安定冠動脈疾患と慢性冠動脈疾患は概念が重なる部分はありますか？いずれも虚血が明らかになる前、疑った段階から抗血小板薬は開始した方がよいのでしょうか？ ご回答よろしくお願いいたします。

重なる部分はありますし、定義はガイドラインによっても変化しています。日米欧、いずれも冒頭部分に記載されていることが多いので見てみると良いですが、最初に"慢性冠症候群"という用語を用いたのは2019年ESCガイドラインです。CCSはより広い概念をカバーしていることと、安定してリスクの低い状態というより、再度ACSを起こしうる進行性の慢性疾患であるといった意味合いも含んでいます。 慢性冠動脈疾患を疑った時点でということは最近では推奨されませんが（以前は胸痛の1st aidとして記載されているものもありましたが）、どれほどのリスクと特異的症状かと、アスピリンによる副作用リスク、虚血評価するまでの待機期間によって適応は変わりうるだろうと考えます。