後輩の指導で悩みがあります…
後輩の仕事があまりにも雑です。もう新卒ではないので可能な限り1人で推進してほしいのですが、私の確認や修正ありきで全てを雑に進めてごっそり投げてきます。例えば、半日くらいで雑に作った資料を、期日2〜3日間で確認を求めてきます。その度に毎回ポイントは伝えているのですがその場限りで次回以降に一切生かされません。だんだん確認依頼に真摯に対応するのがバカらしくなってきました。上司には相談したものの、粘り強く指導をして欲しいと言われています。
本来まだ年次の浅い社員に対応して欲しいことを、年次も職位も高い私が間接的に時間をかけて対応しているので会社としても損失ですし、後輩の存在意義を感じなくなってきて悩んでいます。
中田さんが後輩指導で気をつけていることや、このような部下がいた場合どのように対応なさるのかぜひ伺いたいです。
中田:‖さん
一つ試してみてほしいのは、提出物に「点数」をつけて、「宿題」を出すことです。「今回のアウトプットは30点だね。なぜなら[長文の指導]…だから君の次の宿題はこれとこれとこれとこれだ」のように。パワハラではないことの証跡のためにメールでも残すとよいでしょう。
なぜこれが効果的かというと、雑に仕事をする若手は未だに責任感を持てていない、すなわち「学生気分」なんですね。そんな学生気分の人に効果的なのは、「学生だからこそやらなければいけないこと」のキーワードである「宿題」と「テストの点数」にはめっぽう弱いことが多いのです。そして、20点とか30点とか学生の時には見たことがないような低い点数を示すことで、「お前の評価はとても低い、だからお前の人事評価もこのままでは当然低いし賞与も当然低い」というメッセージを事前に数字の形で本人に伝え続けることができるという意味でも意義が大きいのです。
仮にこれでも効果がなかったとしても、人事評価をつける身としては、「低い評価をつけるエビデンス」が残っていると遠慮なく低い評価をつけられるので心が楽になるんですよね。文句を言われる可能性が減りますし、文句を言われても「え?君の成果物はいつも30点って言い続けてたよね?あれ本当はお客さんに出せないという意味では0点なんだよ?でも君のやる気を信じて30点をあげて、宿題も出したんだ。その宿題の進捗はどれだけなの?なんでボーナスがあると思った?」みたいに言えますし。そしてこれは、「粘り強く指導をしたけれどもダメだった」ことの証跡として自分の上司に示すことができるエビデンスにもなります。最初から「点数と宿題」のメールに上司をCCしておくのも効果的です。これは独断ではなく上司の監督の下で行われている指導である、というメッセージになるので。
(ちなみに、私が若い時に上司からされて嫌だった指導方法は、自分の成果物に自分で点数をつけさせる方法です。「これ、中田君は自分では何点だと思うの?」という聞き方で。仮に80点と答えると「じゃぁ100点にしてから持ってきて」と突き返され続け、100点と答えると「え?本当に?これで100点?じゃぁここのこれがこんな風になってるのはどう考えているの?これで100点の認識じゃ困るなぁ」と一つ一つ詰めるのです。指摘内容が業務として正当である限りにおいてパワハラ認定はギリギリ回避できると思いますが、ここまでやる必要はないとは思います)
正直なところ、真摯に対応して変わらない後輩は滅多なことでは変わらないので、仰る通り質問者さんと会社のリソースの無駄です。ポイントは、「真摯に対応している」という証跡を残すこと、そしてその指導を本人が受け止める気がないのだということを本人だけでなく周囲にもわかる形で証跡を残すことです。上司もそういう証跡を積まれると人事異動を考えざるを得なくなってくるでしょう。質問者さんと会社の貴重なリソースはもっと別の、やる気のある後輩のために使いましょう。