遺失物が私の手元に返ってきませんでした。3ヶ月以上前の、解決できずに終わってしまった出来事なのですが、話を聞いてください。あと、当局の対応が正当かどうかも...
私が紛失した定期入れとその中のsuicaがJRの忘れ物取り扱いセンターに届いたのですが、私が個人情報保護のため設定していた偽名が原因で引き渡しを拒まれました。あえて偽名を設定している旨を伝えましたが、「特徴が一致する落とし物はある。その偽名を言えたら返せる」とのことでした。私はその偽名を思い出せず、結局最後までsuicaを引き渡してもらえませんでした。
無記名suicaに定期券を付与する際に、個人情報の設定(=記名式への変更)が求められます。
個人情報を書きたくないからといって、これに「チャバシラ タツコ」などとデタラメな名前を設定すると、以下の対応を取られることは理解できます。
①乗車中に発覚した場合、無効な乗車券として扱われる
②紛失時に再発行のサービスを受けられない
しかし、
③このsuicaが遺失物として届けられた場合、持ち主を名乗る人間にこれを返却しない
という対応は不当だと思います。上記①②の根拠となるsuicaの規約(これは当然存在します)を羅列して、③の結論に繋げられたことが納得いきません。
そもそも遺失物として届いたものがsuicaであろうとなかろうと、その処遇は遺失物法に則って行われるべきだと思います。JRが(いわば勝手に)設定したsuicaの規約を持ち出して、これを遺失物の引き渡しをしない根拠とすることがおかしい。suicaの規約はあくまでsuicaが乗車券として有効か無効かに関する規則にすぎません。落とし主を名乗る人間にこの拾得物を渡すかどうか?という問題は、suicaが有効だろうが無効だろうが全く関係ないと思うのです。この長文を書いていると悔しさがぶり返してきました。
後日ご意見フォームに問い合わせたところ、一日後にJRから添付画像の回答をされ、また一日後にこちらの主張を返しましたが、それに対する返事は一週間後(落とし物の現物がJR当局から警察当局に移管された後)でした。めんどくさいと思われてるんだろうな...とは察しました。で、警察当局の窓口で聞くと、やはりカードの名前(私が設定したデタラメな名前)が言えないと渡せない、とのことでした。
話がとっ散らかってごめんなさい。
遺失物法 施行規則 第二十条にある「返還を求める者からその氏名等を証するに足りる書面の提示を受けること」を根拠に、だからデタラメネームSuicaはあなたに返せませんよ、返してほしいならその「デタラメネーム」を言ってごらんよ、とJR当局からも警察当局からも言われました。(私はデタラメネームを思い出せません。それこそ適当に設定した偽名なので...)
今思えばこれもおかしいですよね?素人の読解ですが、上記施行規則はあくまで「遺失物の管理担当者から求められた場合、あなたの身分を明かしてね」という意味なのであって、「遺失物に記載の名前と、その持ち主を名乗る人間の名前とが一致しなければその遺失物を引き渡してはならない」という意味ではないはずです。それこそ、名前の書いていない傘を取り戻すことも、子供の落としたハンカチを親が取り戻すこともできなくなってしまう。添付画像(JR当局回答)2段落目末尾に記載の「その氏名等を証するに足りる書面の提示を受けていない(ので件のsuicaは返せません)」って絶対法律の読み方がおかしい...素人目にはそうとしか思えません...●①この点ローカス先生の見解を伺いたいです。●
そしてさらに、本人確認がどうこう言うのであれば、
「本人にしか渡せない。デタラメな名前を設定したのか知らんが、とにかくこのsuicaに書いてある『チャバシラ タツコ』という奴をここに呼んでこいや!」
ならまだわかります。でも、私がJRと警察両方の窓口で言われた
「あなたが設定したデタラメネームを言ってくれたら返します」
