初めましての者です。大変恐縮なのですが自分の見識だけではとても納得いく理解ができない課題を眼前にする機会がありました。もしよろしければご見解を聞かせてください。
障がいと判断される状態の方々が創作される美術についてです。これは悔しくも制作者の不得手な説明能力や言語化能力等があるゆえに、所謂公益的なこれまでの学問的な積重ねを持たない、かつ、そうとしてもその作品の芸術的な表現力は驚愕するものである。そういった事例は、数多くあるかと思います。
今後のそのような方達の芸術的な位置づけとして、純粋なアートとの関係はどのようになっていくべきなのでしょうか?
また、芸術の評論家がそれに尽力すべき方向性についても、お話し頂けると嬉しいです。
ただ、当方全くの素人です。すいません

東京藝術大学お嬢様部さん
面白いと思いますし、美術の一分野として享受しています。ただこの手のアートは文化庁ではなく厚生労働省管轄ですし、慈善活動という名分やその管轄のトリックを使った補助金・税金云々のグレーな金の動きを知っているので、個人的には一定の距離を置いています。作品鑑賞とは全く離れたところでドロドロしていますね。表記上芸術でありアートですが、制度上あれらは「福祉」の領域なのです。
近年「障害者による文化芸術活動の推進に関する法律」が施行されましたが、正直よくわかりません。
本来アウトサイダー・アートは芸術の専門教育を受けていない芸術家の作品全般を指すのですが、国内では確実に障がい者アートになります。その辺の用語の真味はさておき、アウトサイダー・アートは批評が難しい、あるいはできない場合があります。拙いとか下手だとか言いにくいという配慮の事情以上に、「福祉」の概念と「批評」は相性が悪すぎるという点です。詳しくは椹木野衣氏の2019年のレポートにある通りですから、そちらを読んでいただきたいです。
日本では滋賀県立美術館がアウトサイダー・アートの展覧会を積極的にやっていたりと、様々な活動が日々行われています。注目度が高まっていくといいですね。