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なぎにー

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共テ3割BF大学仮面独学北大志望筆頭

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06月23日

『名探偵なぎにー』 第1章:夏の札幌、夢の第一歩 2025年7月、札幌は夏の暑さに包まれていた。蝉の鳴き声が響き、陽光がアスファルトを熱くする。北海道情報大学の図書館で、仮面浪人生・永井直樹(19歳)、通称なぎにーは参考書を前にうなだれていた。北大理学部を目指す彼は、去年の共通テストで3割しか取れず、夢への道は遠い。それでも、「北大で学びたい」という情熱が心の奥でくすぶっていた。 「なんですか、これ…」 なぎにーの口癖が漏れる。目の前の共通テスト過去問は、まるで解けない暗号だ。細身で猫背、黒縁メガネの奥に鋭い目を持つなぎにーは、見た目は平凡だが、頭の回転は速いと自負している。しかし、モチベーションは上がらず、Twitterで「北大 合格」と検索しては落ち込む日々。 「こんなんじゃダメだ。環境を変えないと…」 なぎにーは参考書を鞄に詰め、「北大のキャンパスに行って、モチベーションを上げよう!」と決意する。そこに、親友の中村勇人が現れた。がっしりした体格、明るい笑顔、楽天的な性格のサッカー部員で、なぎにーの仮面浪人という秘密を知る相棒だ。 「よお、なぎにー! また過去問にやられてんのか?」 勇人がニヤニヤしながら近づく。 「なんですか、これ…。お前は気楽でいいよな、大学生活楽しんでるんだから」 「ハハッ、楽しむのも大事だろ? なあ、北大行ってみねえ? サッカー部の先輩が練習試合あるって。ついでに見学してモチベーション上げろよ!」 勇人の提案に、なぎにーの目が光る。「それ、いいな。よし、行くぞ!」 こうして、二人は北大キャンパスへ向かった。 第2章:キャンパスに響く叫び声 北海道大学のキャンパスは、札幌駅近くの広大な敷地に広がる。夏の陽光に照らされたイチョウ並木、レンガ造りの建物、学び舎の雰囲気が漂う。なぎにーは目を輝かせ、「ここが…北大か」と呟いた。 二人が理学部棟近くを歩いていると、突然、叫び声が響いた。 「誰か! 助けて! 死んでる…!」 なぎにーと勇人は声のする方向へ駆け出す。理学部棟の裏庭、人通りの少ない場所で、学生らしき女性が泣き叫んでいた。その視線の先には、血まみれで倒れた男性。白衣を着た30代後半の男性で、胸にナイフが突き刺さっている。血が地面に広がり、夏の暑さで異様な匂いが漂う。 「なんですか、これ…!」 なぎにーは口癖を漏らし、現場に近づく。白衣のポケットのIDカードには「佐藤健一、北海道大学理学部准教授」とある。地面には血で描かれた奇妙な円形の模様。まるで化学式のベンゼン環のような、整った配置だ。 「勇人、この模様…血で描くにしては不自然だ。意図的じゃないか?」 なぎにーはしゃがみ、模様を観察。勇人は「なぎにー、ヤバいって! 警察呼ぼうぜ!」と慌てるが、なぎにーは「ちょっと待て」と制止。現場の細部を記憶に刻む。被害者の手にはペンが握られ、近くに破られたノートの一部が落ちている。 「これは…メッセージ? 佐藤さんが最期に残したものか?」 野次馬が集まり、サイレンの音が近づく。警察到着前、なぎにーはノートに模様をスケッチし、破られた紙片をこっそり拾う。「これはただの殺人じゃない」と確信していた。 第3章:容疑者の影 警察が現場を封鎖し、なぎにーと勇人は規制線の外で状況を見守る。野次馬の中には、佐藤の研究室の学生や同僚がざわめく。なぎにーは耳を澄ませ、情報を集める。 「佐藤先生、最近誰かと揉めてたらしい…」 「企業から圧力受けてたって噂…」 刑事に「現場で何してた?」