って、個人情報に基づいた本人確認ではなく、まさに落とし物の特徴を絞るための質問じゃないですか。落とし物の特徴は、定期入れの外見や定期区間、中に入っている惣菜屋のポイントカードのおかげで、すでに取り違える可能性が皆無なまでに私の主張と一致しているのに、名前の一致に拘るのは不合理だと思います。●②この点もローカス先生の見解を伺いたいです。●
※ 当局の視点に立つと、私が「第三者が落とした定期券をネコババして使っていた不届き者」である可能性を通常は排除できません。しかし私は、定期券を一ヶ月間隔で、その都度新規suicaを発行して使用していました。それに伴って発生する使用済みsuica(もちろん名前はそれぞれデタラメ)を複数枚持っていましたし、これらを担当者に提示済みですので、ネコババ野郎疑惑は限りなく払拭したつもりです。話が脱線しますが、旧い定期券が切れたタイミングでテレワークや有給や休日をなるべく多く挟み込み、できる限り間を開けてから新しい定期券を発行する。これを毎月行うことで、6ヶ月定期よりもお得に電車を利用することができるからです。さらに話が逸れますが、ここ数年は半導体不足に伴うIC乗車券発行停止のせいで、この方法〜〜都度新しいsuicaを発行する焼畑使用法〜〜ができなくなり、定期を買うこと自体を止めました。そんな妙なことをしているから...と思われるでしょうし、粗忽かつ人騒がせな人間である自覚はあります。。閑話休題。
※ ひょっとしたら弁護士さんでも一考する内容かもしれませんので、お忙しくて回答の余裕が無い場合や回答が割に合わない場合、回答する価値がない場合などは放置していただいても結構です。間を開けて同じ質問をもう一度させていただきます。
下記URL:私の質問に対するJRの顧客窓口の回答
https://imgur.com/a/leIAt62
以下、私が最初にJRのご意見窓口に送った質問
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落とし物に関する問い合わせです。
新宿東口の落とし物窓口で以下のとおり拾得物の有無を尋ねました。
・8/23(金)朝9:30頃
・新宿南口改札内の駅弁屋にて
・Suicaのペンギンのデザインされた定期入れ
・中に複数のポイントカード(パン屋、惣菜屋)、期限の切れたsuica定期がある
担当者によると、条件に一致する拾得物はあるが、中に入ったsuica(以下、「本件suica」)の名義が私の本名と一致しないとのことで、引渡しを拒まれました。
対して私は以下の4点を主張しました。
①個人情報保護のため、本件suicaの名前には偽名を設定している。思い出すのが難しい。
②suicaの名前は券売機で自由に入力できる。偽名かどうかはあくまで再発行を受ける際の問題だ。免許証やパスポートやビュースイカの名前とは違って、個人を特定するキーにはならない。乗車券として利用する際はともかく、偽名の使用自体を禁じる規約は無い。
③本件suicaに設定した偽名は思い出せないが、その定期区間、券の種類はわかる。また本件suicaと同区間のsuica定期券を持っている(提示済み)。
④無記名suicaやハンカチやスマホなど、名前の無い落とし物でも、特徴や落とした状況が一致すれば係員の裁量で渡せる。仮にそのようなハンカチに別人の名前が書かれていても、「子供のもの」などの説明をすれば、特徴や落とした状況に不合理な点がなければ引き渡しているはずだ。本件suicaも、無記名、あるいは本人でない名前が記載されていても、合理的な説明をすれば返却される落とし物だ。公的書類の偽造が疑われる場合(免許、パスポート、ビュースイカが偽名)とは決定的に異なる。再三だが、記名式suicaに設定する名前は自由。
以上の主張をしましたが通らず。。
問い合わせは2点
①窓口の対応は不当ではないか。
suicaの名前は券売機で任意に入力できるため、免許証やパスポートやクレカに記載の名前と同レベルの、身分証明の裏付けを持つ個人情報のキーとしては扱えない。落とした状況・物の特徴の正確な一致を無視して、本件suicaの(もとは2年前に私が設定した)偽名を根拠に引渡しを拒んだ窓口の対応は正当か?
