ぶらす室長さん、いつも参考にさせていただいております。
明日初めての胚移植なのですが、鍼灸の先生に「29歳採卵で25個、そこから胚盤胞8個、グレードCCを除いて6個凍結は少ない。20代なら普通は半分は凍結できるし、そもそも何もしなくても普通ほとんどの人は妊娠できるのに29歳でこれはタイミング取ってても2割くらいしか妊娠できないだろうね。」と言われ落ち込んでいます。。
普通ほとんどの人が妊娠できることくらい分かっていますし、それでも自分なりの最短距離を目指して体外まで進んで頑張っていますが、25個採卵/6個凍結(5日目4AA2つ、4AB1つ、4BB2つ、6日目4BB〜BC)という少ない結果の中で出来た卵は、着床率/妊娠率も下がるのでしょうか?
凍結できる卵が少ない=採れた卵の質も悪く妊娠しにくいのか?と思うと、移植直前に一気に不安な気持ちになってしまいました。
個人差があるのはもちろん承知なのですが、ぶらす室長のご意見をお伺いしたいです。
胚培養士ぶらす室長@不妊治療さん
腹が立ったので、優先回答します。
不妊治療について、鍼灸の人の話なんか聞く必要はないです。
鍼灸という分野で知識や技術を発揮するなら良いですが、浅い知識で患者さんにてきとうな事を吹き込まないで欲しい。
(もちろん、ちゃんと勉強されてる鍼灸師さんもいますが)
まともな医療従事者は、「普通は」という言葉をあまり使いません。
平均や中央値、傾向や頻度、割合で話をします。
何を根拠に2割と言っているのでしょうか??
施設にもよりますが、5日目4AAの移植あたりの妊娠率は20代なら50%を超えると思います。
また、ご質問の回答になりますが、
胚発育率が良くない=妊娠率が低い
とはならないと思います。
胚盤胞率が低くくても、その中で発育して凍結に至った胚は、たくさん採卵できたうちの「選りすぐりの胚」と考える事もできます。
これは、体内で自然に起きていることですしね。
症例によっては、1個だけ4AAが凍結できてその4AAで出産に至る方もいらっしゃいます。
一方で、矛盾するようなお話になりますが、胚盤胞率が良く、たくさん凍結できても何度移植しても妊娠されない方もいらっしゃいます。
同様に、一度の採卵でたくさんの胚盤胞をPGTで調べたのに、全て染色体異常であった症例にも出会います。
体外受精の治療はいろんな症例やパターンがあり、傾向や平均的なお話はできても、「あなたはこうなる」なんて言い切れるタイミングは滅多に来ません。
それは不妊原因が多岐に渡るからです。
なので、私は基本的に4AAの妊娠率は4AAそのものの平均のお話しかしません。
背景因子はたくさんありますが、その話をすると複雑でかつ曖昧になるからです。
そんなことも分かっていない人間の話は、聞く必要がないですね。時間の無駄です。
以上です。
ご参考になれば嬉しいです。