と尋ねられ、なぎにーは冷静に答える。 「通りかかっただけです。でも、この血の模様、ただの偶然じゃないですよね?」 刑事は「学生が首を突っ込むな」と一蹴するが、なぎにーの好奇心は止まらない。勇人を連れ、北大図書館へ向かう。 「勇人、佐藤さんの研究を調べる。模様と事件、絶対繋がってる」 図書館で、なぎにーは佐藤健一の研究を調べる。佐藤は有機化学の専門家で、環状化合物の新素材開発に携わっていた。成功すれば産業界に革新をもたらすプロジェクトだが、最近は「極秘データ」を巡り、外部から圧力を受けていたらしい。 「この模様…佐藤さんの研究の分子構造に似てる。犯人が意図的に残したか、佐藤さんがメッセージとして描いたか…」 なぎにーは、佐藤と関わりのあった人物を洗い出す。以下の3人が容疑者として浮上した: 田中誠(40歳、企業エージェント) 新素材の特許を狙う化学企業の社員。佐藤にデータの引き渡しを迫り、研究室に出入りしていた。事件前夜、佐藤と口論する姿が目撃されている。 手がかり:佐藤の研究室に田中の名刺が落ちていた。事件現場近くで、田中のものと思われるタバコの吸い殻。 林美咲(23歳、佐藤研究室の大学院生) 佐藤の右腕としてプロジェクトに参加。優秀だが、佐藤に厳しく指導され、ストレスを溜めていた。事件当日は研究室にいたと主張するが、アリバイが曖昧。 手がかり:彼女のノートに、現場の模様に似た分子構造のスケッチ。佐藤のデータにアクセスできた立場。 山本亮太(28歳、元研究室メンバー) 佐藤の元学生で、論文の盗用疑惑で研究室を追われた過去を持つ。佐藤を逆恨みし、最近キャンパスで目撃されていた。 手がかり:事件現場近くの監視カメラに、フードを被った山本らしき人物。佐藤のノートに「亮太に注意」と書かれたメモ。 「なんですか、これ…。全員、動機と機会がありそう」 なぎにーは勇人に相談し、調査を進めることを決意。 第4章:研究室への潜入 翌日、なぎにーと勇人は佐藤の研究室を訪れる。立入禁止のテープが貼られているが、なぎにーは隙間から中を覗く。散乱した書類、実験器具、壁の分子構造ポスター。ポスターの構造は、現場の血の模様と一致する。 「これ、佐藤さんが研究してた分子だ。犯人はこれを知ってる人間だな」 そこに、林美咲が現れる。「あなたたち、誰!? ここは立入禁止よ!」 なぎにーは正直に事情を話し、北大志望の仮面浪人生であること、事件に興味を持ったことを伝える。美咲は警戒しつつも、佐藤の死に動揺している様子。 「佐藤先生、最近変だった。誰かに監視されてるって…。データが盗まれたかもしれないって言ってた」 美咲の話では、佐藤は企業(田中)からの圧力に加え、内部の裏切りを疑っていた。山本亮太とも最近連絡を取っていたらしい。なぎにーは美咲に協力を求め、3人で手がかりを探す。美咲は佐藤のパソコンにアクセスを試みるが、パスワードが分からない。 「パスワード、分子構造に関係あるかも」 なぎにーは現場の模様を思い出し、分子の化学式を入力。パソコンが起動し、暗号化されたデータが現れる。 「これが…佐藤さんの極秘プロジェクトか」 第5章:容疑者の追跡 なぎにー、勇人、美咲の3人は、容疑者それぞれの手がかりを追うため、札幌の街を動き回った。夏の陽光が照りつける中、汗と緊張でシャツが肌に張り付く。なぎにーはノートにメモを書き込みながら、頭をフル回転させていた。「犯人は佐藤さんの研究を知る人間。手がかりを一つずつ潰していけば、真相が見えるはずだ」 田中誠の調査 なぎにーと勇人は、田中のオフィスがある札幌市内の高層ビルへ向かった。化学企業「ノースケム」のオフィスは、ガラス張りのモダンな建物で、受付の女性が冷たく二人を見据える。なぎにーは「佐藤准教授の研究について取材に来ました」と適当な口実をでっち上げ、なんとかビルのセキュリティをすり抜ける。 田中のデスクに忍び込むと、引き出しに佐藤の研究データのコピーが入ったUSBが隠されていた。