こちらの質問回答への続きです

18時間前

質問者さん

質問者です。お忙しい中ご回答ありがとうございます。 研究手法についてもう一つご質問させてください。 ご指摘いただいた、法の経済学的な分析や比較法的な研究手法は一朝一夕で身につくものではないと認識しておりますが、このような技法の習得は、皆さんどの時期にされるイメージなのでしょうか。 修士博士課程で身につけたものを活用していくイメージなのか、それとも研究者生活が始まってからも新しい研究手法をアップデートしていくイメージなのでしょうか?? お時間に余裕がある時にお答えいただけますと幸いです。

18時間前

Yukio Okitsu

Yukio Okitsuさん

教職に就いてしまうと、可処分時間はどうしても減りますので、基本的には、修士博士課程で身につけたものをベースにしていくことになろうとは思います。たとえば、修論博論で扱っていない英語以外の言語の比較法を、教職に就いた後で研究して論文を書くという例は、思いつきません。ただし、修論博論では独仏法を中心に扱っていた人が、その後は英語にシフトするという例は間々あるように思います。 私についていうと、修士博士時代はがんばって独仏語を読み、教職に就いた後もしばらくはそれを続けていましたが、30代半ば頃に英語に全外国語資源を投入することを決め、今では独仏語は読んでいません(ドイツ語は名実ともにゼロ、フランス語は文法知識はまだ残っているので条文程度なら読めますが、本格的に研究するレベルにはない。)。また、その頃から、いわゆる比較法研究をするのもやめました。必要に応じて英語の文献や判例は読み、論文にも引用しますが、「アメリカ法におけるXXについて」のようなテーマで論文を書くのはやめた、ということです。その代わりに、英語は発信に比重を置くことにし、30代半ばからの10年余りでその方面は主観的にはだいぶ上達したと思います(英語学習は高校までの学校英語・受験英語が中心で、必修の単位を取得した大学1年~30代半ばでアメリカに行くことを決意するまで、英語にはほぼ触れていなかったというブランクを考えれば、かなりのリカバリーだったと思います。)。厳密には新たな研究ツールの習得ではありませんが、研究スタイルのシフトは可能だという例にはなるかもしれません。 語学以外の研究手法は、私が自分でやっているわけではないのでよくわかりません。ただ、私は他法分野との交錯領域について論文を書くことがわりと多いのですが、学生時代に学んだことはすっかり忘れているし、学生時代から現在までのアップデートをする必要もあるので、そのたびに、当該法分野の基本書から読み始めるということは、よくやります。

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Yukio Okitsu

Yukio Okitsu

https://www.saiensu.co.jp/search/?isbn=978-4-88384-375-6&y=2023

法学研究者志望者からの質問、興津征雄『行政法I 行政法総論』新世社(2023年)の内容に関する質問(なるべくページ数等を特定してください)に積極的に回答します。そのほかの質問はお答えできる範囲でゆるく答えます。

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15時間前

続き質問

お忙しい中ご回答ありがとうございます! 可処分時間がわりとある若いうちに外国語習得に努めた方がよいこと、研究生活に入ってからもシフトチェンジはしうることがよくわかりました! 後輩研究者としてキャリアを積めるように、まずは地道に頑張ります! お忙しい中、誠にありがとうございました!!

19時間前

法科大学院在籍で研究者を志望している者です。 当初は実務家を目指していたので法科大学院ルートになりました。法学研究科を経由する方に比べて、一つの分野に集中する時間や、比較法を本格的に訓練する時間がとれず、不安を感じています(助手課程で取り返そうとは思っていますが、それでも足りないだろうと思っています) 興津先生から見て、法科大学院ルートから研究者になるメリットや、どういう研究と相性がいいなど、ありますでしょうか。 これからの研究生活のアドバイス的なものをいただけますと幸いです。

Yukio Okitsuさんが

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7時間前

横からですが、憲法の川岸令和先生は女性なのかと思っていました。

14時間前

続き質問

早速ありがとうございました。 法律の優位原則と委任命令の限界論の関係については、どの教科書もそこまで詳しく書かれていないように思ったので、ご説明を聞いて非常に勉強になりました。

15時間前

法律と命令の関係(教科書53頁)についての質問です。 両者の優劣関係の問題と、委任命令の限界の問題は、(委任命令の限界をどうやって確定するか次第ですが)内容が重なっているようにも思います。 もしそうだとすれば、両者は、同じ問題を別の観点から整理したものだということになるのでしょうか。 その1とその2の関係をどう理解したら良いか分からず、ここでお尋ねさせていただきました。