ツイートで拝見させていただいた以下についてどのようなものか知りたく、ご質問させていただけますと大変幸いです。お手数をおかけいたしますがよろしくお願いいたします。
現物出資+新株発行での株対価!
→第三者が株式現物で出資したり、新株発行するので株対価でも取引可能という話でしょうか。
相互クロボ三角合併による経営統合!
→例えば日本企業とシンガポール企業が合併するようなスキームでしょうか。クロボなので難しいという論点でしょうか。
全部取得条項付種類株式!!
→ググりましたがある種類株主は有する株式を総会決議で取り上げてしまうようなスキームと理解いたしましたがスクイーズアウトの一種でしょうか。
不応募→増資→減資→自己株取得!
→全くイメージが沸かず、、どのようなケースで使用されますでしょうか。特に途中の増資と減資の部分が全くわかりません。。
貸株→スクイーズアウト→貸株解除!
→株式を第三者に貸し付けておいて、スクイーズアウト後に貸した株式を取り戻すようなスキームでしょうか(持ち分を上げる目的?)。
港区M&Aバンカーさん
>現物出資+新株発行での株対価!
>→第三者が株式現物で出資したり、新株発行するので株対価でも取引可能という話でしょうか。
いいえ。対象会社の株式を買手企業に現物出資し、対価として新株を発行する取引により、法域にかかわらずクロスボーダーでも株式交換を実施したとの同等の結果が得られるストラクチャーになります。念頭に置いていたのは武田シャイア案件です。
>相互クロボ三角合併による経営統合!
>→例えば日本企業とシンガポール企業が合併するようなスキームでしょうか。クロボなので難しいという論点でしょうか。
いいえ。合併というのはクロスボーダーでは使用できません。組織再編行為というのはあくまで日本国内企業同士のみでしか行えません。書いていただいた例では、日本企業は日本法、シンガポール企業はシンガポール法なので、両社を合併はできません。
そこで日本企業はシンガポール子会社を新たに設立します。対象会社とシンガポール企業同士で三角合併をし、対価として親会社の日本企業株を渡せば、一切現金使わず買収ができます。シンガポール子会社と日本企業の間にホールディングスの空箱を作り、事前に日本企業同士で三角株式交換をしておけば、クロスボーダーで株式移転を行ったのと同等の結果(クロスボーダーでの経営統合)になります。念頭に置いていたのは、東京エレクトロンAMAT案件です。
全部取得条項付種類株式!!
→ググりましたがある種類株主は有する株式を総会決議で取り上げてしまうようなスキームと理解いたしましたがスクイーズアウトの一種でしょうか。
はい。これは2015年に会社法が改正される前のスクイーズアウト手法です。当時は株式併合における反対株主の権利が整理されてなかったので、スクイーズアウトといえば全部取得条項付き種類株式スキームでした。現行の会社法でも使用できるはずです。超めんどくさいですが。
不応募→増資→減資→自己株取得!
→全くイメージが沸かず、、どのようなケースで使用されますでしょうか。特に途中の増資と減資の部分が全くわかりません。。
これは最近流行ってるトレンディなスキームです。自己株取得に応じてエグジットするため、TOBには不応募とし、スクイーズアウトで一般株主を追い出した後に、増資をして資本金と準備金を拡張させ、即日減資を行うことで分配可能額を確保し、増資の資金も使って自己株取得をするスキームですね。念頭に置いているのは、KKR/日立物流、ベインキャピタル/日立金属などです。
貸株→スクイーズアウト→貸株解除!
→株式を第三者に貸し付けておいて、スクイーズアウト後に貸した株式を取り戻すようなスキームでしょうか(持ち分を上げる目的?)。
ご理解の通りです。スクイーズアウトされてしまうと困る株主が複数いる場合に、誰か一人に貸株で株式を集約して、疑似的に大株主の状態を作り出し、その他の一般株主をスクイーズアウトした後に、貸株を解除するスキームですね。念頭に置いていたのは、ベインキャピタル/キリン堂案件です。