本当に絶望的に時間が守れず、改善策を探しています。わたしは、最終的な期限(ビューコンの提出期限や会議の開始時間など)に遅れたことはないのですが、それまでに○○さんへ資料の確認をお願いするとか、会議のときは1時間前までにアジェンダを共有するとかそういった期限をことごとく守れません。1週間前までに相談すると言ったのに、1週間前の23時に相談して「ビジネスタイムにくるのが常識だろ」と怒られたり、会議の10分前にアジェンダを送り「それはない」と言われたりなどです。遅れるときは先に言えと言われるのですが、「これ間に合わないやつだ」と気付くのが締切の直前で、結局怒られます(冷静になると間に合うときも「遅れるかもしれない」と言えば丸く収まるとわかるのですが…)。なるべく早めに動こうという意識はあり、定例的な業務は次第に○時間前から動けばいいのか、と感覚を掴め段々間に合うようになるのですが、仕事をしていると当たり前ですが○時間、○日かかると機械的に判断すると間に合わないタスクも多く、結局「何度も言ってるのになんで治らないんだ」という話になります(概算が間違っているのはわかるのですが、どうしたら正しく概算できるのかが本当にわかりません)。自分の中での意識は変え、これなら間に合うだろうと計画を立てているにも拘わらず、結果として間に合わないので上司からおまえはなんの改善も見られない、事態の深刻さを理解していないと繰り返し怒られるのが精神的につらく、でも自分が悪いことが明白なため弱音も吐けず、社会人の基本がなっていないのにこんなことを言ってはいけないとわかるのですが、正直つらいです。中田さんの周りで、時間を守れなかったのに守れるようになった人はいらっしゃいますか?なにかアドバイスをいただけますと大変嬉しく思います。
「ビューコン提出」ということはもしや同業者かもしれないと思いつつ、私も新人の頃は周りの期待通りのタイムラインで仕事を進められずに詰められまくっていたので、多少なり経験談も交えた話を。
1. 間違っているのは概算だけではなくて計画自体(あるいは計画の不在)と見られます。例えば最初に「3日でできるはず」と概算で見積もったなら、合計値だけではなくて途中のマイルストーン、つまり「今日はここまでやる」「明日はここまでやる」「3日目の正午までに完成、後はバッファー」というロードマップを敷かねばなりません(もっと細かく刻んでもいいでしょう。1日単位で刻むと、本文でも書かれているように「23時までならセーフ」などという言い訳を適用させてしまうことがあるためです)。きわめて高い確率で、そのマイルストーンさえも初期段階で崩壊しているはずです。つまり、「今日はここまでやる」と決めたことさえもできていないはずなのです。であるならば、すでにその時点で締め切りを守れないことは確実ですので、上司に相談せねばなりません。仕事の進め方や方法がおかしいか、スキルが足りていないか、あるいはその両方でしょう。上司としては仕事の進め方を指導するか、締め切りを延期するか、他の人に配分するかなどの対応を早めに取れます。上司から小言を言われるでしょうが3日目になっても何も言わずに4日目に劇詰めされるよりはよほどダメージは少なくなります。
2. 「誰のために仕事をしているのか?」ということを意識するようになると行動全体が変わってきます。現段階では仕事をする目的が「怒られないため」くらいの保身的なものになっている可能性が高いと思います。お客様のため、あるいは上司のためでもいいのですが、誰かのために仕事をしているのだという意識があれば、締め切りを守れずに迷惑をかけることがわかりながらも誰にも相談しないなどという行動は取れません。例えば医師が「3日後に手術をしなければ患者が死ぬ」という状態で「やっぱり間に合わなかったわ、サーセン」で済ますはずもなく、間に合わなさそうなら他の人に初期段階でヘルプを頼むことはごく当然に行うことになります。ヘルプを頼む段階で小言を言われることもあるでしょうが、そんなことは患者が死んでしまうかもしれないという事象の前にはどうでもよくなるでしょう。質問者さんは「どうすれば怒られないか」ということに強い焦点があたっていて、だからこそ初期的に相談する勇気も持てないのだと推察されます。なぜなら初期的に相談してもやっぱり怒られるからです。しかし「この仕事を計画通りにやり遂げなければ誰かが困るのだ」と仕事の方に焦点が当たっていれば怒られることの精神的ダメージはぐっと減ります。怒られてでも仕事を完遂できる方が良い、という意識になれるからです。スキルに比して無駄にプライドが高いという表現もできます。今は怒られても当然のレベルのスキルしかないことは所与のものと受け入れて、「怒られないこと」でなく「仕事を進めること」に意識を向けるようになれるとよいでしょう。
3. 所属している組織の文化やレベルやスピード感にご自身が合っていない可能性もあります。小学生がマラソン選手団と一緒に走り続けていれば、いくら計画を立てたところで辛いことは変わりないでしょう。これは「概算」が常に間違っている一因にもなり、「周りの人はこれくらいのスピードでできている」「周りの人の期待からするとこれくらいのスピードでできなければならない」という意識が概算を狂わせていることがあります。本当は「自分のスキルならこれくらいの時間がかかる」という計算をしなければならないのに、(プライドが邪魔をすることもあって)周囲のスキルをベンチマークとした概算をしてしまっている可能性があります。その場合、異動もしくは転職が視野に合ってもよいでしょう。同じ会社でも求められるスピード感やスキルは大きく異なりますので、他の部署ではもっと周りの期待に合った仕事ができる可能性は大いにあります。私は転職してこれが実現でき、周りのスキルやスピード感が前職比で大きく落ちたので、自分のスキルとスピード感でも高く評価してもらえるようになりました。こうなると顧客に直接接する機会が多くなり、そうすると「自分のため」でなく「お客様のため」に仕事をしているんだという意識が強くなりますので、ますます仕事の進め方も真っ当になっていくという好循環になります。今の質問者さんは逆で、「怒られる」→「保身のための仕事をするようになる」の悪循環に陥っているのではないでしょうか。
4. もし、常に他のことに気が散ってしまうとか、部屋を片付けられないなどの特性も併発しているのであれば、いわゆるADHD気味の可能性もあろうかと思います。最近は何でもかんでも人生がうまくいかない理由として「ADHDだから」が多用される傾向にありますが(精神科の人が「自称ADHDの患者が最近は多く来る」と嘆いていました)、診断がつくかどうかは別にしてもADHDの人へのアドバイスが質問者さんに役に立つ可能性はあります。ネットや書店などで、ADHD周りのアドバイスを見てみると役に立つこともあるかもしれません。
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ご参考まで。