大手企業の中堅社員です。兼務先の部署の仕事が質・量の両面で自分の力量を超えていて、対応を続けて行くことに限界を感じています。このことを上司にどう伝えるか迷っているのですが、アドバイスいただけないでしょうか。
兼務はこの4月から始まり(お恥ずかしい話、まだ上司と前任者と一緒に働いていて、小間使いくらいの働きしかできていないレベルです)、私は中堅社員なので、初めての仕事とは言え(それなりに)期待に応える水準の業務を遂行することが求められているのですが、どうも無理そうです。何の役にも立てていない段階なのにかなり参ってしまっています。論点が全くわからず、適時適切なタイミングで質問することも難しいです。
信頼のおける主務先の上司には、つい先日「ポジティブにこの状況を乗り切るには(キリッ」みたいな相談をしていますが、メンタルにややキテいることは伝えていません。主務先での評価は良く、上司からは次は管理職目指していこうといったことも言われ、そのための機会も与えてもらっている状況です。また、働いていてやりがいも感じているのでこの職場での仕事を続けていきたい気持ちはあるのですが、兼務先の仕事がめちゃくちゃ憂鬱です(最近、兼務先での会議に出ると、オドオドして声が細く弱くなってしまいます。よくないとは思っているのですが)。
定例会議が遅い時間に頻繁に入っていてその場で回答を求められたり(当意即妙なやり取りが不得手なので、前任者で爆上がりした期待値をどうコントロールするかとても悩ましいです )、色々な締切が次々にやってくる類の業務だったりすることも、心身の負荷になっているのだと思います。
中田:‖さん
大変お辛そうですね。私も似たような状況に陥ったことがあるのでトラウマが思い起こされて脂汗が出てしまいました。
結論から申せば、早くその「信頼のおける主務先の上司」に勇気を出して「そろそろヤバい」「いや実はもうヤバい」と相談した方がよいと思います。少なからぬ人がこの兼務先の状況「だけ」で苦しんでいて逃げ場がない中、質問者さんは主務先という有力な逃げ場が用意されているので使わない手はありません。なんなら「兼務」という制度自体が、往々にして会社としては”兼務先に使えるかどうかのお試し”として利用していることが多いものです。完全に異動させてしまうとその社員が使えなかったときに困るので、兼務ということにして使えるかどうかを試しているのです。したがって「やっぱ兼務先ではダメでしたサーセン」という状況に陥ることは会社としても想定しているはずですし、想定していなければなりません。
そもそも「兼務」って、本人が激務になってしまっては不当なんですよね。兼務しても仕事ばかり増えて給料が増えていないのではありませんか?それは理不尽極まりないので、兼務させる以上は会社にも本人にもメリットがある形にせねばなりません。メリットのある形の一例としては、双方の部署が「他の部署の仕事が忙しいのだろう」と思ってくれてそんなに大量の仕事が降ってくるわけではなく、なおかつ1人が兼務していることによって双方のコミュニケーションが円滑になってプロジェクトが成功裏に終わる、などの形です(実際にそういう理想的な兼務を一瞬だけ経験したことがあります。ちなみに、本人の仕事は減るがシナジーはないという逆のパターンもあり、これは本人だけ会社のリソースを収奪しているパターンということになります)。逆に兼務することによる組織的なシナジーがなく、単に独立した仕事が2倍になるだけのような兼務は最悪です。質問者さんの場合はどうなのかはわかりませんが、少なくとも兼務先で心身が疲弊する状態になっているのであればあまり組織的にも個人的にもメリットが得られていないのではないでしょうか。
というわけで、「兼務先ではお恥ずかしながらバリューを出せていませんし、今後も出せる自信がありません。この主務先で頑張りますので兼務を解消させてもらえませんでしょうか」と申し出てみるとよいと思います。場合によっては兼務先の上司と取り次いでくれて、「実は悩んでいるのではないかと心配していたので、もっと丁寧にフォローさせてほしい、だからもう少し兼務を続けないか」のようなオファーがあるかもしれませんし、あるいは「そうだよな、君が活躍できる場所はここではないと思っていた」とあっさり受け入れてくれるかもしれません。ともかくこのままずるずると疲弊し続けていくのが最もダメなパターンですので、まだ勇気を出す心のエネルギーが残っているうちに相談しましょう。