②落とし物を返してほしい。
落とした状況と落とし物の特徴の一致を踏まえ、返却してほしい。
お手数おかけしてすみませんが、ご対応・ご検討お願いします。
まずご質問①について。
そもそもJRが乗客に忘れ物を返還する際に遺失物法11条1項・同施行規則20条の適用はないので、あなたもJRも根本から誤っています。
【法4条】
1 拾得者は、速やかに、拾得をした物件を遺失者に返還し、又は警察署長に提出しなければならない。(略)
2 施設において物件(略)の拾得をした拾得者(略)は、前項の規定にかかわらず、速やかに、当該物件を当該施設の施設占有者に交付しなければならない。
【法11条】
1 警察署長は、提出した物件を遺失者に返還するときは、(略)その者が当該物件の遺失者であることを確認し、かつ、受領書と引換えに返還しなければならない。
【規則20条】
法第11条第1項(略)の規定による確認は、次に掲げる方法その他の適当な方法により行うものとする。
一 返還を求める者からその氏名等を証するに足りる書面の提示を受けること。
二 返還を求める者から当該物件の種類及び特徴並びに遺失の日時及び場所を聴取し、当該物件に係る拾得物件控書に記載された内容と照合すること。
【法22条】
1 特例施設占有者は、保管物件を遺失者に返還するときは、(略)その者が当該保管物件の遺失者であることを確認し、かつ、受領書と引換えに返還しなければならない。
【規則37条】
法第22条第1項の規定による確認は、次に掲げる方法その他の適当な方法により行うものとする。
一 返還を求める者からその氏名等を証するに足りる書面の提示を受けること。
二 返還を求める者から当該物件の種類及び特徴並びに遺失の日時及び場所を聴取し、法第二十三条に規定する帳簿に記載された内容と照合すること。
このように、法11条1項・規則20条の「確認」の主体は警察署長であり、特例施設占有者であるJRは法22条1項・規則37条の適用を受けることになります。
でもまあ規定の内容はほぼ同じですね。
法22条1項の文言を見ればわかるとおり、これはあくまで遺失者であると申し出てきた者が当該物件の遺失者であることを確認する義務を定める規定です。規則37条にはその確認方法の例示が規定されているにすぎません。
したがって、確認のやり方は規則37条1号の「書面の提示」でも2号の「聴取」でも構わないし、「その他の適当な方法」でも構わないという規定になっています。
つまり、「氏名等を証するに足りる書面の提示」は、そもそも要求されていません(色々ある確認方法の一つに過ぎない)。
ただし、実務的には、警察署でも、また多くの施設でも、身分証の提示は必須とされているのではないかと思います。
それは遺失物法の要求というよりも、人違いで交付してしまった場合の追跡可能性を確保するという意味合いが大きいかと思います。
あなたも当然身分証明書の提示は可能なのでしょうから、問題が生じているのはそこではなく、遺失者であることの「確認」ができていないと扱われているのでしょう。
次にご質問②について。
取り違える可能性が皆無である程度に物件の特徴があなたの主張と一致しているなら、それは返還すべきでしょうね。まさに規則37条2号の「聴取」と「照合」による確認ができたということになるので。でも、取り違えの可能性が皆無というのはあなたが勝手に思っているだけであり、先方としては怪しいと考えているから返さないのでしょう。
名前の書いていない物についてはともかく、名前の書いてある物については、その名前の一致が最も有力な確認方法であることは論を俟ちません。定期入れに別人の名前の物が入っている場合、例えば家族の物だとか、普段から利用している通称だとか、何らかの合理的な説明が通常はあるものでしょう。
その点、あなたの説明には何ら合理性がなく、怪しいとしか言いようがないと思います。本名で作成することと定められている記名式Suicaについて、「個人情報保護」などというわけのわからない理由で敢えて偽名を用い、かつその偽名すら覚えていないと言う。Suicaの券面に記載されている氏名は実在の誰かの本名で真の遺失者はその人かもしれないのに、そんなデタラメな申告者に返すわけにいかないと考えるのは理解できます。その他の特徴については偶然の一致ということもあるわけですし、あなたが色んな鉄道会社に多数の問い合わせをして、当てずっぽうに定期入れの特徴を言って偶然一致した場合に金券を詐取しようとしている詐欺師だという可能性も排除できない。
たしかに、Suicaの発行は事実上どんな名前を入力してもできてしまうので適当な名前で作る人は少なからずいるのでしょうが、せめてその名前を言えるのでなければお返しできませんというのは、少なくとも窓口レベルの(つまり、ある程度マニュアル化、定型化が必要な)業務としては、常識的な対応のように思います。どうしても納得行かなければ返還請求訴訟を提起するしかないでしょうね。
そもそも本件の問題は、全く無用で過剰なあなたの「個人情報保護」とやらに起因しているので、そんな馬鹿なことは今後やめましょう。