AIの台頭、日本や業界の衰退、競争に勝ち続けられるかなど考えてしまうと、今後7-8年以上今の水準で稼ぎ続けられるかが自信がなく、支出を切りつめてしまいます。
マンションをローンで買うなどの、長期間の出費ができません。
ネルさんはこの点、どのように考えられていますか?
割り切っているのか、自分のスキルに自信があれば解決できる問題なのでしょうか。
それは仕事能力の問題ではなく、生活水準の問題だと思います。
所得に対して生活水準が低く、十分に貯蓄ができているのであれば、失業はそれほど懸念すべき事態ではありません。所得を下げる選択肢や、一定期間働かない選択肢があるからです。
逆に、所得に対して生活水準が高く、あまり貯蓄ができていない場合は、確かに支出を切り詰めたほうが良いかもしれません。
具体的には、(収入>支出を前提として、)生活費何年分の貯蓄があるか?という観点で考えればよいと思います。私の実体験としては、生活費5~6年分くらいの貯蓄ができた段階で、将来の収入などに対する不安はほぼなくなりました。
AIへの代替可能性については、私はこちらのように考えています。ChatGPTが登場した当時の所感ですが、3年近く経った今でも、考え方はほぼ変わっていません。
https://querie.me/answer/4vnhQqz3FYQ1HV2bt1s0
自分の仕事がAIに代替されるかどうかは、
1 AIのエンジニアからどの程度理解されているか
2 AIにとって複雑な仕事かどうか
で判断できると思います。
1について、まず、AIのエンジニアが理解している仕事でないと、AIには置き換わりません。現状のAIは、勝手に進化するものではなく、AIのエンジニアによって開発されるものだからです。
私のもとには、「価値算定を自動化するAIを作りたいので、ヒアリングさせてほしい」みたいな依頼がときどき来ます。しかしながら、彼らは、価値算定の業務について一切理解していません。理解せずに自動化できるほど、価値算定の業務は甘くありません。
この観点では、AIのエンジニアが、最もAIに代替される可能性が高いです。次いでAI以外の各種エンジニアが代替されやすく、一般的なビジネス職は割と代替されづらい位置にあります。
2について、「電話番をして、コピーをとって、お茶を出す」みたいな仕事は、人間目線では非常に単純な仕事です。しかしながら、これをAIにやらせるのは結構ハードルが高いと思います。
AIから見て複雑な仕事であればあるほど、AIに代替される可能性は低いです。ツイッターでは軽視されがちですが、接待や根回し、関係者間の調整みたいな仕事は、人間から見ると雑務かもしれませんが、AIから見ると極めて複雑な業務です。
この観点でも、一般的なホワイトカラー(である程度活躍している人)は、あまりAIに代替されるとは思っていません。少なくとも、10年は安泰でしょう。個人的には、30年間くらい置き換わらないと思っています。逆に言えば、30年後くらいには置き換わるだろうとは思っています。
以上のとおり、ご自身の職種・所得・生活水準などを踏まえて検討してみればいいんじゃないでしょうか。