【外資金融ミドルバックでいかに早く昇進するか】
当方30代、現在外資系アセットマネジメントの会社でコンプライアンス職に就いております。
先日プロモーションのアナウンスがあり、私は残念ながら管理職の職階には上がれませんでした(それなりの実績を出してきた自負はあり、結構ショックです笑)。
少人数の会社なので、実務的には日本ビジネスの観点からはプレイヤーでもあり、最終判断を行うマネージャーでもあります(上司は海外オフィスの非日本人のため日本の法令やビジネスを完全に理解しているわけではない)。
こうした状況で、業務内容として評価のつけにくいミドルバックがいかに早く管理職に昇進するにはどうすればよいか、ご意見をお聞かせいただければ幸いです。
当方のguess/所感は以下です。
・弊社の東京ビジネスは正直アジア極東の小規模支店という位置づけのため、日本対応は最小限(もちろん法令違反にならないようしっかりやる)にし、グローバルにチーム連携をするプロジェクトに労力を割く(成果が見えやすい?)
・定例業務についても「何も起きなかった」で終わらせず、「どのような業務改善を行い、どれだけリスクを削減したか」などを上司にレポートする
・とはいえ劇的なオペレーション改善やリスク削減できるようなことはあまりないとも思っており、上司にどうアピールするかで悩んでいます。
・「チームで成果を出した経験」が評価されると思料しますが、裏を返せば自分個人の成果をアピールしにくいなと個人的に感じており、そのへんのうまい立ち回り方やアピールの仕方を知りたい。
Kittyさんのご経験も踏まえてアドバイスいただけますと幸いです。

キティー Kittyさん
ご質問ありがとうございます。
外資金融のミドルバックは、フロントと違い数字で明確なパフォーマンスが出にくい分、べらぼうに良い評価を得たり(例えば、5段階の評価で一番上は取りにくい)、昇進もポストの空きなど自分がコントロールできない要因に左右されてしまう面が大きいと思います。
質問者様の会社やコンプライアンスチームの規模感が分かりかねるのですが、海外のリージョンや本社の上司に直にレポートされているとなると、現時点でもファーム内ではそれなりに上のポジションにいると思料します。
昇進という視点にのみフォーカスすると、一番重要な点はいかに「すでに次の職階の仕事をしていると組織に認識させるか」ということだと思います。
日本法人のサイズが小さいと純粋なマネージャー業務やマネジメント業務に専念することは難しく、プレイヤーとしての業務は必ず存在するはずですが、確かにここで減点評価となるような失敗を避けることは前提条件としつつ、仕事のスコープ、周囲への影響力、Leadership、社内でのVisibilityなど、今の職階を超えた要素を見せていく必要があります。
そういう意味では、質問者様が書かれている「日本対応は必要十分に行いながら、グローバルやリージョナルのプロジェクトに労力を割く」という方向性はかなり良いと思います。
日本法人がAPACの中では比較的小規模な位置づけなのであれば、日本国内でどれだけ良い仕事をしても、その成果を直接認識する人が日本法人内の数人だけということは珍しくありませんが、APACやGlobal Complianceと一緒に新規制対応、各国共通のプロセス整備、グローバルシステム導入、業務標準化などを行えば、自分の仕事を知る人が一気に増えますし、海外への評価者へのアピールはできます(おまけですが、転職の際のレジュメでのアピールポイントにもなりますね)
ただし、ここで注意したいのは、単にグローバルプロジェクトに参加して会議に出たり資料を作ったりするだけではあまり意味がなく、Manager以上の職階で求められるのは、自分自身が大量の実務を処理することよりも、曖昧な問題を整理し、論点を定義し、関係者を巻き込み、意見が割れているところを調整し、必要な意思決定を上席から引き出して、最後までImplementationに持っていく能力なので、「プロジェクトに参加していた人」ではなく、「この人がいたから案件が前に進んだ」と周囲に認識されるような役割を取りにいくことが重要だと思います。そうしないと他国のPeerと比較されると埋没したOne of themになってしまいます。
Localの定例業務については、質問者様がおっしゃる点で攻めるのもありですが、LocalのマネジメントなどStakeholderからの支持を得るアプローチで攻めるのもありかと思います。上司が海外にいるケースでも現地のマネジメントへのDual Reportingなどが求められ、海外の上司も現地のマネジメントの評価を考慮して最終的な評価を下すはずです。Matrixで関係する上位職やBusiness側からの評判も意外と効くので、単に社内政治をするという意味ではなく、「この人に仕事を任せればちゃんと前に進む」という信用を広く作っておくことは非常に重要です。彼らを味方につけられるように定例業務をこなしてみてはいかがでしょうか。
また、「チームで成果を出した経験が評価される一方で、自分個人の成果をアピールしにくい」という点については、むしろ職階が上がれば上がるほど成果はチームの成果になっていくので、「これは全部自分がやりました」とアピールする必要はなく、その代わりに「その成果の中で自分は何をLeadしたのか」を明確にすることが重要だと思います。
そして、私ならどうしても昇進できなかったのであれば、次の評価まで黙って頑張るのではなく、上司にはかなり具体的に「次回のPromotionでManagerに上がるために、今の自分に足りないことは何か」と具体的に聞くと思います。これをしないと努力が明後日の方に向き徒労になる可能性が高いからです。
特にミドルバックでは、本人がManager相当の仕事をしていたとしても、HeadcountやBudget、チーム構成上の都合でPromotionできないということは普通にありますので、今回昇進できなかった理由が「自分に何か足りないから」なのか、それとも「そもそも会社に椅子がないから」なのかは早めに見極めた方がよいと思います。
前者であれば足りない部分を埋めればいいですが、後者であれば、自分の努力だけでは解決できません。
その場合は、社内異動でより大きなスコープのポジションを取る、Regional Roleに手を挙げる、あるいは外部市場で一段上のTitleを取りにいくという選択肢も普通に合理的だと思いますし、外資の場合は社内で何年もポストが空くのを待つより、転職によって一段上の職階を取る方が早いケースもあります。
日本の仕事をきっちりこなしたうえでRegionalやGlobalの案件を取りにいき、その中で単なる参加者ではなく物事を前に進める役割を担い、日々の仕事も成果として言語化し、チーム成果の中で自分がLeadした部分を明確にし、上司から具体的なPromotion Criteriaを引き出し、さらに直属上司以外にも自分を評価してくれるSponsorを作る。
このあたりを意識して1年動いてみて、それでも「何が足りないのか」が明確にならない、あるいは「今はポストがない」という話になるのであれば、その時点では自分を変えることよりも、環境を変えることを考えてもよいと思います。