(変な質問ですが、)金融業界は全体的に堅い印象がありますが、業務中の対面・チャットでのコミュニケーションってどんな感じですか?(文面でもカジュアルにため口使うかとか、そのレベルの話です。)
私は金融業界の人間ではないですが、今いる会社の友達みたいなノリのやり取りがしんどくて、これだけの理由で転職しようか真剣に悩んでいます。私自身の業務に支障はきたしていないですが、全体的に浮ついた感じで、一度気になり始めてからはチャットアプリ開くたびにイライラするようになってきました。。。
私は若手ですが、大手企業出身の方もそのノリなので、仕事はこういうものなのか?と疑問に思っています。
ネルさん
これは地味に重要なポイントですね。
結論としては、業務中にタメ口で話すことはありません。
少し前までは、部下に対して命令口調で話すパワハラ系上司がいましたが、それも昨今ではかなり減少していると思います。下請けに対して命令口調で話す人もいましたが、これはさすがに絶滅したと思います。
なお、以下のような理由から、過度にカジュアルな態度をとるのは好ましくないと思います。
1 同僚は友達ではない
2 カジュアルの許容と強要
3 年齢不相応
1 同僚は友達ではない
まず、大部分の人にとっては、同僚は友人でも家族でもありません。ビジネス上のパートナーです。同僚は家族だと言う人も存在はすると思いますが、少なくとも多数派の考え方ではありません。
したがって、同僚を毛嫌いする必要はありませんが、同僚とは適度に距離感を保つのが重要だと思います。プライベートを詮索しないとか、業務時間外に干渉しないとか、そういうことです。
この点を踏まえると、業務時間中にタメ口で接するのは、どうであれ距離感がおかしいと思います。仮に特定の仲が良い社員同士でのコミュニケーションだとしても、職場でのコミュニケーションである以上、ビジネスライクに行うべきだと思います。
2 カジュアルの許容と強要
また、昨今のベンチャー界隈などでは、カジュアルが強要されているケースがあるという認識です。これは問題だと思っています。
かつては、スーツを着て、ネクタイを締めて、よく磨いた革靴を履く、という働き方が強要されていました。ベンチャー企業などが私服で仕事をするのは、このような「フォーマルの強要」に対して、反対する意図があったと理解しています。
しかしながら、昨今では逆のことが起きています。大企業がカジュアルな働き方に寛容になった一方で、ベンチャーが「カジュアルの強要」を行っているのです。私の周囲だけでも、「ベンチャーの人がスーツを嫌がるから、仕事用に私服を買わないといけない」と言っている人が結構います。
服装に限った話ではありません。パワポを使わなくてもよいとか、リモートでも働けるといった寛容なトーンではなく、「Microsoft Officeを使ってはならない」とか、「出社に賛同してはならない」とか、そういう風潮を感じます。一部のベンチャーでは、カジュアルが強要されており、まったくもって柔軟な働き方ではないように思います。
3 年齢不相応
また、これは最近になって気づいたことなのですが、年齢や年次が上がってくると、自分の好みが「昔ながらの働き方」に収斂しがちなんですよね。
例えば、スーツは堅苦しいから嫌だと言っていた大学生が、30歳くらいになって、「私服を選ぶのが面倒だから、むしろスーツのほうが楽だ」という主張になることがあります。
「敬語を使うのは疲れる」と言っていた新人が、中堅社員になって、「年下にタメ口で話すのは気を遣う。敬語のほうが楽だ」と考えるようになるケースは多いです。
会議の資料についても、報告する側だった頃は「テキストエディタを投影すれば十分」と思っていた人が、報告受ける側になったときに「パワポできちんと整理してくれ」と指示するようになったりします。
要するに、昨今のカジュアルさの強要は、主に若さや経験不足からくるものであり、一定以上の年齢・年次になってくると、ついていけなくなるのではないかと思います。
もっと言えば、過度にカジュアルな態度は、若いから許されているという意味合いがあり、40代のおっさんがカジュアルな態度をとると、単なる痛々しいおじさんになる可能性が高いです。どこかで、フォーマル寄りの動きに変えたほうが、いろんな意味で楽だと思います。
ご質問に戻ると、年齢・年次の高めの人までタメ口でコミュニケーションをとっているのは、異常といってよいと思います。場合によっては、それが主たる退職理由になってもおかしくないような問題です。もっとも、本当に転職するかどうかは、もっと総合的に判断すべき問題だとは思います。