子どもにスマホは与えますか?
私は受験終わるまで不要ではと思っており、高校卒業前にあげてライン交換はしたら良いのではとおもうのですが、スマホはSNSはじめ時間泥棒の板としか思えず。
と言いながら私もXで中田さん投稿にも感銘受けたり、楽しい時間を過ごしてはいるのですが。子どもにも有益なことはあるとは思うのですが、デメリットのほうが多いのではと悩んでいます。
私は高校生のとき家に帰ってから宿題やって予習してたらもう時間がなかったので、スマホあったら間違いなく受験失敗しただろうなと思ってます。
あと友達は学校行けば会えるし。
中田さんのお考え教えてください。

中田:‖さん
スマホは現在進行形で悩み中です。「こんな大人になったらイカンよ」という気持ち。そして仰る通り私も高校時代にスマホがあったら大学に受かっていない確信があります。何なら大学生活でmixiに出会ってしまったせいでとんでもない時間の浪費をした自覚があります(いや楽しかったんですけどね。だから余計に)
とはいえ、もはや中学生で8割以上がスマホを持っている中では、自分だけ持っていないと日常のコミュニケーションに支障をきたすだろうとも思います。翌日学校に行けばもちろんクラスメートには会えるのですが、しかし周りの子がみんな前日の晩にいろんなことを話していたらどうでしょうか。自分だけがその話題についていけない、ということが毎日のように起こるわけです。
私は子供の時にテレビの視聴が制限され、かつゲームは禁止だったので、クラスメートとの共通の話題探しに苦労しました。「今は昔と違って”みんなが必ず見ているコンテンツ”がないからテレビなんて見せなくても問題ない」という議論があるじゃないですか。それはその通りだと思うんですよ。でも現代における「子供の共通の話題」って、「前日のテレビ」ではなく「前日のSNSでの会話」だったりするわけです。従ってスマホを持っていないことは、昔の子供がテレビを見せてもらえない状況に相当します。テレビと違ってSNSは双方向コミュニケーションなので余計に疎外感は強いかもしれません。「スマホなんてやってるとバカになる」という大人の正論は「TVなんて見ているとバカになる」という昭和の頃の大人の言説に重なります。陽キャのバカになることを回避しようとして陰キャの道に導いてしまっていないか?みたいな懸念が頭をもたげます。もちろんスマホを持っていれば陽キャになるということも保証できず、いじめの温床であることは百も承知です。
これの有効な解決方法は、「周りのみんなもスマホを持っていない環境」に子を置くことです。みんなが持っているのに自分だけが持っていないから問題が起こるのであって、周りのみんなも持っていないなら問題は起こりません。実際に、知り合いは子供を海外の”スマホ禁止”ボーディングスクールに行かせることでスマホ問題を解決していました。同級生みんなスマホ禁止なので当然問題は起こらず、そして本人もスマホにかじりつかなくていい状態は満足しているようです。
ボーディングスクールに行かせずとも、日本でもスマホが禁じられている学校に行かせるというのは一つの手です。公立の学校もいろいろ運用を工夫していて、「SNSを使う場合は親が同時に入っているグループラインのみで可」という運用を敷いている学校もあります。即ち遊ぶ場所や時間の調整などの事務連絡や他愛もない会話であれば許容するけれども、大人の監視下では言えないことをSNSで言うな(あるいは大人の監視下でずっとSNSで会話し続けるのをやめろ)、ということですね。この運用が成功しているのかはよくわかりませんが、学校側も悩みながら試行していることが窺えます。
SNSの弊害ばかり言及してきましたが、スマホは文字通りSmartなデバイスでもあり、AIをはじめとした様々な先進的ツールでもありますから、そういう道具を使わせないなんてこと現代でアリなのか?と考えると私はナシだと思っています。私はゲームを買ってもらえなかった代わりに電子辞書は買ってもらえまして、まだ前世紀だった当時としては極めて先進的だったのですけれども、電子辞書の恩恵は計り知れないものがありました。そういった成功体験に鑑みると、現代人が普通に使えるこの学習ツールを子供に制限してはイカンだろうという気持ちは強く持っています。
というわけで結論が出ていない悩ましい問題ですが、現段階では「中学生からスマホを持たせつつ、SNSの利用には一定の制限・監視をかける」くらいが有力な線かなぁ、などと思っています。