國松先生、初めまして。
私は今年の4月から初期研修医1年目として働いております。
新米医師として臨床の現場で働く事で、学生の頃にはなかったような疑問が生まれたり、上級医の先生から色々な知識を教わったりと、日々とても充実しています。
ただ、先生から教えてもらったことや自分で調べたことをメモ帳に書いても、メモを整理する時間が取れず悩んでいます。毎日メモの量だけがどんどん増えていくという現状です。せっかく得た知識はしっかり自分のものにしたいので、メモを単なるメモとして終わらせたくないです。
先生は文献などで得た新しい知識をどのようにして自分の中に定着させていますか?
もしよろしければ、先生なりのやり方をご教示頂きたいです。
よろしくお願い致します。
國松淳和さん
お便りありがとうございます。
なんと、もしかしたら先生のほうが断然素晴らしいかもしれなくて、私のやり方(方針/ポリシー)は先生に役立たないかもしれません。しかし折角質問されたのでお答えしますね。
私のコアとなるポリシーは、「大事なことは、また必ず登場する(と信じる)」です。
臨床では、その要点などは、頻度の順に沿って何度でも現れるという性質があります。「あ、またこれだ」となることで定着します。
大学受験(あるいはひょっとしたら国試の勉強)などと違い、極めて有用な教科書や問題集を1冊何周でも覚え込むまで(わからないことをそのままにせず)漏らさずやりこむ、という学習は臨床には合わないと思っています。
アドバイスを求めてきた研修医にはそう教えています。どんどんやり、どんどん読み、どんどん捨てていく。後で読み直したり、復習するなんてほぼ無理です。臨床医は忙しいからです。その代わり臨床のいいところは、大事な事柄はまたやってきます。こう教えています。
ということで私のやり方は、研修医のときはちっちゃなメモ帳でしたね。以前はevernoteにただ雑に打ち込む・貼り付けることをしていました。最近はもっと雑になり、slackに自分自身に呟く感じでどんどん簡単に走り書きをしたり、リンクを貼り付けています。
教科書は、多読・乱読をお勧めします。
文献は、読む練習くらいにしておいて、保存は重要視せず(年々アップデートされるので)、丁寧に折に触れ復習すべきは、教科書による解剖学と生理学の整理だと思います。特に解剖ですかね。
頑張ってください!
何かあればまたお便りください。
國松