トムさん、初めまして。
webデザイナーとして転職するため、オンラインスクールにて学んでいます。
このスクールではデザインコースはコーディングのカリキュラムはなく(コーディングは別コース)SUTUDIOのカリキュラムがあります。
いずれはコーディング学びたいのですが、デザイン力もまだまだなので今からコーディングも手を出すとどちらも中途半端になってしまいそうで悩んでいます。
採用者目線ではやはり一からコーディングされているポートフォリオが良い印象でしょうか?

トム・イシカワ(石川 智規)|WEBSTAFF, Inc.さん
#ポートフォリオ考
こんにちは、苦行アドベント3日目。本日も晴天なり。「晴天」と書くと、秋山真之が日露戦争の海戦前に送った名電文「本日天気晴朗ナレドモ波高シ」がいつも頭をよぎります。まるで、外に出て写真を撮りに行きたい高揚感と、苦行アドベントに対峙する心のざわめきを詠んでくれているかのようです。コイツ何言ってるんだろう?と書きながら自分でも思っていますが、今日も元気に考えていきたいと思います。
さて、まずはいつも通り謝罪から入りますが、質問者さんは2024年5月に質問してくださっているため、およそ7か月放置したことになります。いえ、放置など決してしていません。いつだってあなたの質問は私の心の中にいてくれました。つまり常に一緒だったということです。トムはいつもあなたの味方であり、あなたはトムの味方なのです。ありがとうございます、そして申し訳ございません。
さて、そろそろ8割くらいの方が離脱したと思いますので、回答に入ります。質問者さんの質問にそのまま答えるなら「まあ、コーディングしている/していないが並べば、してるほうが印象は良いよね。ただし、は判断の一要素にはなり得るが、それだけで結論は出ない。2つの目的次第ではあると思うけど、Webデザイナーとして転職を目指すのであれば、コーディングをしないことで可能性を狭めることにはなると思う。」です。長い。
ここ10年くらいでだいぶ分業化が進み(それぞれの分野で専門性が進んだ、とも言う)、Webデザイナーと言えども、コーディングを求めない会社も増えてきました。記載いただいているStudioをはじめとしたノーコード・ローコードのツールが出てきたことも分業化を進めた一つの背景でしょう。ただし、「いやいや、『Web』と冠している以上、コーディングするのは当たり前だろ?デザインだけならグラフィックデザイナーとちゃうんかい」という硬派な皆さまも当然ながら存在しますし、会社によっては「デザインエンジニア」という境界を限りなく広げた職域を持つポジションがあったりもします。つまり、相手によって、求めてくることは異なります。よって、回答したように「目的次第」という考えに帰結します。企業側のニーズ、これが1つ目の目的。
2つ目の目的は、自分のニーズです。「何を作りたいか」「何者になりたいのか」というご自身のWillのことですね。その観点で考えていくと、何を学ぶべきか自ずと答えを出せるんじゃないでしょうか。ビジュアル・グラフィック部分を突き詰めたいのか、コーディングやアニメーションも含めて表現していきたいのかですかね。
というのが割と正攻法な回答です。相手と自分のニーズ(目的)次第でやること変わるよね、っていう。至ってシンプルな話。
だがしかし、トムの思考はここでは終わらない。質問者さんは「いずれはコーディング学びたい」と書いていました。でも、時間はないし、中途半端になりそうだし、という観点でお悩みでいらっしゃるんだと思う。時間は有限であり、人によって様々なご事情はあるのを承知でいうと「両方やってみたらいいじゃん」ということも同時に伝えたい。目的次第ってのはそらそうなんだけど、クリエイターの最も根源的な作りたい・学びたい衝動があるんだから、たっぷりと水や肥料(本や時間)を与えて、一回育ててみてはどうですか?とも思います。何があなたの個性や特徴と結びついて花開くかなんてやってみないとわからないですから。色んな制約の中でも、「まずやってみる」「贅沢に両方狙う」がなんだかんだで自分を想像できる範囲外に連れて行ってくれるすごく大切な衝動な気がします。たぶん、いや、恐らく、いま一線で戦っているクリエイター諸氏はそんな衝動を大切にし、突き詰めた結果、今の場所に辿り着いているはずですから。(逆に、コーディング?俺にはいらねぇんだよ!ペッ!という衝動でもいい)
あ、すごいことに気付いてしまいました。質問者さんの状況は、今の私と全く同じ状況です。12月から、界隈の方々が楽しそうにアドベントカレンダーを始めていたのを横目に「うわ、めっちゃ楽しそうだな…。でもクソ忙しいし…。どうしよう…。いや、でも1人し、無謀なことはやめておこう…。」と、2週間も悩んでしまいました。そんなに悩んだくせに「アドベントカレンダーに1人の顔が並んだら面白いかも…」という謎の思い付きに負け、深夜1時に生成AIを駆使しながらアドベントカレンダーのイラストを描くも、全くもって思った通りにいかず、結局ADVENTARという既存サービスに全乗っかりしながらやるという挙動を起こしています。と、こんな感じで、とりあえずやってみたらいいんじゃないでしょうか。今のところ完走できる自信は全くありませんが、とりあえず3日は出来ました。3日坊主は卒業です。いや、坊主ですけども。なんつって。
ということで、私は絶賛挑戦中です。師はおろか弟子さえ走り回る年末のクソ繁忙期に何が楽しくてアドベントカレンダーを1人でやらないとけないのかという考えは常に頭をもたげていますが、それでも「面白そうだ。やってみよう。」という衝動を大切にした結果、今、あなたのために、この文章を書けています。誰の何に役に立つのか全くもって分かりませんが、ブラジルで蝶が羽ばたき、テキサスで竜巻が起こる的なエフェクトを起こせたら嬉しい(起こせないことなど知っている)。
日曜朝の洗濯してご飯作ってワンピースを見るという最高のルーティーンを崩してまで本日の苦行をやり遂げた自分を褒めてあげたいです。「今日もやってやったぞ!!」という日々のプチ達成感が自分自身を思ってもみない場所に連れて行ってくれるのかもしれませんね。
どうしたって余計なことを書いてしまう癖を本当に何とかしないといけないと思っていますが、そんなこんなしてる間に、娘から3回も朝ごはん催促をされていて、そろそろ本気で嫌われそうなので今日はこの辺で。
ご質問いただきありがとうございました。