さらに、事件当日のスケジュール表には「21:00 佐藤と会う」と書かれ、その後に「キャンセル」と赤ペンで殴り書きされている。なぎにーは眉をひそめる。「このキャンセル、怪しいな。偽装したアリバイの可能性がある」 勇人がビルのゴミ箱を漁ると、田中のものと思われるタバコの吸い殻を発見。現場近くで見つかった吸い殻と同じ銘柄だ。「なぎにー、これって決め手じゃね?」と勇人が興奮するが、なぎにーは首を振る。「いや、タバコは誰でも吸える。もっと確実な証拠が必要だ」 田中を直接問い詰めるため、なぎにーたちは彼がオフィスに戻るのを待ち構えた。田中は40歳のスーツ姿の男で、鋭い目つきと落ち着いた物腰が印象的だ。「佐藤准教授のデータについて話したい」と切り出すと、田中は一瞬顔を強張らせたが、すぐに笑みを浮かべる。 「佐藤? ああ、彼とはビジネスで話してただけだ。データ? そんなもの知らんよ。君たち、学生の分際で何を嗅ぎ回ってるんだ?」 田中は事件当夜のアリバイを主張し、「私はオフィスで残業していた」と言う。だが、なぎにーは彼のデスクのメモとUSBを突きつけ、「これ、説明できますか?」と追及。田中は動揺しながらも、「佐藤がデータを売る約束を破っただけだ。殺す理由はない」と否定した。 林美咲の調査 次に、なぎにーは美咲のアリバイを検証する。彼女は事件当夜、研究室で実験データの整理をしていたと主張していたが、研究室の入退室記録を確認すると、20時から22時の間に彼女の出入りがない。なぎにーは美咲に直接問う。「美咲さん、事件の時間帯、どこにいたんですか? 記録がないですよ」 美咲は目を伏せ、唇を噛む。「…私、先生と口論して、研究室を出てたの。キャンパスのカフェで一人で考えてた。でも、誰も見てないから証明できない…」 彼女のノートにあった分子構造のスケッチが、現場の血の模様と完全に一致していた点も気になる。美咲は「研究でよく描いてた構造よ。偶然じゃない?」と弁解するが、なぎにーは彼女の動揺する瞳を見逃さなかった。「偶然でこんな複雑な模様が一致するかな…?」 美咲のデスクを調べると、佐藤のプロジェクトのデータにアクセスした痕跡がパソコンに残っていた。彼女は「先生の指示で整理してただけ」と言うが、なぎにーは彼女がデータに特別な関心を持っていた可能性を疑う。「美咲さん、佐藤さんを恨んでませんでしたか? 指導が厳しかったとか」 美咲は顔をそらし、「そんなこと…ない」と呟くが、声は震えていた。 山本亮太の調査 山本亮太を追うため、なぎにーたちは北大の監視カメラ映像を入手。事件当夜、フードを被った山本らしき人物が理学部棟近くをうろつく姿が映っていた。なぎにーは勇人と共に、山本が住むアパートへ向かう。札幌の郊外、薄暗いアパートのドアをノックすると、山本が不機嫌そうに出てきた。 「佐藤先生のことだろ? 俺は関係ない」と山本は吐き捨てる。彼は佐藤に論文盗用の疑いで研究室を追われた過去を認め、「確かに恨んでた。でも、殺すなんて面倒なことしないよ」と言う。なぎにーは佐藤のノートにあった「亮太に注意」というメモを突きつけ、「これ、どういう意味ですか?」と問う。山本は一瞬目を逸らし、「さあな。佐藤が勝手に警戒してただけだろ」と答える。 山本のアパートを調べると、化学に関する古い教科書やノートが散乱し、佐藤の研究に似た分子構造のメモがあった。なぎにーは「山本さん、佐藤さんのプロジェクトにまだ興味があったんじゃないですか?」と畳みかけるが、山本は「もう過去のことだ」と突っぱねる。 「なんですか、これ…。全員、怪しいけど決め手がない」 なぎにーはノートに手がかりを整理し、勇人と美咲に相談。「田中のUSB、美咲のスケッチ、山本の映像…。どれも半端だ。佐藤さんが残したメッセージを解かないと」 第6章:真相の解明 なぎにーは、勇人と美咲を連れて事件現場を再訪した。夏の夕暮れ、理学部棟の裏庭は静まり返り、血の跡は警察によって洗い流されていたが、なぎにーの頭にはあの円形の模様が焼き付いている。