いつも丁寧で真摯、かつ的確なご回答やツイートを楽しみにしてるものです。
お伺いしたいのですが、大学の頃、ミュゼオロジーに近い専攻を取っていたのですが若気の至りで全く勉強せずに卒業してしまいました…。
今年齢を重ねてアート業界に近い仕事に就くことになり、周りの方の知識の深さや経歴などに感化され、自分も遅ればせながらきちんと学び直したいと思っています。
前に質問されていた方と質問が少し重複しますが、私は全く創作の経験がないので、やはり通信で学芸員の資格を取る、美大の社会人コースを取る、などの選択肢の中で検討するのがベストでしょうか。
個人的には学芸員の資格をとってキュレーターになる、という感じではなく、キュレーターのサポートができるようにアートのコンテンツ以外の部分(終始の部分でイベントとして成り立つかなど)に強くなりたいとおもっています。
まとまりのない質問になってしまって恐縮ですが、お目に留めていただけたら幸いです。
よろしくお願いいたします。
東京藝術大学お嬢様部OGOBさん
美大の社会人課程や通信をおすすめいたします。やはりしっかり学ぶならやはり何らかの機関に所属していないと身が入らないと思いますし、芸術系の人のものの見方や考え方を理解するには、本だけ読んでいても難しく、それなりに「芸術ムラ」の事を体感的にわかっておく必要性があるからです。もちろん美術史や現代美術の批評等についての知識は質問者様の仕事を超えた、人生の厚みにつながることを祈念いたします。
美大の通信ですと実技を要求されることも多いので、何を中心的に学びたいのかを決めて、それに沿ったカリキュラムのところに進まれるといいのかなと。よくミスマッチで辞められる方が多くもったいないと思っています。
ただ主眼が企画のサポートという点に関していうなら質問文にある通り、「学芸員資格」はおそらく必要ありません。2012年に学芸員課程が改正され、必要単位が増えてめんどくさくなったこと以上に、ビジネスの現場ではそこまで役に立たないからです。そして研究職や自分で展示を作り上げるわけでもないのなら、なおさら取得する必要はありません。必要単位に「博物館経営論」や「生涯学習論」などがありますが、理念的すぎたり、リタイアした旧学芸員の昔話だったりするので、そこまで学びとしての価値はないです。