名古屋市と同様、ガバメントクラウド早期移行団体検証事業に採択された自治体の担当ベンダーで標準化移行対象業務の担当を行っている者です。
先般、標準化システムへの移行についてスケジュールが示されましたが、ガバメントクラウドへの接続回線が整備されたのがつい先日、標準化システムへデータ移行や切り替えの作業は期限とされる令和7年度末より1年以上前倒しの令和6年12月28日~令和7年1月5日と提示されました。
現行環境のハードウェア保守期限は限度一杯まで延長すればもう半年程度、令和7年夏までは可能のようですが、ガバクラは共同利用方式であるために使用している全団体(10団体前後)を一度に移行しなければならないと開発元より伺っております。開発元では勤務先のベンダー以上に先行する団体はなく、さらに年末年始では開発元は休業であるために支援も得られにくい状況、何よりも移行期間が短期間過ぎるために不安でたまりません。年末年始の旅行も勤務先から禁止されました。
そこで質問です。早期移行の予定が令和6年度末までであったとして、ベンダーがガバクラ移行をギブアップしてきたらどう対応しますか。
高橋 広和/Hirokazu TAKAHASHIさん
これは、早期移行採択団体において、早期移行期間内に移行を完了できない事についての是非ということでよろしいでしょうか?(趣旨が違ったら再質問をお願いします。)
デジ庁さんの早期移行検証事業においては、検証期間内に移行を完了することを前提としています。そうでないと移行完了してその結果どうだったか?という検証が出来ないからです。
しかし、実態としてR4までの先行団体やR5早期移行採択団体が既に全部移行し終わっているかというと、そうではありません。むしろ移行完了していない団体の方が多いのではないかと想像します。
かくいう弊社も、ある業務において「令和5年度から移行を開始しないと令和7年度の移行に間に合わないため(可能な限り令和5年度中の移行を目指す)」という理由で申請して採択されたのは良いものの、事業者さんギブアップで、その早期移行採択対象業務がそのまま移行困難化してしまいました。仕方ないですよね(´・ω・`)
特に令和6年度においては、公然の秘密ですけど、デジ庁さんがクラウド利用料徴収スキームの整理が間に合わなかったため、早期移行検証事業以外でのガバクラ利用を認めない(便宜上全てのガバクラ利用を検証事業として自治体からクラウド利用料を徴収しないようにしている)という状況であるため、建前はともかく、実態としては検証期間内の移行完了はさほど重要視されず、また完了できなくても特にペナルティは無いという認識です。
担当自治体さんにおいてしっかりとした考えや計画があって令和6年12月28日~令和7年1月5日と提示されているのであればともかく、上記の建前上の理由のためであるならば、そこは交渉の余地があるのではないかと思います。
自治体において最優先すべきは標準化移行後であろうとなかろうと、基幹業務システムを安定的に稼働して住民サービスを途切れさせないことですので。