彼は地面にしゃがみ、スケッチした模様をじっと見つめる。「この7つの円…ただの血痕じゃない。佐藤さんが命がけで残したメッセージだ」 佐藤の研究データを改めて解析すると、プロジェクトの核心は「7つの環を持つ新素材」だった。この分子は、特定の化学反応でしか形成されない独特な構造を持ち、産業界での応用価値は計り知れない。なぎにーは、現場の血の模様がこの7つの環を模していることに気づく。「佐藤さんは、犯人がこの分子を知る人間だと伝えようとしたんだ」 さらに、佐藤の破られた紙片に書かれた「データは…」という文字を分析。紙の断片には、微かにインクの跡が残り、「裏切り」という単語の一部が読み取れた。「佐藤さんは、内部の裏切り者を暗示したんだ。犯人は研究室の人間か、データを深く知る者だ」 なぎにーは、3人の容疑者を理学部棟の会議室に集めた。田中はスーツ姿で不敵に笑い、美咲は落ち着かない様子で俯き、山本は苛立った表情で腕を組む。なぎにーは深呼吸し、推理を始めた。 「佐藤さんの死は、単なる殺人じゃない。プロジェクトのデータを巡る争いだ。現場の血の模様は、7つの環の分子構造を表してる。これは、佐藤さんが最期に残した犯人へのメッセージ。では、誰がこの構造を正確に知っていたか?」 田中誠:なぎにーは田中のUSBとスケジュール表を提示。「あなたは佐藤さんのデータを狙い、事件前夜に口論していた。現場近くのタバコの吸い殻もあなたの銘柄だ」 しかし、田中は冷静に反論。「私のアリバイは会社の監視カメラで証明できる。吸い殻? あの辺で吸ったかもしれないが、事件とは無関係だ」 なぎにーは調査結果を確認。確かに、田中の残業記録は会社のログで裏付けられていた。「タバコは状況証拠に過ぎない…。田中さんは除外だ」 山本亮太:次に、なぎにーは監視カメラの映像を出す。「山本さん、事件当夜、理学部棟近くにいた。佐藤さんのノートに『亮太に注意』とあったのは、過去の盗用事件だけじゃない。あなた、最近も佐藤さんに接触してたね?」 山本は顔を赤らめ、「謝罪しに行っただけだ! 殺すわけないだろ!」と叫ぶ。なぎにーは山本のノートにあった分子構造のメモを指摘するが、それは古い研究のものだと判明。「山本さんは動機はあったけど、7つの環の詳細を知る機会はなかった。あなたも除外」 林美咲:最後に、なぎにーは美咲に目を向ける。「美咲さん、あなたのノートにあった分子構造のスケッチが、現場の模様と完全に一致する。あなたは佐藤さんのプロジェクトの核心を知っていた。事件当夜のアリバイも曖昧だ」 美咲は震える声で、「スケッチは研究の一環よ! 私、先生を殺すわけない…」と否定するが、なぎにーは続ける。「佐藤さんの紙片に『裏切り』とあった。あなたは、佐藤さんがあなたの研究を認めず、データを企業に売ろうとしたことに怒ってた。データを独占するために、佐藤さんを刺し、模様を偽装して自分を隠そうとした」 美咲の顔が青ざめ、ついに膝をつく。「…先生は私の研究を馬鹿にして、データを企業に渡そうとした。私が何年もかけて研究したのに…! 私がやったのよ!」 彼女は涙ながらに自白。佐藤を刺した後、分子構造の模様を血で描き、調査を撹乱しようとしたのだ。 警察が呼ばれ、美咲は連行された。なぎにーは疲れ果てた表情で、勇人と会議室に残る。「なんですか、これ…。こんな結末、嫌だな」 勇人は肩を叩き、「でも、お前が真相を暴いたんだ。すげえよ、なぎにー」 第7章:夢への再出発 事件解決後、なぎにーは北大キャンパスを再訪。夏のイチョウ並木が風に揺れる。勇人は笑いながら言う。 「なぎにー、名探偵じゃん! これで勉強のやる気も出たろ?」 「なんですか、これ…。まあ、ちょっとだけな」 なぎにーは参考書を手に、笑みを浮かべる。北大への道は遠いが、自分の頭脳と情熱を信じられるようになった。勇人との絆も深まり、新たな一歩を踏み出す。 (完)

