旧司法試験の一次免除ってどうやって申請しるんですか？成績証明書出すんですか？ というのは、私、国立の工業大学出身なんですが、教養課程と専門課程が明確に分かれてなかったんですよ。1-3年生の間に、人文社会10単位、語学6単位を取ればよかったです。

旧司法試験はもうないのになぜ知りたいのかよくわかりませんが、一応お答えしますね。 今でもなぜか残っている在日特権デマにもかかわる話なので、私のプライベートな部分を除いて全体公開で回答しておきます。 まず、制度の基本思想から述べましょう。旧司法試験の一次試験は、法学以外の教養を広く身に着けているか否かを問うものでした。この一次試験が相当な難関で、理数系の問題も多数出るため、東大法学部生が受験勉強の勢いでそのまま一次試験対策をガチれば受かりやすいとか言われていましたが、後述のように一次試験免除の要件はゆるゆるだったため、東大生や京大生でも一次試験ルートなどという酔狂なことをやる人は少数派で、普通に免除資格を得て、大学3年から受け始めるのが一般的でした。 さて、一次試験免除資格ですが、たとえ法学部であっても、文科省に認可された四年生以上の大学を卒業した人なら一定数以上の非法学科目(語学を含む)は必ず取得しているので、大卒者なら必ず免除を受けられることになっていました。 ゆるゆるですね。 問題は、在学中受験者や大学中退者の場合ですが、概ね、たとえ法学部であっても普通に単位を取って2年生まで終えれば免除資格は得られるくらいの設定になっていました。 うろ覚えだったので再度確認してみたところ、 ・2年以上在学 ・外国語科目4単位以上16単位以下及び外国語以外の非法学系科目16単位以上の計32単位以上 を取得していればよいということでした。勿論、外国語科目の上限は計32単位の枠内での話なので、32単位を超えて取っている場合にはもっと外国語単位があっても構いません。マジでゆるゆるですね。 さて、ここから在日特権デマの話。「朝鮮大学校卒は司法試験の一次試験免除を受けられる特権がある」というデマが今でもネット上にあるようです。これには心底呆れます。だってそもそも現行の司法試験(新司法試験)に一次試験なんてないからね。 しかも、この言説は、旧司法試験についても既にデマでした。 上記のゆるゆるの一次試験免除制度の中で、短大や各種大学校等の人は卒業しても免除が認められないという不公平で硬直的な状態に長年ありました。これが2004年の法改正により是正されました。ちなみに最後の旧司法試験は実質的に2010年です。翌2011年は、前年に口述試験で落ちた数人が口述を受け直して全員受かっただけなので)。廃止直前ですね。 この法改正により、短大や各種大学校等の卒業者でも、法務省に申請して個別の審査を受け、大卒者と同程度以上の学力があると認められれば一次試験免除を受けられるということになりました。審査が必要なので、卒業さえすれば、卒業しなくてもちょこっと単位を取れば自動的に免除資格を得られる四年生大学出身者よりは依然不利ではあったわけですが。 この短大や各種大学校等の中に朝鮮大学校が当たり前に含まれていたことを、「在日特権」と言って騒ぎ立てたのが、一次試験免除デマです。 しかし、一次試験などという制度がなくなってから15年経ってもまだやってるんだから、マジで馬鹿に付ける薬はないですね。 私の場合について。