仙台戦の前半、中島が降りてボールを受けるも、うまく収められない状況が続いた場面で、岩政監督が木戸に対して「裏に抜けろ」と指示を出していたとのリポートがありました。中島が受けるスペースを空けるためだと思うのですが、私は、中島が裏抜け、または前線で張り、その下のスペースを木戸が使う方が良いのではないかと思いました。ワントップがバカヨコならまだしも、あまり足元の上手くない中島が降りて受けても、前を向くのはもちろん、ワンタッチではたいたりするのも難しいと思います。また、スピードを武器にしているわけでもない木戸が裏に抜けるというのも、木戸の良さが消えてしまっている気がします。それよりも、中島が相手CBを背負った状態で、胸や足で落とし(ほぼ止めるだけ)、木戸が前を向いてボールを触ったほうが、ドリブルや展開などの選択肢が生まれ、前進しやすいと思いました。中島が降りて木戸に裏抜けさせた理由、岩政監督の思惑などについて鵜外さんの考えがありましたら、お聞きしたいです。

岩政監督の思惑と同じかどうかはわかりませんが、個人的には結論「近藤を本当のターゲットにする」が狙いかなと思いましたね。 近藤は仙台戦に限らず、これまでの試合でもインサイドに入って中央で競り合ったりボールを収めるorウラに抜けるプレーがあります。その形では近藤は結構収まるし球際の強さもあるので、それを活かしていきたいと思われます。その近藤のためのスペースを空けるには、ワントップの大嘉を降ろしてその背後にスペースを空ける。大嘉が降りるとそのマークである相手のCBもついてくるので、より前線のスペースと枚数的な優位性が出てきます。より近藤に当ててからのアタックへの移行の確実性を高めるられるので。そこで近藤をぶつけて収めさせて、追い越してくる木戸を使っていくこともできます。前半26:10~のプレーはその狙い通りの形だったかなと思います。 「裏に抜けろ」というのはDFラインの裏なのか、降りてくる大嘉の裏なのかで役割が変わってきますが、試合を見ていると大嘉の裏なのかな？という印象です。 なので、大嘉に足元で受けさせるのは"フリ"で、近藤をうまく中央で活かすための囮なのかなと思います。それでサイドが薄くなるのでは？という意見も出るかもですが、今節は同サイドのSB高尾が高い位置を取っていたので、サイドに関しては枚数を担保できるのでしょう。長崎・山形・磐田戦でも同様の形で高尾を押し上げて（それにより近藤はインサイドへ）攻撃枚数（サイドの枚数も）を増やすことに取り組んでいたので、近藤を中央で使うというオプションに抵抗はないと思いますし、今シーズンはサイドでの勝負を封じられている近藤を他で活かすのなら、その方がより攻撃が活性化するのかなと思います。 大嘉を降ろすのはフリと言ってしまいましたが、前線で張ったままで動かないままだと前後（DFラインや中盤 と 前線）の距離感が空いてしまうことや、そこでボールを受けても前後で距離があるので孤立する可能性が高まります。キープできてもワントップの場合、相手のCBは2枚余っているので2枚で潰されてロストすることも考えられます。（大嘉の能力では）最前線でボールを受けて失うよりかは足元で引き出すような動きでマークのCBを引き出しつつ、＋木戸や青木らへんのインサイドハーフとの距離を縮めてパスをおとすというような役割が求められます。本当にパスを受けるかどうかは別として。そして、降りていったところで空けたスペースに活かしたい近藤を入れてそこにボールを入れていくと。 相手のDFラインの枚数を前に引き出して、手薄になったところにインサイドに入った近藤や追い越していく木戸を入れて擬似カウンター的に速攻を仕掛けたいのかなと思います。大嘉が直でウラに抜けようにも、前述の通り相手CB2枚に見られている状況なのでうまく抜けられないと思います。工夫して確実性を持って背後or敵陣に入っていく方がチャンスは訪れやすいかなと。 逆に、ワントップがアマドゥなら、仙台戦の後半のように前線の高い位置やその手前あたりに留めさせておきそこにボールを当てて収めさせるで良いでしょう。収める能力が足りていない大嘉を使うなら、どうやって敵陣に入るのかを工夫しないといけませんね。