ぶらす室長様
こんにちは。
いつも皆様の質問への回答やnoteを拝見させていただいております。
移植当日のプロゲステロン値について質問させてください。
36歳、AMH4.12
採卵〜受精、凍結まではスムーズに済み、
1周期お休みした後に
自然周期にて単一融解胚移植をしました。
移植決定日 P4 0.359(day13)
移植当日 P4 >60.00(day20)
P4が低い場合には移植キャンセルになると様々なクリニックのHPには書いてありましたが、高い場合にはいかがなのでしょうか。
ホルモン補充周期では20くらいが基準と記載されているものもあり、ではその3倍以上では?と。
胚盤胞のグレードも良く、内膜も厚かったので後は祈るだけなのですが、もし着床に関してP4が高い値だとマイナス要因になる事があればご教示いただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。

胚培養士ぶらす室長@不妊治療さん
tipsによるご質問ありがとうございます。
基本的には、ホルモン補充周期による管理において、移植日の血中P4レベルが低いと妊娠率などに影響するという報告が多いです。
一方で、「高すぎても悪影響がある」とする報告もあります。
移植当日の血中P4レベルを下記の4群に分類して比較した論文では、29ng/mL以上から妊娠率と生産率が低下し、49ng/mLではさらに低下する事が報告されています。
血中P4レベルにおける生産率
19 ng/mL未満: 42.2%
19-29 ng/mL : 46.2%
29-49 ng/mL : 30.8%
49ng/mL以上 : 17.2%
カットオフ値としては32.5ng/ml以上と定義しています。
引用: Serum progesterone levels greater than 32.5 ng/ml on the day of embryo transfer are associated with lower live birth rate after artificial endometrial preparation: a prospective study
一方で、ホルモン補充の仕方によっても血中P4レベルは異なると言われていますし、血中濃度=子宮内膜の濃度ではないと言われています。
今回の報告の管理では、膣剤のプロゲステロンに加えて、4日目から筋注によりプロゲステロンを投与していました。
なぜ、P4が高すぎると悪影響なのかはよくわかっていませんが、体内のホルモン量は互いにバランスを取っている場合が多いので、過剰になると脱感作的に働く可能性もあると思います。
移植日のP4が高い時の報告はあまり多くないので、移植をキャンセルすべきかどうかなどは今後の報告が待たれるところかと思います。
以上です。
ご参考になれば嬉しいです。