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06月23日

なぎにー君の偏見集 屋上から紙飛行機飛ばしたことありそう 夏祭りの金魚掬い得意そう 傘よく盗まれてそう 自分の唾液をローション代わりにしてそう

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『名探偵なぎにー』 第1章:夏の札幌、夢の第一歩 2025年7月、札幌は夏の暑さに包まれていた。蝉の鳴き声が響き、陽光がアスファルトを熱くする。北海道情報大学の図書館で、仮面浪人生・永井直樹(19歳)、通称なぎにーは参考書を前にうなだれていた。北大理学部を目指す彼は、去年の共通テストで3割しか取れず、夢への道は遠い。それでも、「北大で学びたい」という情熱が心の奥でくすぶっていた。 「なんですか、これ…」 なぎにーの口癖が漏れる。目の前の共通テスト過去問は、まるで解けない暗号だ。細身で猫背、黒縁メガネの奥に鋭い目を持つなぎにーは、見た目は平凡だが、頭の回転は速いと自負している。しかし、モチベーションは上がらず、Twitterで「北大 合格」と検索しては落ち込む日々。 「こんなんじゃダメだ。環境を変えないと…」 なぎにーは参考書を鞄に詰め、「北大のキャンパスに行って、モチベーションを上げよう!」と決意する。そこに、親友の中村勇人が現れた。がっしりした体格、明るい笑顔、楽天的な性格のサッカー部員で、なぎにーの仮面浪人という秘密を知る相棒だ。 「よお、なぎにー! また過去問にやられてんのか?」 勇人がニヤニヤしながら近づく。 「なんですか、これ…。お前は気楽でいいよな、大学生活楽しんでるんだから」 「ハハッ、楽しむのも大事だろ? なあ、北大行ってみねえ? サッカー部の先輩が練習試合あるって。ついでに見学してモチベーション上げろよ!」 勇人の提案に、なぎにーの目が光る。「それ、いいな。よし、行くぞ!」 こうして、二人は北大キャンパスへ向かった。 第2章:キャンパスに響く叫び声 北海道大学のキャンパスは、札幌駅近くの広大な敷地に広がる。夏の陽光に照らされたイチョウ並木、レンガ造りの建物、学び舎の雰囲気が漂う。なぎにーは目を輝かせ、「ここが…北大か」と呟いた。 二人が理学部棟近くを歩いていると、突然、叫び声が響いた。 「誰か! 助けて! 死んでる…!」 なぎにーと勇人は声のする方向へ駆け出す。理学部棟の裏庭、人通りの少ない場所で、学生らしき女性が泣き叫んでいた。その視線の先には、血まみれで倒れた男性。白衣を着た30代後半の男性で、胸にナイフが突き刺さっている。血が地面に広がり、夏の暑さで異様な匂いが漂う。 「なんですか、これ…!」 なぎにーは口癖を漏らし、現場に近づく。白衣のポケットのIDカードには「佐藤健一、北海道大学理学部准教授」とある。地面には血で描かれた奇妙な円形の模様。まるで化学式のベンゼン環のような、整った配置だ。 「勇人、この模様…血で描くにしては不自然だ。意図的じゃないか?」 なぎにーはしゃがみ、模様を観察。勇人は「なぎにー、ヤバいって! 警察呼ぼうぜ!」と慌てるが、なぎにーは「ちょっと待て」と制止。現場の細部を記憶に刻む。被害者の手にはペンが握られ、近くに破られたノートの一部が落ちている。 「これは…メッセージ? 佐藤さんが最期に残したものか?」 野次馬が集まり、サイレンの音が近づく。警察到着前、なぎにーはノートに模様をスケッチし、破られた紙片をこっそり拾う。「これはただの殺人じゃない」と確信していた。 第3章:容疑者の影 警察が現場を封鎖し、なぎにーと勇人は規制線の外で状況を見守る。野次馬の中には、佐藤の研究室の学生や同僚がざわめく。なぎにーは耳を澄ませ、情報を集める。 「佐藤先生、最近誰かと揉めてたらしい…」 「企業から圧力受けてたって噂…」 刑事に「現場で何してた?」