なんでみんな勉強とかスポーツを才能だと思い込んでるんですか？ スポーツはよく分からんけど、東大受験とかなら普通に努力量エグいなら全員受かると思うけどな

"はじめての努力" という観点で回答します。 1　努力は複利である 2　天才は稀にいる 3　学歴は才能か 4　努力ができるのは才能か運か 1　努力は複利である 努力は複利です。1日や2日では大した差はつきませんが、数年かけてついた差はまず取り返せません。 複利である以上、誰しも "はじめての努力" ではなかなか成果が出ずに苦労をします。一方で、2回目や3回目の努力においては、比較的簡単に成果が出ます。多くの人は、小学生くらいのときに "はじめての努力" を経験し、中学・高校になるころには、2回目や3回目の本気の努力を経験します。その後は、頑張るたびに一定の成果を残していきます。 しかし、小学生のころに努力から逃げてしまった人は、高校生くらいになって "はじめて努力" を経験します。しかし、このころには複利によって膨大な差がついてしまっているので、もはや周囲との差は歴然です。出遅れている人は、周囲に追いつくために努力をすることが多いので、たいてい努力では目的を達成できません。 この状態になると、「周囲の人は簡単に成果を出しているのに、自分はどんなに頑張っても成果が出ない」と錯覚してしまいます。もしくは、自分に才能がなかったと錯覚するようになります。努力しても成果が出ないと考えている人のほとんどは、このパターンだと思います。 2　天才は稀にいる もう1つ重要なのは、天才はごく稀に存在するということです。 羽生善治や大谷翔平になるためには才能が必要です。凡人が人生のすべてを捧げて将棋の勉強をしたとしても、通算99期のタイトルは取れないでしょう。何なら1期とるのですら相当な才能が必要です。一方で、初段になるために才能は必要ありません。将棋の初段は国内に100万人程度はいるといわれており、凡人が勉強すれば十分に到達できる水準です。 しかしながら、世の中には、初段になるためにも才能が必要だと考えている人がいます。100万人も天才がいるという主張です。そんなことはあり得ないのですが、1に書いた努力未経験の人たちは、そのように考えがちです。 天才はいますが、稀にしかいません。才能のせいにするのはやめましょう。 3　学歴は才能か さて、ご質問いただいた件です。上記のように、羽生善治になるためには才能が必要ですが、アマ初段になるために才能は不要です。 大学受験に当てはめてみれば、東大合格くらいであれば才能は不要でしょう。東大を受験して不合格になった人たちは、多かれ少なかれ努力不足だった自覚があると思います。何か理由をつけて苦手科目を放置したり、なんだかんだで勉強よりも遊びを優先した瞬間があるはずです。 もっとも、18年も生きていれば、複利による差が十分についている時期です。高3までの努力量によっては、そんなに頑張らなくても合格できる人もいれば、どんなに頑張っても合格できない人もいるでしょう。ただ、それは高3までの間に差がついていたというだけの話です。才能の差ではありません。 4　努力ができるのは才能か運か 最後のポイントです。結論から言えば、多少の運要素はありますが、才能はほぼ関係ないと思います。 1に書いたように、努力する習慣を身につけるためには "はじめての努力" を乗り切れるかどうかが重要です。小学生の早い段階で、難易度が低めの何かに関心を持てれば、ほぼ間違いなく "はじめての努力" を成功させられます。 一方で、やたら難易度の高いものに興味を持ってしまったり、何かに興味を持つのが遅いと、"はじめての努力" を成功させられる可能性が下がってしまいます。失敗してしまうと、再チャレンジするまで努力未経験のままです。 努力は複利ですから、"はじめての努力" で出遅れてしまうと、周囲との差がどんどん開いていき、どこかで逆転不可能になります。ひとたび逆転不可能な状態に陥ってしまうと、その状態から "はじめての努力" を成功させるのは不可能に近くなるでしょう。 このように、幼少期にどんなものに興味を持つかや、"はじめての努力" に対するサポートがあるか（どちらかといえば邪魔がないことが重要）によって、多少の運はあります。ただし、才能は特に関係ないと思います。