國松淳和先生
平素より大変お世話になっております。
ステロイドの虎 拝読させていただきました。
末期癌の患者様を担当することが多く、デカドロンを0.5mgか1mgから開始して最大4mgまで投与しています。
大体予後1ヶ月前後の方を対象に投与しており、今の所大きな副作用には遭遇しておりません。
ステロイドを開始すると、ADL改善し食事もよく摂れるようになります。
効果がある方でも、効果がなくなってくると逝去される印象が強いです。
これらは抗炎症作用によるものと考えて良いでしょうか。
國松先生の本に記載はなく、このような使い方について國松先生のご意見を伺わせていただけますと幸いです。
また最大4mgまでしか処方していませんが、それ以上の増量はどのように思われますか。
回答いただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願い致します。
國松淳和さん
ご質問ありがとうございます! がんが炎症を惹起している場合は、反応するのだと思います。デカドロンは、脳や脊髄の転移がある場合は適していると思います。4mgですとプレドニゾロンで40mg程度ですから、もっと効果を出したければもっといっていいと思いますよ。一時的に8mg, あるいは6mgくらいは普通に大丈夫です。コロナの患者にデカドロンをいったとき、かなり皆さんせん妄になったので、そこは気をつけています。これがデカドロンのせいなのかは謎ですが、低酸素、個室、などがハイリスクなのかもしれませんね。ステロイドですが、がん末期の患者さんは不均一なので一概に言えませんが、CRP値は参考になると思います。高ければ、緩和目的であればステロイドは是だと思います。腸管の動きも良くなる効果がある気がしますし、がんが実は副腎転移していて副腎不全になっていることもありますから、一括ステロイドが良い方に傾けることは経験されます。血糖上昇などはまあ許容するとして、ステロイド増量すると入眠が困難になる場合があり、眠前薬を処方せざるを得ない場合もあります。まああとは現場の工夫です。ご質問ありがとうございました。何かあればまたどうぞ。國松淳和