と尋ねられ、なぎにーは冷静に答える。 「通りかかっただけです。でも、この血の模様、ただの偶然じゃないですよね?」 刑事は「学生が首を突っ込むな」と一蹴するが、なぎにーの好奇心は止まらない。勇人を連れ、北大図書館へ向かう。 「勇人、佐藤さんの研究を調べる。模様と事件、絶対繋がってる」 図書館で、なぎにーは佐藤健一の研究を調べる。佐藤は有機化学の専門家で、環状化合物の新素材開発に携わっていた。成功すれば産業界に革新をもたらすプロジェクトだが、最近は「極秘データ」を巡り、外部から圧力を受けていたらしい。 「この模様…佐藤さんの研究の分子構造に似てる。犯人が意図的に残したか、佐藤さんがメッセージとして描いたか…」 なぎにーは、佐藤と関わりのあった人物を洗い出す。以下の3人が容疑者として浮上した: 田中誠(40歳、企業エージェント) 新素材の特許を狙う化学企業の社員。佐藤にデータの引き渡しを迫り、研究室に出入りしていた。事件前夜、佐藤と口論する姿が目撃されている。 手がかり:佐藤の研究室に田中の名刺が落ちていた。事件現場近くで、田中のものと思われるタバコの吸い殻。 林美咲(23歳、佐藤研究室の大学院生) 佐藤の右腕としてプロジェクトに参加。優秀だが、佐藤に厳しく指導され、ストレスを溜めていた。事件当日は研究室にいたと主張するが、アリバイが曖昧。 手がかり:彼女のノートに、現場の模様に似た分子構造のスケッチ。佐藤のデータにアクセスできた立場。 山本亮太(28歳、元研究室メンバー) 佐藤の元学生で、論文の盗用疑惑で研究室を追われた過去を持つ。佐藤を逆恨みし、最近キャンパスで目撃されていた。 手がかり:事件現場近くの監視カメラに、フードを被った山本らしき人物。佐藤のノートに「亮太に注意」と書かれたメモ。 「なんですか、これ…。全員、動機と機会がありそう」 なぎにーは勇人に相談し、調査を進めることを決意。 第4章:研究室への潜入 翌日、なぎにーと勇人は佐藤の研究室を訪れる。立入禁止のテープが貼られているが、なぎにーは隙間から中を覗く。散乱した書類、実験器具、壁の分子構造ポスター。ポスターの構造は、現場の血の模様と一致する。 「これ、佐藤さんが研究してた分子だ。犯人はこれを知ってる人間だな」 そこに、林美咲が現れる。「あなたたち、誰!? ここは立入禁止よ!」 なぎにーは正直に事情を話し、北大志望の仮面浪人生であること、事件に興味を持ったことを伝える。美咲は警戒しつつも、佐藤の死に動揺している様子。 「佐藤先生、最近変だった。誰かに監視されてるって…。データが盗まれたかもしれないって言ってた」 美咲の話では、佐藤は企業(田中)からの圧力に加え、内部の裏切りを疑っていた。山本亮太とも最近連絡を取っていたらしい。なぎにーは美咲に協力を求め、3人で手がかりを探す。美咲は佐藤のパソコンにアクセスを試みるが、パスワードが分からない。 「パスワード、分子構造に関係あるかも」 なぎにーは現場の模様を思い出し、分子の化学式を入力。パソコンが起動し、暗号化されたデータが現れる。 「これが…佐藤さんの極秘プロジェクトか」 第5章:容疑者の追跡 なぎにー、勇人、美咲の3人は、容疑者それぞれの手がかりを追うため、札幌の街を動き回った。夏の陽光が照りつける中、汗と緊張でシャツが肌に張り付く。なぎにーはノートにメモを書き込みながら、頭をフル回転させていた。「犯人は佐藤さんの研究を知る人間。手がかりを一つずつ潰していけば、真相が見えるはずだ」 田中誠の調査 なぎにーと勇人は、田中のオフィスがある札幌市内の高層ビルへ向かった。化学企業「ノースケム」のオフィスは、ガラス張りのモダンな建物で、受付の女性が冷たく二人を見据える。なぎにーは「佐藤准教授の研究について取材に来ました」と適当な口実をでっち上げ、なんとかビルのセキュリティをすり抜ける。 田中のデスクに忍び込むと、引き出しに佐藤の研究データのコピーが入ったUSBが隠されていた。