ローマ法王がサミットに初参加なさったそうで、AIに倫理面の観点から規制するよう求めたとのこと。仰ることはごもっとも、とも思いますが、カトリック教会の昨今のスキャンダルを思い出すと、AI＞神の教えになることを危惧しているだけなのではと、穿った見方をしてしまいます。 ヨーロッパの現地では、今のカトリック教会はどのような位置づけなのでしょうか？

今の若いヨーロッパ人は無宗教がデフォルトで、ステファン・ブリヴァント氏が「ヨーロッパの若者と宗教」という報告書として発表したものでは、チェコの91％が宗教を持たないと回答。カトリックが主流とされているフランスでは、カトリック信者だと答えたのは23％で、64％が宗教を持たないと回答しています。これらは10年前の調査で、今日ではもっとカトリック離れは進んでいます ポーランドはカトリックの求心力が強いですが、それ以外のヨーロッパでカトリック主流の国では、続々と教会や修道院がホテルや事務所、スーパーマーケットなどに改築されています 洗礼は慣習として受けますが、教会に通うことはない人が多数派になりつつあり、「カトリックの信仰を持っています」と宗教アイデンティティをしっかり持つヨーロッパ人は文字通り激減しています。教皇がAI云々言おうが、私たちが思うほどの影響力は、ヨーロッパにおいて既になくなっていると言っていいでしょう