EGPAの治療薬についての先生の個人的見解で構わないので教えてください。
昨年末ファセンラにEGPAの適応が追加されましたが、ヌーカラと比べて治験等では「どっちもどっち」だったように記憶していますが、臨床上または先生の見解はどうですか?
また、いずれも4週ごとの投与ですが、ヌーカラは3本打たなくてはならないことと添加剤の関係からか大変しみますが、ファセンラは1本打てばよいこととおそらくヌーカラほどはしみないと思われます。ヌーカラは大変しみて痛いのでどうにかならないかと思っている方は多いと思いますが、だからといってファセンラへ安易に変更できるものなのか、確かそれぞれ全例調査の薬剤なので、理由無く変更は現実的ではないと思いますが、現状はどうなのでしょうか?

はぎーどら(huggy.dora)さん
ファセンラ vs ヌーカラのバトルは今後しばらく続くと思いますが、個人的にはIL-5Rに対する抗体がファーストで良いのではないかと予測しています。
以前はHypereosinophiliaを「急速に治療しすぎる」と、好酸球から放出されるケモカインが臓器障害を引き起こすのではないか(=抗IL-5R抗体は初期治療には不向きではないか)と思っていたのですが、パルスではない1mg/kg/day程度のステロイドを先行させると、好酸球はケモカインなどを放出せずにdeactivateされながらapoptosisに至るらしく、実際に臨床試験(の限られた症例数)の範疇では初期から抗IL-5R抗体を使用しても大丈夫であるように見えます。
ただ、より多くの症例数が積み重なってくると、”抗IL-5R抗体-inducedの"好酸球性臓器障害が見えてくるかもしれず、現に逸話的症例として見聞することはあります。
注射時の疼痛は薬剤変更理由として十分と思いますので、変更も検討して良いのではないでしょうか。
(COI開示:EGPAをテーマとした、GSK並びにアストラゼネカの主催する研究会で講演し謝礼を受領したことがあります)