1)経穴学の本
昔は古典を含めて経穴学系の本を集めましたけど、西洋医学的に述べている本は別にして具体的にそのツボでどうやって気血を動かし効かせるかを書いた書物ってほとんどないですね。そういう意味では昭和の西洋医学的視点書かれた本をおすすめしたいですが、それだと経穴を無視して解剖的視点で鍼するのでご質問からは外れますね。
私が師匠に習い始めた頃、関元や足三里を使って一脉十変の法を身につけるようにと言われました。「一穴で十通りの効果を出せる刺法を身につけよ」ということなんです。同じ経穴で反対の作用を出すことも出来ます。たとえば足三里だと胃酸が出るのを促進することも抑制することもできます。そんな訓練をしていたので、経穴の本に並んでいる経穴をみると、「この経穴はこういう場合にこのようにして使い、その隣の経穴はこういう場合には。。。そんなふうに使えば厳選できるよな」みたいな予測をめぐらすことができるようになりました。そんなわけで「この経穴の主治は××」みたいなことしか書いていない経穴の本には興味がなくなりました。
とまあ私の思い出話を書いてもしょうがないので一冊を挙げるとすると藤本蓮風先生の
『経穴解説』
https://amzn.to/3P89qIT
を推薦しておきます。この本の凄いところは、経穴をどういうふうに使えば効果を上げられるのか、先生の豊富な臨床経験を元にまとめておられるところです。
2)六病位ということは『傷寒論』にでてくるような三陰三陽のことですよね?
『傷寒論』の三陰三陽は何を表すのかという議論はいろいろあって、蔵府経絡説・六気説・部位および境界をあわらす・症候・外感病の発展段階等々ありますよね。
結論から言えば中華伝承医学の口伝では六気説です。詳しく調べていないのですけど、張志聡なんかがこの系統のようです。
六気説というのは天の六気です。
古代に天の六気・地の五行・人の六合というひとつの型に人の正気を落とし込んだわけですが、三陰三陽は正気としての人の六気を元にして考えられたものです。おそらくは易の四象の二陰二陽が先にあって、それぞれみっつに分けたんだと個人的には考えています。天の六気説を採ると部位境界説・症候説・発展段階説等々もそこから展開されるので分けるのに意味がなくなるような視点になります。『傷寒論』を天の六気説で読み解くと、直接的には言及されてない理論の発想が推測できるようになります。