はいそうです。監督のやつです。Twitterで対人トラブルを起こしまして、二度とやらない、アカウントも作らないというので許してもらったんです。普段はヤフーリアルタイムで先生の投稿を見てるんですが、記事機能はログインしないとダメなようで。
https://querie.me/answer/pKh4LtoEzp9ahSI7GxEW了解です。ではそのままコピペしておきますね。
【弁護士による解説】DVで通報があった場合の警察の対応について
昨日(2026年5月25日)、巨人軍監督の阿部慎之助が、18歳の娘に暴力をふるった暴行罪の疑いで逮捕された。阿部氏は勾留されることなく、その夜のうちには釈放されて、本日謝罪会見を開き監督辞任を表明した。
本件について、ネット上では、「警察が即座に動いて阿部氏を逮捕したのは異例ではないか」「以前から同様のことが繰り返されていて、児童相談所や警察からマークされていたのではないか」といった憶測が多数見られる。
しかし、弁護士を15年ほどやってきた私から見れば、本件のような警察の迅速な身柄確保は異例でも何でもない。むしろ平常運転である。
勿論例外はあるし、手が足りなくて十分な動きをできない場合もあるだろう。だから常に同じ流れになるわけではないが、「一般的にはこうなりやすい」という流れを以下に示しておく。
今回は親子間のDVが問題になったが、最も典型的なのは夫婦間のDVだ。その中でも夫から妻に対するDVが多数を占めることから、夫によるDVを例にとって説明する。また、阿部氏の件では児童相談所への通報が端緒となったが、本記事で説明したいのはあくまで警察の動きであるため、被害者が直接警察に通報した事案を例とする。被害者が妻でなく子であっても基本は変わらない。
妻が110番に通報し、「自宅で夫から殴られた」と被害申告をした。このような場合、警察は、直ちに現場である被害者と加害者の家に、複数名(多くは2人組)の警察官を急行させることになる。
警察官が現場に着いてみて、暴行や傷害の事実が確認できれば、直ちに現行犯逮捕となる可能性が高い。「逮捕まではしなくてよい」と被害者が述べたとしても、その意向は酌まれず逮捕される場合が多々ある。被害者としては、単に暴力を止めてほしい、仲裁してほしいくらいの気持ちで通報していることも珍しくなく、加害者が逮捕されると、「こんなはずではなかった」と後悔することも、実はかなりよくある。なお、子どもに限らずDV被害者の立場は弱く、加害者に迎合しがちなので、被疑者の身柄拘束に際して被害者の表面上の意向を酌まないことは、必ずしも不当とはいえないだろう。被害者が配偶者でなく未成年の子である場合にはなおさらである(阿部氏の件は成人済みの子だったが)。
私が刑事事件の弁護人として担当した同種の案件でも、被害者である妻が、加害者である夫の早期釈放を強く希望しており、「一刻も早く加害者を釈放してほしい」という内容の嘆願書の作成等に進んで協力してくれるといったケースは珍しくない。この種の案件では、無事に早期釈放に成功すると、本来の依頼人である被疑者以上に被害者が感謝してくれたりして、少し不思議な感じになることもある。
それでは、警察は国家権力を濫用して無駄な身柄拘束ばかりしているのか。これは一概にそうとも言えない、悩ましい面があると思う。
DVの現場に臨場した警察官が最も心配するのは、「当事者をそのままにして帰って、その後にもっと重大な事態に発展してはいけない」ということのようだ。何しろ被害者は警察にタレ込んでいるので、加害者から恨まれる理由は十分にある。加害者が警察官の前では冷静に対応しており反省の色を示していたとしても、DV加害者の外面の良さほど信用ならないものはそうそうない。「ただの夫婦喧嘩です。もう大丈夫です」という当事者の供述を鵜呑みにして何もせずに帰れば、直後に死亡や重傷といった重大な結果が生じない保証はどこにもない。
しかし、加害者の身柄を取ってしまえば、事態のエスカレーションは当面確実に防げる。被疑者が逮捕されれば、逮捕段階だけでも通常2~3日程度、その後に勾留もされれば更に10~20日程度身柄を拘束される。その間に被疑者もクールダウンするし、被害者が転居したり、深刻なケースではシェルターに入居したりといった対処も可能となる。DV案件で警察が積極的に身柄を取る背景に、このような予防的な考慮があることは間違いない。
法律論を言うと、逮捕の要件としては罪証隠滅又は逃亡のおそれが必要なのであり、自傷他害の防止や再犯防止を理由に身柄を取ることはできない。だから、「加害者を野放しにして何かあってはいけない」というのは、法律上の逮捕理由や勾留理由として正面から通用するものではない。
とはいえ、一般的にDV事件では、加害者が被害者に圧力をかけて、被害申告を断念させたり、被害を過小に申告させようとしたりするおそれも、そしてそのような圧力が功を奏してしまうおそれも強い傾向があると言わざるを得ないだろう。そうすると、DV事件は罪証隠滅の蓋然性が高い類型でもあるわけで、身柄拘束は法律上も正当化しやすい。
なお、警察官がDVの現場に臨場した場合でも、比較的軽微な事例など、逮捕に至らないこともしばしばある。そのような場合、警察官は、加害者と被害者を一時的に引き離そうとすることが多い。例えば当事者の一方を、今夜だけでもホテルや実家に泊まらせるように説得したりするのである。「今夜このまま2人ともこの家で寝ると言うなら、ご主人を逮捕せずに帰るわけにはいかない」などと、やや強引な説得をすることもままあるようだ。こうした現場の運用は、警察がいかに重大事態の防止を重視しているかを物語っている。
このような引き離しも法律上の権限があって行われているわけではなく、弁護士としてはモヤモヤするが、警察の対応が重大な事態の発生を防いでいる面も確実にあると思われるので、頭ごなしに否定もしにくい。弁護人の職務としては、目の前の依頼人(被疑者)の身柄釈放と処分軽減のためにできることをやるだけであり迷う余地はないが、社会全体として見れば警察のやっている積極的な身柄確保も役に立っている面があると認めざるを得ない。そこが「悩ましい」と述べた点である。
このように、警察がDVの通報を受けた場合、仮に「初犯」であっても、かつ重大事案でなくても、いきなり逮捕は少しも珍しくない。むしろ平常運転なので、阿部氏の件についても的外れな深読みは慎むべきだろう。