大学を卒業してから躁鬱で引きこもりをやっていて、いざ働こうと思っても空白の履歴をどうするか悩んでいます。正直に病気で寝たきりだったと白状した方が良いですかね？ ネルさんのポストに励まされて働く勇気を出せました。アドバイスいただけたら嬉しいです。ありがとうございます。

ご質問ありがとうございます。どう回答するのが良いか考えており、お返事が遅くなりました。 いくつかのステップに分けてお答えします。 １　働くことの大変さ ２　嘘のない範囲での美化 ３　目標の段階設定 １　働くことの大変さ まず、働くというのはすごく大変なことです。以前から書いていますが、フルタイムで働いている人は人口の３割しかいませんので、フルタイムで働くだけで、社会人としては上位３割に入れます。 ご質問者さんは、社会人の上位３割という、非常に高い目標に挑もうとされているということです。素晴らしいことだと思います。 ２　嘘のない範囲での美化 さて、就職活動・転職活動においては、自分を売り込む必要があります。働く意欲があること自体は素晴らしいことですが、それだけで採用してもらえるほどには、社会は甘くありません。 採用してもらうためにも、自分の長所を積極的にアピールする必要があります。短所や欠点は、聞かれなければ言わなくて良いと思います。嘘のない範囲で、自分をよく見せるというのが、就職活動における一般的な考え方です。 ご質問者さんの場合、空白期間があることは説明せざるを得ないでしょう。ただ、「病気で寝たきりだった」とまで言う必要はないと思います。「体調不良などのため働いていなかったが、現在は健康であり問題なく働ける」などとアピールするのが良いと思います。 こういう説明の仕方は、慣れないうちは違和感があるかもしれません。嘘ではないが、嘘みたいなものではないか、と感じることもあるでしょう。ただ、それが社会のルールだと思っていただくのが良いと思います。 採用においては、求職者（採用してもらう側）の長所を伝えるのが、求職者側の仕事であり、求職者の短所を見つけるのは、求人者側（採用する側）の仕事です。求職者が、求人者側の仕事までやってあげる義理はありません。 これは一般的な取引でも同じです。商品の長所を説明するのが売る側の仕事であり、商品の短所を見つけ出すのは買う側の仕事です。長所が伝わらなかった場合は売る側の責任であり、短所を見逃した場合は買う側の責任です。 仕事というのは、全部自分１人でやる必要はありません。分業が必要です。他人の仕事を肩代わりするなら、自分の仕事を完璧にこなしてからにすべきです。自分の欠点を詳細に説明すべきか？を考えるのは、自分の長所を完璧に売り込めるようになってからにすべきです。 ３　目標の段階設定 １と２に書いたような内容は、決して簡単なことではありません。 働く意欲をもって、自分の長所をうまく売り込んで、自分の短所は軽微であると説得し、ちゃんと採用されて、仕事を続けるというのは、非常に難しいことなのです。それゆえに、人口の３割しかできていません。 就職活動にかぎらず、高い目標を設定するときは、目標を何段階かに分けることが大切だと思います。 最初から、「志望企業に就職して仕事を続ける」みたいな最終目標に着手する必要はありません。例えば、次のように分解していくのが良いでしょう。 （１）まずは、５社の面接を受けてみる （２）面接の結果を踏まえて、何が良かったのか、何がダメだったのかを反省し、改善する （３）別の５社の面接を受けて、（２）の改善結果を確認してみる 仕事の経験を優先するのであれば、以下のような段階に分けることも考えられます。 （１）まずは、週２回のアルバイトをしてみる （２）アルバイトを週５回に増やす （３）社員の仕事を探し始める みたいな感じですね。 一般論として、（新卒以外で）職歴がない場合、正社員として採用してもらうハードルは結構高いです。まずはアルバイトで職歴を積みあげるとか、何十社も受ける覚悟で応募するとか、そういう方針が必要になります。 何度も書いているように、フルタイムで働くというのは非常に高い目標なので、そんなに焦る必要はありません。じっくり時間をかけて、少しずつ目標に近づいていくのが大切だと思います。