検察官志望で予備試験ルートで勉強中です（R5年受験）。 社会人受験生なのですが、奇跡的にストレートで合格しても、修習時は35、36？才になります。こんなおっちゃんでも、検察官への任官は可能なのでしょうか？

質問ありがとうございます！ 検察官を志望してくださってとても嬉しいです！ 社会人・30代からの任官は決して不可能ではなく、私の周りにも30代で検事になった人は複数おります。 「検察官任官者　年齢」などの単語で検索していただきますと、新任検事の年齢の平均値、最年少者の年齢、最年長者の年齢が出てきますので、ぜひ参考になさってください。 このデータは法務省が公開しているのですが、データを見ると、30代後半でも任官は可能であることが実証されている一方で、任官者の平均年齢を見ると20代半ばということが分かり、やはり若いうちに合格、修習に進んだ人の方が任官しやすい傾向はあろうかと思います。 （厳密には、修習生全体の年齢層の割合を見た上で、検事任官者の年齢層の割合と比較すべきなのでしょうが、この点ご容赦ください） そこで、質問者さんが強く検事になりたいとお思いなら、こんなことを心がけていただけるとよろしいかと思います。 ・可及的速やかに合格する 　とにかく早く合格するに越したことはありません。そして「司法試験を受けようと思い立ってから、たったの〇年で合格したのです」と言えるようにしましょう！ ・社会人経験を強みとしてアピールできるようにする 　法務であれば、企業活動についてよくよく知っているとか、経理であれば帳簿が読めるとか、SEであればサイバーやれます！などなど。簿記や技術者系の資格、あとは英語をはじめとする語学もいいですね。年長ですが、その分付加価値があるのです、とアピールするのです。 ・身心頑強である 　自分比で考えていただいた際、10年前と比べて気力体力が低下しているものと思われます（これは私がそうだからそう予測しているのですが、的外れだったらすみません）。20代の元気いっぱいの人たちに負けないくらい元気だよ！という気概で、元気でいてください。もう本当元気が一番です。それだけで一つの魅力です。この元気というのはやたら声がでかいとかボールを遠くまで投げるとかビールを１ガロン飲むとかいうものではなく、いざという時には体力的に多少の無理がきき、多少忙しくても情緒が安定している、というイメージで言っています。もちろん無理は禁物なのですが。 ・修習では検察庁の人とコミュニケーションを取る 　実務修習先の修習生担当検察官、和光のクラスを受け持ってくれる司法研修所の検察教官、両方に検察志望であることを臆さずに伝え、積極的にコミュニケーションを取ってください。その際、相手を論破しようと思う必要はなく、逆におもねる必要もありません。「私はあなたと一緒に仕事をしたいと思っています」という気持ちで、素直にコミュニケーションしてください。何か質問するときは、条文と判例は調べたうえで質問すると良いと思います。あと、検察事務官の皆様には敬意を持って接してください。彼らこそが検察庁を支えています。 なお、当然ながら起案の成績は良い方がいいです。 やや抽象的で申し訳ありませんが、今浮かんだのはこんな感じです！ それと ・検事の昇給、異動に伴う昇進は、年齢ではなく任官してからの期間を基準とするのが原則 であることは、今後の人生設計に際し念頭に置いておくと良いかと思います。 要は、給与が最も高くなる最後の10年を得られないということです。退職金も働いた期間に応じて額が決まります。弁護士であれば、「最初の10年に稼ぎ切ってリタイアする」等の働き方も取りうるのですが、検察官はそうはいかないということです。この仕組みが今後変わるかは分かりません。 とはいえ、さすが国家公務員、福利厚生はしっかりしていますし、何より、とても良い仕事で世の中にとって必要な仕事だと思います。 ぜひ合格目指していただければと思います。 なお、私のこんな長文も、たかだか10年程度を末端で過ごした者の一意見に過ぎません（辞めている時点で異端であり、意見を参考にしてはいけない人にならないのか？と我ながら心配）ので、機会があれば是非いろいろな現役検察官、OB、OGのご意見に触れてみてくださいね。 各検察庁が開催している広報イベントや、なるにはシリーズ等の書籍などがあたりやすいと思います。それでは～！