さらに、事件当日のスケジュール表には「21:00 佐藤と会う」と書かれ、その後に「キャンセル」と赤ペンで殴り書きされている。なぎにーは眉をひそめる。「このキャンセル、怪しいな。偽装したアリバイの可能性がある」 勇人がビルのゴミ箱を漁ると、田中のものと思われるタバコの吸い殻を発見。現場近くで見つかった吸い殻と同じ銘柄だ。「なぎにー、これって決め手じゃね?」と勇人が興奮するが、なぎにーは首を振る。「いや、タバコは誰でも吸える。もっと確実な証拠が必要だ」 田中を直接問い詰めるため、なぎにーたちは彼がオフィスに戻るのを待ち構えた。田中は40歳のスーツ姿の男で、鋭い目つきと落ち着いた物腰が印象的だ。「佐藤准教授のデータについて話したい」と切り出すと、田中は一瞬顔を強張らせたが、すぐに笑みを浮かべる。 「佐藤? ああ、彼とはビジネスで話してただけだ。データ? そんなもの知らんよ。君たち、学生の分際で何を嗅ぎ回ってるんだ?」 田中は事件当夜のアリバイを主張し、「私はオフィスで残業していた」と言う。だが、なぎにーは彼のデスクのメモとUSBを突きつけ、「これ、説明できますか?」と追及。田中は動揺しながらも、「佐藤がデータを売る約束を破っただけだ。殺す理由はない」と否定した。 林美咲の調査 次に、なぎにーは美咲のアリバイを検証する。彼女は事件当夜、研究室で実験データの整理をしていたと主張していたが、研究室の入退室記録を確認すると、20時から22時の間に彼女の出入りがない。なぎにーは美咲に直接問う。「美咲さん、事件の時間帯、どこにいたんですか? 記録がないですよ」 美咲は目を伏せ、唇を噛む。「…私、先生と口論して、研究室を出てたの。キャンパスのカフェで一人で考えてた。でも、誰も見てないから証明できない…」 彼女のノートにあった分子構造のスケッチが、現場の血の模様と完全に一致していた点も気になる。美咲は「研究でよく描いてた構造よ。偶然じゃない?」と弁解するが、なぎにーは彼女の動揺する瞳を見逃さなかった。「偶然でこんな複雑な模様が一致するかな…?」 美咲のデスクを調べると、佐藤のプロジェクトのデータにアクセスした痕跡がパソコンに残っていた。彼女は「先生の指示で整理してただけ」と言うが、なぎにーは彼女がデータに特別な関心を持っていた可能性を疑う。「美咲さん、佐藤さんを恨んでませんでしたか? 指導が厳しかったとか」 美咲は顔をそらし、「そんなこと…ない」と呟くが、声は震えていた。 山本亮太の調査 山本亮太を追うため、なぎにーたちは北大の監視カメラ映像を入手。事件当夜、フードを被った山本らしき人物が理学部棟近くをうろつく姿が映っていた。なぎにーは勇人と共に、山本が住むアパートへ向かう。札幌の郊外、薄暗いアパートのドアをノックすると、山本が不機嫌そうに出てきた。 「佐藤先生のことだろ? 俺は関係ない」と山本は吐き捨てる。彼は佐藤に論文盗用の疑いで研究室を追われた過去を認め、「確かに恨んでた。でも、殺すなんて面倒なことしないよ」と言う。なぎにーは佐藤のノートにあった「亮太に注意」というメモを突きつけ、「これ、どういう意味ですか?」と問う。山本は一瞬目を逸らし、「さあな。佐藤が勝手に警戒してただけだろ」と答える。 山本のアパートを調べると、化学に関する古い教科書やノートが散乱し、佐藤の研究に似た分子構造のメモがあった。なぎにーは「山本さん、佐藤さんのプロジェクトにまだ興味があったんじゃないですか?」と畳みかけるが、山本は「もう過去のことだ」と突っぱねる。 「なんですか、これ…。全員、怪しいけど決め手がない」 なぎにーはノートに手がかりを整理し、勇人と美咲に相談。「田中のUSB、美咲のスケッチ、山本の映像…。どれも半端だ。佐藤さんが残したメッセージを解かないと」 第6章:真相の解明 なぎにーは、勇人と美咲を連れて事件現場を再訪した。夏の夕暮れ、理学部棟の裏庭は静まり返り、血の跡は警察によって洗い流されていたが、なぎにーの頭にはあの円形の模様が焼き付いている。