伊藤たける先生の『基本講義憲法Ⅰ』についてです。 レジュメは、演習問題の解答だけが書かれているのでしょうか？それとも基本憲法Ⅰの内容を整理した内容が書かれているのでしょうか？ (憲法論文の流儀基礎編・実践編の講義内容との差異についてもご教示いただけますと幸いです)

レジュメには演習問題の解答と、職業の自由の保護範囲(独からの流用だったと思います)、損失補償関連のまとめがあったと思います。 基本憲法Ⅰ自体が他の基本書よりもまとめノート感があるので、整理する必要はないのでしょう。 憲法の流儀との違いについて、基本講義は教科書を利用したインプットなので学説等にも言及します(生存権における棟居説<言葉どおりの具体的権利説>やプライバシーにおける小山説<情報自己決定権>などにも触れています)。個人的にはこのような説明も好きでした。 他方で、憲法の流儀は基本権を主軸にして論文にかける知識に焦点をあてています。その結果、論文としては直接でてこない部分、たとえば利益衡量の具体的な方法や、表現の自由における違憲審査基準の学説上の整理などについてはあまり言及されません。 なので基本書等で自学できる場合、基本講義は不要でしょう。