こんにちは、
私の人生における課題について、中田さんのご意見をお伺いしたいです。
[質問]
姉が自立するために、私が楽になるために適切な相談先のアイデアはございませんでしょうか。
[背景]
私は今年31歳の女性です。去年結婚して夫と2人暮らしをしています。私には3歳上の姉がいるのですが今回はその姉に関する質問です。
姉は現在無職の実家住まいです。
小学校高学年の転校先でいじめにあったのがきっかけで不登校になり、高校まではなんとか卒業しました。しかし、人との関係を築くことが苦手で、イラストの専門学校へ行くもクラスメイトに馴染めずドロップアウト、美術大学に行くために予備校に通った時期もありましたがやはり先生が嫌になりドロップアウトアウトしました。
それ以降ずっとニートを続けております。
私から見るに姉は不安型の愛着障害の気が強いです。友人も1人もおりません。
また、常に鬱っぽくて希死念慮があります。
姉は辛い時、寂しい時、将来が見えないことに対する不安が大きくなった時に私に電話をかけて来て「どうすればいい」「もっと構って」と言って来ます。
私は毎度話を聞いて「病院は行こうよ」「役所へ行って支援してもらおう」と言いますが姉は行きたがりません。心療内科には通院歴があり向精神薬も飲んでおりましたが改善されず、カウンセリングにも通ったことがありますが改善されず。もうどこに行っても無駄だと思っております。
そうして全ての感情の捌け口が家族に向けられており姉としては「家族なんだからそれは当然のことだ」という認識です。
正直、私は姉のカウンセラー役は引き受けられません。引きずられて私も気分が落ち込みますし、電話が2時間以上にわたる時もままあり、終わるとぐったりします。
最近は姉の電話をとるのも5回に1回くらいにして考えないようにしております。
とはいえ、完全に縁を切れるわけでもなく、私の希望としては、誰か他に人生相談に付き合ってくれる人を見つけ私の代わりになって欲しいです。
ただどこに相談したら良いかわかりません。
健康保険センターへ相談したこともありますが、毎度姉の居住地管轄の保健センターへ行かなければなりませんので、続きませんでした。
両親はもう完全に諦めております。自分たちは死ねば終わりですが、私は両親が死んだ後1人で姉と付き合って行かなければなりません。
私自身もどうしたら良いか分からず誰かに助けて欲しいです。どこか良い相談先のアイデアがあれば助言いただけないでしょうか。よろしくお願いいたします。
大変お疲れ様です。ご苦労は想像するに余りあります。
まずは今後の方向性として、支援対象を「姉」から「自分」に切り替えましょう。現に質問者さんご自身も深く困っていらっしゃって辛い思いをしているのですから、程度の差こそあれ質問者さんも「救済されるべき人」なのです。
だから今度お姉さまから電話がかかってきたら逆に助けを求めましょう。こんなに気分が辛い、どうしたらいいかわからない、お姉さん助けてよ、お姉さんでしょ、なんで助けてくれないの、のように。これまで言われてきた「助けて」を反転させるのです。
そこまでするのが億劫なら、旦那さんの協力を得ましょう。まず最初に「助けて」というべき先は最も身近な家族である旦那さんだからです。文面に旦那さんのことが一切出てこないのが少し気になりましたが、質問者さんが日々悩んで苦しんでいることは旦那さんも良しとしていないはずです。旦那さんからお姉さまに対して「もうそういうことはやめてくれ」と言うのはちょっとハードルが高いと思いますしますますお姉さまの被害者ムーブを助長してしまうかもしれないので、一芝居うってもらって、旦那さんこそ心身の調子が悪いということにするだけでも良いのです。もし旦那さんが激務系ならウソではないでしょう。激務で心身の調子を崩している夫の世話をしなければいけないからお姉さんにはかまっていられないのだ、助けてほしいのはむしろこっちだ、と言えるようになるのです。
質問者さんが苦しみながらもお姉さまに未だにかまっているのは家族の扶養義務があるからのような義務感があるからでしょう。その義務感を否定するのは難しいので、もっと強い義務感で上書きすることで対応できるかもしれない、というのが上記の提案のメリットです。即ち、二親等である兄弟姉妹よりも、まず扶養義務は夫婦間で最も強いわけですので、まずは私の義務感は夫のケアに振り向けることは正当である、と自分に言い聞かせるのです。現に、お姉さまに悩まされていなければ旦那さんに対してできたであろうサポートができなくなっていることはあるのではないでしょうか。そもそもお姉さまがそうなった責任は質問者さんにはなく、しかし結婚した責任は質問者さんにあるので、より責任を果たすべきは夫婦間の扶養義務の方である、というのは社会的にも一般的な認識です。
もっと言えば、「選んだ」という観点での責任は親御さんにあります。「両親はもう姉のことは諦めている」とのことですが、諦めてもらっては困ります。質問者さんの「助けてほしい」という言葉は、お姉さまだけでなくご両親に対しても向けられるべきでしょう。「私はこんなに困っている、親であるあなたたちは助けてくれるんだよね」と。親でさえ放棄した責任を兄弟姉妹が負うことはありません。自らが選んだ家族の扶養義務の方を優先させましょう。まだお子さんはいないようですが、仮にお姉さまの悩みがなければお子さんを授かっていた(あるいは今後その可能性がある)のであればなおさら、本来はお子さんに振り向けるべきリソースが不当にお姉さまに向かっていることにもなります。
もっと実務的な観点で言えば、ご自身が困っているという観点で自治体やカウンセラーなどを探してみることによって、「誰に相談すべきなのか」が自分事としてわかりやすくなるという利点もあります。「姉を助けるにはどこが良いか」だと主語が自分ではないので探しにくいのですが、「私を助けてくれる人・機関はどこか」という観点では探しやすくなりますし、善し悪しを判定しやすくなります。そしてそういう風にいろんなところに助けを求めていることをお姉さまや親御様に示しつつ、「私はこんな風に自分で助けを求めた、だからあなたも自分で助けを求めよう」と具体的に示せるという点でも一歩前進します。
残念ながらお姉さまは「弱者なんだから助けられて当たり前、被害者なんだから自立できなくて当たり前」という強い甘えを持っています。この甘えを持ち続ける限り自立もなければ救済もありません。そして質問者さんによって救済することもできません。なぜなら質問者さんは自立を促せる主体でもなければお姉さまがそうなった原因でもないからです。であるならば、お姉さまの課題はお姉さまのものなのだと割り切り、まずはご自身の課題に集中しましょう。
これまで何度かお勧めしてきた本ですが、改めて『嫌われる勇気』をお勧めしたいと思います。これは表題から来るイメージと異なり、「誰の課題なのかを特定して分離せよ」がメッセージの本です。お姉さまの課題は質問者さんのものではないのですから、質問者さんが代わりに解決しようとしてはいけません。お姉さまの課題はお姉さまが解決するし、お姉さましか解決できません。同時に、質問者さんはご自身の課題を特定し、その課題に集中しましょう。
ご自身とご家族(ご自身が築こうとされているご家族)に幸多きことを心から願っております。
『嫌われる勇気』
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(センシティブなお話なので、TLからは削除させて頂きますね)