彼は地面にしゃがみ、スケッチした模様をじっと見つめる。「この7つの円…ただの血痕じゃない。佐藤さんが命がけで残したメッセージだ」 佐藤の研究データを改めて解析すると、プロジェクトの核心は「7つの環を持つ新素材」だった。この分子は、特定の化学反応でしか形成されない独特な構造を持ち、産業界での応用価値は計り知れない。なぎにーは、現場の血の模様がこの7つの環を模していることに気づく。「佐藤さんは、犯人がこの分子を知る人間だと伝えようとしたんだ」 さらに、佐藤の破られた紙片に書かれた「データは…」という文字を分析。紙の断片には、微かにインクの跡が残り、「裏切り」という単語の一部が読み取れた。「佐藤さんは、内部の裏切り者を暗示したんだ。犯人は研究室の人間か、データを深く知る者だ」 なぎにーは、3人の容疑者を理学部棟の会議室に集めた。田中はスーツ姿で不敵に笑い、美咲は落ち着かない様子で俯き、山本は苛立った表情で腕を組む。なぎにーは深呼吸し、推理を始めた。 「佐藤さんの死は、単なる殺人じゃない。プロジェクトのデータを巡る争いだ。現場の血の模様は、7つの環の分子構造を表してる。これは、佐藤さんが最期に残した犯人へのメッセージ。では、誰がこの構造を正確に知っていたか?」 田中誠:なぎにーは田中のUSBとスケジュール表を提示。「あなたは佐藤さんのデータを狙い、事件前夜に口論していた。現場近くのタバコの吸い殻もあなたの銘柄だ」 しかし、田中は冷静に反論。「私のアリバイは会社の監視カメラで証明できる。吸い殻? あの辺で吸ったかもしれないが、事件とは無関係だ」 なぎにーは調査結果を確認。確かに、田中の残業記録は会社のログで裏付けられていた。「タバコは状況証拠に過ぎない…。田中さんは除外だ」 山本亮太:次に、なぎにーは監視カメラの映像を出す。「山本さん、事件当夜、理学部棟近くにいた。佐藤さんのノートに『亮太に注意』とあったのは、過去の盗用事件だけじゃない。あなた、最近も佐藤さんに接触してたね?」 山本は顔を赤らめ、「謝罪しに行っただけだ! 殺すわけないだろ!」と叫ぶ。なぎにーは山本のノートにあった分子構造のメモを指摘するが、それは古い研究のものだと判明。「山本さんは動機はあったけど、7つの環の詳細を知る機会はなかった。あなたも除外」 林美咲:最後に、なぎにーは美咲に目を向ける。「美咲さん、あなたのノートにあった分子構造のスケッチが、現場の模様と完全に一致する。あなたは佐藤さんのプロジェクトの核心を知っていた。事件当夜のアリバイも曖昧だ」 美咲は震える声で、「スケッチは研究の一環よ! 私、先生を殺すわけない…」と否定するが、なぎにーは続ける。「佐藤さんの紙片に『裏切り』とあった。あなたは、佐藤さんがあなたの研究を認めず、データを企業に売ろうとしたことに怒ってた。データを独占するために、佐藤さんを刺し、模様を偽装して自分を隠そうとした」 美咲の顔が青ざめ、ついに膝をつく。「…先生は私の研究を馬鹿にして、データを企業に渡そうとした。私が何年もかけて研究したのに…! 私がやったのよ!」 彼女は涙ながらに自白。佐藤を刺した後、分子構造の模様を血で描き、調査を撹乱しようとしたのだ。 警察が呼ばれ、美咲は連行された。なぎにーは疲れ果てた表情で、勇人と会議室に残る。「なんですか、これ…。こんな結末、嫌だな」 勇人は肩を叩き、「でも、お前が真相を暴いたんだ。すげえよ、なぎにー」 第7章:夢への再出発 事件解決後、なぎにーは北大キャンパスを再訪。夏のイチョウ並木が風に揺れる。勇人は笑いながら言う。 「なぎにー、名探偵じゃん! これで勉強のやる気も出たろ?」 「なんですか、これ…。まあ、ちょっとだけな」 なぎにーは参考書を手に、笑みを浮かべる。北大への道は遠いが、自分の頭脳と情熱を信じられるようになった。勇人との絆も深まり、新たな一歩を踏み出す。 (完)