経絡の三陰三陽についての運用法ですが、左手の少陰経で起こってる症状を右足の少陽経で取るなどでしょうか？私も肝を治療する時に肝経を使うみたいな運用はしなくなったのですが、経絡の三陰三陽についての考えを教えて頂ければ幸いです。

まず骨傷系の治療と内傷系の治療を分けて考えた方がいいでしょう。 骨傷系の治療でいちばん簡単なのは内傷との関連を考えずに、経絡経筋療法として該当系の経絡の阻滞を疎通するような治療を考えればいいでしょう。経筋治療の本がいくつか出ていますますのでそれを参考にすれば、胃の気のしっかりした人なら効果が出るはずです。整骨院で鍼灸をしたり、保険を使って鍼灸をするレベルならそれで十分かなと思います。 しかし自費治療として鍼灸治療をする場合は、骨傷治療でも内傷との関連を考えたり、内傷そのものの治療を考えたりすることが必要で、もうちょっと深い技術を導入する必要があります。 中華伝承医学では陽気と陰気の昇降のさせるのに、三陰三陽経を使って、陽気を上げると下げる、陰気を上げる（活血）下げる（滋陰）ということをします。それは経絡上の経穴の配穴順序を考慮して行います。 たとえば陽気を上昇させるには右の三陽経を使います。三陽のどの経のどの経穴を使うかは、どこの陽気を上げたいのかによって使い分けます。二箇所以上の経穴を使うのなら下から順番に配穴するという手順を踏みます。その効果を最大限にするには、刺法も重要になってきて、流注の経絡の順逆とは違う発想を導入します。それは西洋医学の解剖生理も考慮に入れながら行います。三陰三陽に六気を当てはめて考えることもします。 肝を治療するのなら門脈循環・胆汁の流れ、総肝動脈の血液循環、肝静脈の循環、肝臓そのもの寒熱などを操作する必要があるので、それぞれに対して、どの経のどの経穴をどういう順序で使えばいいのかを考える必要があります。 この部分をきちんと説明するとなると、概論だけでも一コマ以上の授業がいるでしょうね。