アドバイザリーと事業経営の親和性についてご意見を伺いたいです。 投資銀行業務や戦略コンサルティングは、事業経営に近い距離にはいられるものの、果たして本当に成長戦略に関与できているのかどうか、ということがわかりかねています。 伺った背景としては、ファーストキャリアについて悩んでいるためです。現在外資系投資銀行と戦略コンサルティングファームからオファーをいただいておりますが、企業の経営に携われるような仕事に就きたいという中期的なキャリア目標に向けて、それらが最良の選択肢なのか確信が持てておりません。 言葉足らずの質問で恐縮ですが、率直なご意見を伺えますと幸いです。

ご質問ありがとうございます。ファーストキャリアにお悩みとのこと、承知しました。 外銀と戦コンの両方から内定をもらえたとのこと、おめでとうございます。 （内定をもらう前に悩んでいる方が多い中で、素晴らしい就活の成果だと思います。） 私は戦コンは長期インターンの経験しかありませんが、マッキンゼーやBCG、カーニーやベインコンサルとはビジネスDD仕事上の付き合いはありますし、一応比較したうえで回答できる立場かなと思います。 中長期的なキャリアの目標が企業の経営に携わる仕事がしたいと思われている中では、外銀と戦コンのいずれも、経営それ自体ではなく、どちらも社外のアドバイザーという立場になります。ですから、どこまで行っても業者という立場なのだなぁと実感すると思います。ですからこの点に関して言えば、両者に違いはないと思います。 私の周りからPEに転職している、周りの人間がよく口にするのは、「その先が見てみたい、その先を見届けたい」です。つまり、アドバイザーの立場では、案件が終わると関係性はいったん切れてしまうので、そのアドバイスの帰結には責任を持たない、そのリターンも享受しないという働き方になります。 とはいえ、PEは株主・投資家という立場ですので、経営とは異なります。どうしてもPure に経営がしたければ、自分で事業を起こすことがよろしいかと思います。がしかしこれは現実的ではないと思います。 ですから、外銀か戦コンのいずれかには進むべきと考えます。企業の経営に携われる、という点についてもう少し深堀されることがよろしいかと思います。どういった側面で携わりたいかということです。 個人的には、外銀に進むことをお勧めします。理由はスキルセットの希少性です。この世の中が株主資本主義である以上、コーポレートファイナンスは企業経営の根幹であり、戦コンではなかなか身につかないスキルセットになります。戦コンのスキルセットは、リサーチ力、論理的思考力、プレゼン力、ゴールセッティング力、期待値調整力、などかなと想像しますが、それらは外銀では基本的なスキルセットだとみなされていると思います。外銀で普通に仕事をしていれば、戦コンサル出身者ほどではないにせよ、そこそこ身につくものだと思います。一方で数字に強い、金融が分かるというのは、一生ものだと思います。 外銀で２－３年勤めたのち、アソシエイトとして昇格するもよし、PEに行くもよし、起業するもよし、選択肢が広がると思います。バンカーとして企業を眺めることで、企業の経緯に携わりたいというご自身の考えが、より磨かれて、より具体的に考えられるようになると思います。 大事な決断ですので、いっぱい悩んで、いろんな人に話を聞いて、最後は自分で決断するのがよろしいかと思います。 がんばってください！