今夏もブライトンの獲得・売却の噂や公式発表が沢山ありそうですが、移籍金についての質問があります。
獲得に費やした金額と売却額、この差がどれだけあればその選手についての契約は成功だったと言えると思いますか?
また、車の取引のように、減価償却という考え方はサッカーの移籍においてありますか?
例として23-24夏に獲得のペドロを挙げますが、
3000万ポンドで獲得した彼の売却額が幾らなら、彼の獲得・在籍期間・売却の流れは成功と言えますかね?
私としては、獲得にかかった移籍金と同額での売却になってもこの2年間のペドロの成果であれば、ペドロの獲得売却の流れは成功なのかなと感じています。
払った給与やセルオンなど選手によって色々と条件は違うと思いますが、じらイトンさんの考えをお聞きしたいです。

じらイトンさん
回答が明確な方から返します。
契約に減価償却の考え方はあります。
例示のペドロで言えば、
移籍金:£30M
契約期間:5年
という条件であるので、ペドロとの間に結ぶ5年契約という資産の取得費用が£30Mです。
つまり、£30Mの価値があるペドロの契約が年々価値を減じて、5年後には無くなると処理します。
したがって現時点でのペドロとの契約における「会計上の価値」は、5年契約のうち2年を終えたので、5分の3の£18Mとなります。
なので仮にペドロ放出の場合の移籍金が£50Mとすると、クラブ会計上の当期利益は、差額の£32Mと言えます。
言い方を変えれば£30Mで仕入れたペドロを£50Mで売ったとも言えるし、(原価と売価の差額)
£18Mの契約を£50Mに変えたとも言えるし、(帳簿価値と売価の差額)
クラブのエースを£50Mで売ったとも言えます。(戦力評価と売価の評価)
最初の質問に戻ります。
移籍の成否は主観的に意見が分かれるものだと思います。
例えば、ブライトンは三笘を今季売るべきか?とかも結論が出ない話だと思います。
値札がある程度高いうちに現金化すべきだ!という論も一理あるし、本人が望んでくれるならクラブから金に替えるようなクオリティの選手じゃない!という論も一理あると僕は思います。
ただ、1つ言えるのは活躍している場合の移籍は概ね良しとしていいように思います。
活躍する=名を上げるですし、活躍度の割に移籍金残らないケースは一部のフリー移籍を除いてかなり限られます。
そういった意味では、ペドロぐらいの£30M級はブライトンなら活躍したらほぼプラスで終えるくらいの予算感になると思うので、移籍する事で財務的なメリットは割とある傾向になりやすいです。
気をつけないといけないのは、そのクラブの身の丈に合わない程多額な移籍や、価格の割に活躍してない下り坂の選手の是非だと思います。
帳簿価値を下回る場合、つまりペドロを£5Mで売る場合などは、会計上は当期の損失になります。
現金£5Mが入ってくるので移籍予算が増えると勘違いする人がいるのですが、会計上は£18Mの資産を売って£5Mの現金を得たと処理するので、売る前よりも£13M損してます。
今期の移籍予算を取りたいなら売るべきではないが、車じゃないので置いておいても価値下がるだけだし…と判断と評価が難しくなります。