ご質問事項(オラクルの戦略)の定義があいまいで、質問の意図が不明確ですが、
オラクルの最近のAIに対する動きのことと、今話題になっているのはスターゲイト計画やOpenAIとの協業の話と仮定し、以下で分けて説明します。
前者のオラクルの近年のAIに関する動きは非常に成功しており、AI事業者としての存在感は以前とは比べ物にならないくらい増しています。
特に企業の基幹システム向けのデータベースソフトを提供してきた歴史的な背景と厚い顧客基盤を活用し、自社のクラウドのみならず、ゲートキーパーとして他社のクラウドともシームレスにAIクラウドの構築を行っています。同社は政府機関や防衛産業との関係も深く、非常にセキュアな環境でクラウド運用を行うことも強みとなっています。顧客データをセキュアな環境下のままRAG(検索拡張型生成AI)の実装を支援し、さらに最近はパランティアとの提携によりAIPを活用することができるなど他社との差別化も図りながら、企業のAI活用を推進する役目を担っています。これらの戦略は非常に成功しており、業績に表れているのはご承知の通りかと思います。
詳細は以下URLのnoteもご参照ください。
「Oracle(ORCL)は「次のAI本命株」か?NVDA・PLTR・OpenAIと連携する「企業データのゲートキーパー」」
https://note.com/nopotechinolife/n/ncbdd2df3d027
後者のスターゲイト計画の推進については、現時点では確実なことは言えないと思います。
例えば、AIデータセンターの構築には、エヌビディアのGPUのほか、建屋、ラック、ネットワーキングなどデータセンターそのものに加え、電力を賄う必要があります。どれが欠けてもAIデータセンターは動かず、計画が遅延する要因となります。電力や送電網については電力会社の供給能力に加え所管省庁の許認可が必要なこともあり、想定以上に時間がかかる可能性があります。また、巨額の設備投資資金が必要となりますが、オラクルは債券を発行する計画であるところ、債券の種類によりますが、利息の支払い、元本の返済などのためにキャッシュフローが必要となります。データセンターが計画通り進めば、OpenAIその他ハイパースケーラーなど顧客需要が高いため安定したキャッシュフローが見込めそれほど心配は要らないのではないでしょうか。
その後、仮にAIデータセンター(AI計算資源)が余り、他のネオクラウド事業者との競争激化、値下げ競争などがあれば、業績や株価への影響もまぬかれない可能性がありますが、現時点では明らかに需要が上回っており、精緻な予想は不可能です。