ぶらす室長さんこんにちは。
いつもnote拝見しております。
ぶらす室長さんの見解をお聞きしたいです。
<状況>
28歳同士の夫婦で、夫の方は問題なし。
妻である私のAMHが0.59と低いため卵巣機能低下による不妊と思われます。
体外受精にステップアップし、2回の採卵を経て初期胚を2個凍結。
1回目の移植で2個とも戻すことになりました。
(1回目の採卵では5個採れたうちの3日目7f10を1つ凍結、
2回目は4個採れたうちの3日目9f10を1つ凍結しています。)
次周期のD19に初期胚2個移植をしました。
ET13に判定しましたが、残念ながら陰性でした。
<質問>
・初期胚の移植がD19なのは遅いですか?
・判定時のhcgがまったくの0ではなく3.1mIU/mLという数値でした。
これは「着床しかけた」または「着床したがリタイアした」という認識でしょうか?
・親族に先天性の色覚異常を持った者がおり、私も遺伝保因者と思われます。たまたまかもしれませんが生まれてくるのが女の子ばかりの家系です。男の子になる予定の胚が淘汰されているということは考えられますか?
乱文申し訳ないです。
何卒よろしくお願いいたします。

胚培養士ぶらす室長@不妊治療さん
tipsによるご質問ありがとうございます。
・初期胚の移植がD19なのは遅いですが?
→周期管理の方法や内膜の厚さなどにもよりますのでD19が一律に遅いわけではありません。
基準として考えるのは、排卵(または排卵想定日)から何日目に移植するか?という事なので、ホルモン補充周期ならプロゲステロン製剤を開始してから3日〜4日、自然周期なら排卵日から3日〜4日、さらにhCGをトリガーとして打っていたりするとトリガーから36〜38時間が排卵なので、そこから3日後に胚移植というのが一般的かと思います。
・判定時のhcgがまったくの0ではなく3.1mIU/mLという数値でした。
これは「着床しかけた」または「着床したがリタイアした」という認識でしょうか?
→これはよく聞かれるご質問ですね。理論上、着床しなければhCGは体内から分泌されないため、少しでも数値が出れば着床の可能性があると判断する施設もあります。
一方で、前述したようにトリガーとしてhCG投与などを実施していると、それらの残留していたものが数値として出てきた可能性も否定できません。
いずれにせよ、着床の有無を判定するのは難しく、論文などで定義されている化学妊娠の基準値は10〜50 mlU/mLです。
・親族に先天性の色覚異常を持った者がおり、私も遺伝保因者と思われます。たまたまかもしれませんが生まれてくるのが女の子ばかりの家系です。男の子になる予定の胚が淘汰されているということは考えられますか?
→可能性としてゼロではありませんが、たまたまかもしれず、私にはわかりません。
色覚異常の遺伝はX染色体上の遺伝子で、男性の場合はXYでX染色体を1つしか持たないため、表現型として出やすくなるらしいです。
このように、X染色体上に色覚異常の他にさらに致命的な遺伝子変異が起きていたら、X染色体が2種類ある女性でないと、出産まで発育できないという可能性も考えられますね。
あくまでも考察と想像ですが。。。
以上です。
ご参考になれば嬉しいです。