している現場のご意見として、大変興味深く拝見しました。おっしゃるとおり、従来の監査手続の多くがAIによって効率化されることは間違いないと思います。
ただ、私が少し違う見方をしているのは、監査基準が改訂されなければ追加的な対応は必要ないんじゃないか、という部分です。
現行の監査基準でも、重要な虚偽表示リスクを適切に識別・評価し、十分かつ適切な監査証拠を入手することが求められています。AIによって従来は発見できなかった異常や矛盾、不正の兆候などを識別できるようになれば、それを知ってしまった監査人は、現行の基準の下でも評価や判断から逃れることはできないのではないでしょうか。
つまり、監査基準が高度化するから工数が増えるというより、AIによって現行の監査基準が本来要求している水準の監査を、より深く実施できるようになることが、結果として工数を増やすのではないかと考えています。でも多分今はより単純な証憑突合等を代替させてるだけで、爆発的に発見事項が増えるような事態になってないんでしょうね。短期的には仰る通りなんだけど、今は過渡期であって、もう少し状況は変わっていくんじゃないかと見ています。でも、僕はもう監査をやってないし、現場のあなたの感覚の方が正しい気もしてきました。