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10月10日

質問者さん

はじめまして。いつも投稿や著書を楽しく拝読させていただいております。 私は現在医学部5年生です。先生のような科を超えた総合内科医に憧れており、志しています。そこで、これから初期研修から専攻医になるにあたり、身を置く環境(サブスペの診療科や病院)や日々の業務への取り組み方で心掛けたほうがいいことはありますでしょうか。 稚拙な質問で大変恐縮ですが、ご助言頂けますと幸いです。

10月12日

國松淳和

國松淳和さん

投稿ありがとうございます! 質問者さんがお尋ねしたい事柄のもろもろを超越した部分で、もっと大事なことがあり、そこを中心に回答してみます。 文章からは臨床をやりたいのかなと思って回答しますが、臨床仕事でもっとも重要なのは体力です。次に重要なのは、プロ意識のようなものです。メンタルとか知識とかは意識しなくて大丈夫です。 体力には2種類あって、1つは活動量などに応じて日々上下するライフゲージのようなアレです。もう1つは、多少よく動いたとか寝たとかのような数日程度では上がりも減りもしないような、もうちょっと本来的に備わっている貯蔵された体力です。 それは体力ではなく身体機能をオペレーションする本部装置なのではと言うかもしれませんが、それだとその本部は「脳」というイメージになってしまいます。そうではなく、体力の本部は体力だと思っているのです。体力を使って日々の身体機能を果たすためには、貯蔵された体力をつけておかなければならない、という考えです。 臨床医はこの貯蔵体力があればあるほどいいです。それをどうすれば増やしていけるか、強靭なものにできるかは現在進行形で考察している最中ですが、現時点での私見をお示しします。 まず、やってもいいことは「たまにめちゃ頑張る」ってことです。もう一つは「マルチタスクを高いレベルでこなすこともやってみる」だと思います。身の置く環境としては、「貯蔵体力がめちゃある人たちがいるところにいるようにする」がいいでしょう。 えっ、と思われたかもしれませんが大丈夫です。なぜなら質問者さんが医学生だからです。周りに、「めちゃ頑張る人」も「マルチタスクを高いレベルでこなす人」もたくさんすでにいるはずだからです。環境など特に選ばなくても、医学部医学科に進学した時点で環境は抜群なんです。ていうか質問者さんも貯蔵体力がけっこうある方だと思います。 臨床仕事のイメージですが、年間通して戦うプロスポーツと似ています。プロ野球のペナントレースとかJリーグなどなんでもいいですが、日々まあまあの戦績を残渣ないといけないようなタイプのやつです。4年に1回だけ輝けばいい、とか、一世一代のピアノのコンクールに向けて練習する、とかではなく、毎日がそれなりの本番のようなスポーツが当てはまりやすいです。別の職種では学校や塾の先生でしょうか。1日だけいい授業してもダメですよね。臨床も、ある日だけとか2、3ヶ月頑張ればいい、とかじゃないんです。何年も、コンスタントに出勤して、職場で職能を果たすことが重要なので、総じて「維持すること」に価値を置きます。 この意味でも体力が全てにおいて一番重要です。2番目としたプロ意識は、この「継続」を維持するために重要です。あれこれ理想を持って迷走したり、もっといろんなキャリアを踏まねばと不安になってやることをポンポン変えたりしていては、技術は身につきません。早めに覚悟を決めたほうがいいです。 体力があると、とにかく余裕が生まれます。余裕があると、周りから信頼されます。周りから信頼されると、仕事を頼まれます。仕事を頼まれると、場合によってはお金が増えますし、技術も伸びます。技術が伸びると、色々なことを短時間でできるようになります。短時間でできるようになると、もっと余裕ができます。こうやってポジティブなループに乗ります。これはすべて、日々の診療を支える体力のなせる技で、つまりすべきは「貯蔵体力という可視化しづらい体力についてメタに認識し、そしてそれを強く意識して日々自身の改良に取り組むこと」だと思います。余裕があればメンタルは安定するし、知識をつける勉強(読書)も捗ります。 ちなみに私が最近意識しているのは、立っている時の姿勢と歩いている時の姿勢です。背筋とかより、下半身と重心を意識しています。全然疲れなくなりましたし、肩こりも減りました。脳よりも身体感覚を重視していくと、いいことがあります。 最後ですが、一応。 ・初期研修 →死なずに終わればどこでも ・後期研修 →たくさん患者さんを診れるところ ・環境 →周りに紹介するところがないような地方の基幹病院 意外と「専門をやっているがなんでもみるようにする」というスタンスが、私のような総合内科医になるために良い気がしてます。私もそうだったので。 後期研修あたりをピークに持っていっていください。となると、今の5年生や研修医1年目とかは、まだピークに持っていくのは早いということになります。遠足に行くとか、いろんな先生の仕事っぷりを見学に行くとかのほうがいい気がしますよ。頑張ってください!

