米山さんって先生よりも10くらい上なんですね。修習同期の中でも最年長クラスですか？ 「社会人は学生とは違って〜」とか言って、若者に説教してましたか？

私よりも13歳上ですね。私の修習期（旧64期）の特殊性については何度も説明していて、それでもこういう質問をもらうので、いい加減面倒くさくなってきました。 修習生が学生からそのまま持ち上がってきた集団であるというような新司法試験時代の感覚を前提にした質問は、今後は原則として無視することにしますが、その前にもう一度、私の修習期の性質について、まとまった形で説明しておきます。 私が合格した2009年の旧司法試験は、旧試験廃止直前、最終年の前の年でした。新司法試験は2006年に開始し、2010年までの5年間は新旧試験が並行して行われていました。 当時は国策として旧試験から受験生を撤退させ、ロースクールに誘導しようとしていたので、旧試験の合格人数は2006年以降とんでもない勢いで削られていき、私が合格した年には1.5万人ほどの受験者に対して合格人数は92人、合格率は0.6%となっていました（最終年の翌年はもっと低かった）。 このような状況下、わざわざ旧司法試験を受けて突破してくる人というのは、かなりのセレクションバイアスがかかるわけです。具体的には、 ･学部在学中に旧試験に受かってしまう大秀才 ･大学を卒業しておらずロースクールに入れてもらえない人（私も該当。意外と多くて、6～8人くらいはいたはず） ･経済的にロースクールに行けない人（私も該当） ･働いているためロースクールに行けない人（フリーターながら私も該当。私の場合、働かないと生活できないからという意味では上記の経済的理由と重複） などが多かったわけです。自然、社会人経験者は多めになりました。 私は28歳で合格したのでほぼ同年の合格者平均年齢くらいだったんですが、しかし私くらいの年齢の人は結構少なかったです。 当時、私くらいの年齢の受験生の典型的な像は、普通に学部時代から受けていて受からず、親に頼って生活しながら専業受験生になって数年経ってしまったみたいな人でした。このタイプは多くが旧試験を諦めてロースクールに行ったし、旧試験に固執していた人は実力がないから受からないので、修習にはあまり入ってこないわけですよ。 加えて、旧64期には、給費制最後の期になるはずだったという事情もありました。 新試験組は最初（新60期）から貸与制でしたが、旧試験組だけ給費制が続いていたところ、給費は64期で打ち切られ、最後の65期は貸与になることがいったん決定していました。最終的には、政治運動の結果、決定が覆って旧65期も給費になったんですが。 その｢給費制最後になる｣というのがあったので、過去に旧司法試験に合格しながら修習を受けていなかった人たちが駆け込みで修習に来ていました。その中には、公務員を定年退官してから来た60代後半のお爺さんとかもいました（さすがに衰えていて付いて行けなかったらしく、途中で修習を辞退）。