先ほど紹介されていた「デザイナー哀の劇場 無限修正地獄の罠」を見て、首がもげるくらい「わかる……」となりました。ちょうど今週、まさに無限修正地獄のような状況が続いていて、「モノづくりには関わっていたいけど、こんな生活から早く抜け出したい」と、それまで頑張っていた気持ちの糸がプチッと切れたように感じています。
もちろん「締め切りをちゃんと守らせることが大事」というのは理解しているのですが、案件が複合的になればなるほど、他の施策とのローンチタイミングや全体の進行に関わってくるため、そう簡単には割り切れず、結果として修正対応が無限に積み重なってしまう感覚があります。
やはり制作という立場にいる限り、このような「無限修正地獄」は業界的に避けられないものなのでしょうか?
それとも会社や業界によって、修正対応の文化や働き方には違いがあったりするのでしょうか?
もし宜しければ、きのこさんのご経験や業界的な傾向などをお伺いできたら嬉しいです。

きのこ|グラフィックデザイナーさん
ご質問ありがとうございます。制作の現場では「無限修正地獄」は確かに起こりがちですが、それは業界全体の宿命というより、関わる案件の性質や会社の立ち位置による部分が大きいと思います。
たとえば広告系のように短納期で一本のスパンが短い案件、さらに代理店経由で決裁者が複数いるケースなどは、どうしても修正が重なりやすくなります。窓口が増えるほど確認フローも長くなり、制作に充てられる純粋な時間が削られてしまううえ、クライアントが大きい場合は発注までの間にも決裁が何段階も入るため、こちらに届いた時点で「そもそも残された時間がなさすぎる」というケースも多いです。制作者が締め切りを意識していても、上流で判断が揺れると現場にしわ寄せが来て「終わりが見えない」感覚に陥りやすいのです。一方で、クライアントと制作者がお互い直接顔を合わせ、長期的に伴走していくような仕事では、修正は「意見のぶつけ合い」ではなく「価値観のすり合わせ」に近いプロセスになります。そのため修正自体は残るものの、無限に振り回されるようなストレスは比較的少ないように感じます。
そして補足すると、こうした「顔が見える関係性」はフリーランス特有のものではありません。会社によってはメンバーの顔や名前を積極的に出し、「この人にお願いしたい」と思ってもらえるような体制を取っている場合もあります。そうした環境では修正の性質も大きく変わり、無限修正地獄から抜け出せる可能性が高まるのではと思います。
さらに正直に言えば、最終的には制作側も含めた「担当者の采配や姿勢」によるところも大きいです(笑)。調整力のある担当が入ると修正が整理されてスムーズになりますし、逆にそうでないと同じ会社・同じ案件でも修正が無限に膨らんでしまうこともあります。