芸術系の分野で現在博論を書いている者です。
プロとアマチュアの違いはなんだと思いますか?
最近だと千葉雅也さんも「好事家や事情通とプロは違う」とツイートされていましたが、プロになるためにはどうしたらいいのか知りたいと思っています。
最近気づいたのは、私は『まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書』で言われていたような「常識を刷新する」という行為に関心があるということです。
ただ、私にとって研究対象はそのための手段であって、対象が本当に好きな人には知識や関心の強さでかなわないと感じています。
要は自分に自信がないだけでもあるのですが、自分がプロとして生きていくために、考え方を変える必要があると思っています。
もしよろしければお考えをお聞かせください。

阿部幸大さん
Tipsありがとうございます。博士論文を書いている身で、俺に質問しているということは、「プロの研究者とはなにか」という質問ですよね。それは俺にとって「研究論文を書き続けている」ということを意味します。それ以外の活動、たとえば大学に勤めているとか、賢そうなツイートをするとか、商業誌にエッセイを書くとか、これらは「プロの研究者である」こととは無関係です。だからプロの研究者になりたいのなら、他に色々やってもいいですが、学術誌に論文を載せることだけは見失わないでください。
上記のことと同様、ある対象を本当に好きであるとか、それについて詳しいとか、そういったことも「プロの研究者である」こととは関係ありません。それはまさしく好事家であり事情通です。あなたの場合、研究対象は手段であるということですが、それでいいのです。対象を知り愛することが研究であると錯覚することなく、それについて論文を書き、常識を刷新することで、アカデミックな価値を生み出す研究者のプロを目指してください。