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國松淳和

國松淳和

内科医の國松です。じつはウィキペディアあります。

医療従事者、医師薬看護学生の皆さん、何かお便りいただければ、なるべくお返事します。 例) ・こんな疑義照会みました! ・おすすめ勉強法 ・ほかなんでも

國松淳和さんが

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10月12日

はじめまして。いつも投稿や著書を楽しく拝読させていただいております。 私は現在医学部5年生です。先生のような科を超えた総合内科医に憧れており、志しています。そこで、これから初期研修から専攻医になるにあたり、身を置く環境(サブスペの診療科や病院)や日々の業務への取り組み方で心掛けたほうがいいことはありますでしょうか。 稚拙な質問で大変恐縮ですが、ご助言頂けますと幸いです。

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09月23日

とある内科専門医試験対策の本で、運動誘発性食物アレルギーの対応に関する問題がありました。 迷った選択肢に、「即効性を期待してステロイドを投与する」というものがありました。結局、それは、間違い選択肢だったのですが…。 必ず、問題集を解いたあと、該当疾患をクニナイで参照するのですが、クニナイでは「経験的にステロイドを使用する」となっておりました。 結局、その選択肢が誤りだったのは、「即効性を期待して」という点だったのでしょうか。 私も、経験的にステロイドを使用するという記憶だったので、少し悩んでいます。 もし、ご教示願えたら幸いです。

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2023年08月29日

雑誌内科の思春期内科 早川先生尾久先生との鼎談とても良いお話でした。中学生の不登校について相談されることもありお伺いしたいのですが医療機関にかかるタイミングとかはありますか。宜しくお願いいたします。

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10月12日

はじめまして。いつも投稿や著書を楽しく拝読させていただいております。 私は現在医学部5年生です。先生のような科を超えた総合内科医に憧れており、志しています。そこで、これから初期研修から専攻医になるにあたり、身を置く環境(サブスペの診療科や病院)や日々の業務への取り組み方で心掛けたほうがいいことはありますでしょうか。 稚拙な質問で大変恐縮ですが、ご助言頂けますと幸いです。

09月27日

いつも勉強させていただいております。病態についてアイデアやご経験があれば教えていただきたいのですが、若い男性で「昨日から排尿時に右膝の裏〜足の裏が痛む」という主訴でした。トイレ以外でも同領域が少し痛いのですが、排尿するときにビリビリ・ジンジンと痛みが強くなるとのことです。その数日後に右膝裏に水疱が出現し再診して帯状疱疹と診断し投薬治療しました。水疱の場所はデルマトームのS2あたりで、排尿反射に関係した症状だったのでしょうか?

09月27日

76歳の内科医です。【國松の内科学】役立つ情報が書いてある、面白くて楽しい 私にとっては。 さて、ひと月ほど前に 経験した症例です。 男子 高校生が 38.5℃の発熱 排尿痛 残尿感で来院するとの連絡があった。夜間診療所の当直でした。 細菌?クラミジア?淋菌 ? 尿道炎⁇ 若い人の前立腺炎⁇ うーん、困ったなぁ❗️という感じだった。 来院して、話を聞くと(土)から咽頭痛、少し咳。今日(日)昼から排尿時痛(排尿の始めから終わりまで)、残尿感。来院時の体温 38.2℃ 先ず 検尿、【全く異常所見なし】 また陰茎、睾丸、副睾丸の視診&触診では特に異常認めず。 更に話を聞くと 小学生の弟が(金)に発熱(37.8℃ )(土)に医療機関を受診して、コロナ検査は陰性。 (日)昼からは解熱している という。 どうすべきか 少し迷ったが、コロナ 検査してみたらなんと【陽性】だった。 コロナの症状で、排尿痛 なんて事もあるのか。 コロナ感染者で排尿痛、、膀胱炎、尿道炎は考えにくく、前立腺炎か(年齢的には極めてレア)、國松先生はこのような症例を経験したり、お聞きになっていますでしょうか。ウイルス感染症、風邪などで尿道炎を起こす事もあるのでしょうか。

國松淳和さんの

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2023年03月01日

いつも先生の書籍で勉強させていただいております。研修医13年目です。 先生は漫画を読みますか? 芥見下々先生の呪術廻戦での、東堂のセリフが医者の成長にも合い通じると思って臨床をしていました。 『 “目”より先に“手”が肥えることはない。 善し悪しを見抜く“目”を養わねば 作品を生み出す“手”の成長は望めない。』 表現者の間でよく使われる文句 これはあらゆるジャンルに共通し、 “目”のよい者の上達速度は そうでない者のそれを遥かに凌駕する。 この目を、先生の連載小説33話でまさに言語化されており感動しました。 この目が他の医師になかなか伝わらないので、ワタクシは誰にも伝えることができずに(多分、変人扱いされかねない笑)いたのです。この目をワタクシも大事に臨床を頑張っていこうと思います。

2023年03月12日

図書券があるので街の本屋さんで1万円分、先生の御本を注文したいと思っています。 リストを本屋さんに渡すので、お勧めの本を教えてください。 医師免許は持っているけどずっと使っていない。そろそろまた医師として働かなければならなくなりそうで、勉強したいのです。

2022年05月21日

國松先生はじめまして。私自身はそこそこおっさんの病院薬剤師です。新人から中堅までは仕事にあまりやりがいを見つけられなかったのですが今は日々の業務を楽しくこなしています。勤めているところが250床くらいの中規模病院のためがん領域と精神科領域に加えて最近は感染領域も任せられるようになりました。しかし何か全てが中途半端になっている印象がありこれからのキャリアプランとして何か一つの武器を強くした方がいいのではないかとも思いながらそつなくこなす毎日です。國松先生自身も何かキャリアプランで考えられている事はありますか?