社内チャットの使い方についてですが、社外の知人や家族は別として、社内の会話でも業務に関係あるか微妙なグレーゾーンってあると思います。
仕事への関連度合いには幅がありますが、例えば自分が所属している部署の仕事に疑問がある時に他部署の同僚に相談したり、昇進が決まった同僚にお祝いメッセージを送ったりするケースです。
あるいは、自身や家族の健康のことなど、業務に関連して特定の上司にだけ伝えておきたい話題もあると思います。
その気になればIT部門や管理職が閲覧できる仕組みなのは理解しつつも、あまりに自由に見られる状態というのも、どこか不健全さを感じるのですが、どう思われますか?

中田:‖さん
「他部署の同僚に仕事の相談をしたり昇進が決まった同僚にお祝いメッセージを贈ったりする」のはグレーでも何でもなく普通に業務範囲ですし上司に閲覧されても全く問題ないと思いますがいかがでしょうか。
自身や家族の健康のことなどについては良いポイントで、「業務の話」として本人が上司に持ち出せば業務の話で、業務に関係ないということにしたいならプライベートです。そして「業務の話」として上司に持ち出すとすれば、仮に上司が2人いたとしてもそのうち労務管理責任を持つ方の上司になるでしょう。なぜなら健康問題によって業務を配慮してほしいのでれば業務を管理監督する権限と責任がある方に相談しないと配慮の効力が及ばないためです。たとえもう一人の上司が「わかった、それなら私からの業務はゼロにしてあげるね」と言ってくれたとしても、事情を知らない直属の上司は「お、余裕ありそうだからもっと仕事を振ろう」となってしまいます。なので配慮をしてほしいなら言わざるを得ません。なお実態としては、その2人の上司の間で緊密に情報交換されていて、片方に言えばもう片方にも即時伝わります。でないと適切な労務管理ができませんからね。
そして、メールやチャットの閲覧権限があるのはその労務管理責任者の方です。なぜなら仕事を振るからこそ当該職務がどのように執行されているかを管理する責任と権限があるわけで、その責任も権限もない別の上司が閲覧できるのは逆におかしいことになります。ですから「業務に関係する健康の話題だが、メール・チャットの閲覧権限者には伝えたくない」という状況は通常起きません。もし起きているとすればその組織構造・権限構造こそ歪だと思います。
(なお、本題ではありませんが、センシティブな話であればあるほど、業務に関係していたとしてもメールやチャットは避けるべきです。センシティブであるからこそ、どこまで深刻なのか、どこまでどのような配慮が必要なのかなどのハイコンテキスト(メタメッセージ)は文字だけでは伝わりきらないためです)
「業務に関係あれば上司が閲覧できるべきだし、関係ないならそもそも会社デバイスに入力してはいけない」という原則の下では、私が「不健全さ」を感じるのはむしろ部下の個人情報の扱いの方です。部長どころか課長レベルでも部下の住所・生年月日・緊急連絡先(≒親)などが自由に閲覧できてしまうのですが、これ本当に業務に必要ですかね?緊急時には必要かもしれませんが緊急時には人事部などに問い合わせればいいわけで、普段の業務管理に必要ないと思うんですよ。1社ではなく複数社の大手でこういう扱いのところがあり、これはおそらく「社員は家族」の扱いだった名残なのですが、今となってはちょっと気持ち悪いですね。
(なお、付言しておくと「健康問題を配慮してほしい」というのも家族的な考え方です。完全な成果報酬型であれば原因はどうあれれ成果でしか計られないからです。業務委託がその形ですね。なので「健康問題を配慮してほしい」は「家族のように接してほしい、だから家族のようにお互いの情報を知っていて欲しい」という思想が背景にあることを自覚せねばなりません。プライバシーを知られたくないが配慮だけ求めるということはできないのです)