相談です。現在投資銀行の2年目なのですが、半年ほど前から土日はほぼ起きれず16時間ぐらい寝ており、1〜2ヶ月ほど前からケアレスミスの多発や会社に行きたくない気持ち(朝起きるのも遅くなっています)があったのですが、ここ2週間ほどで一気に理由もないのに涙が出る、仕事中の動悸・気持ち悪さなどを感じており、かなり仕事に行くのがつらいです。(2週間前に出社後涙が止まらなくなり、医務室に行ってそのまま無理やり早退してきてしまい、今も在宅勤務を続けている状況です)。
原因は恐らく、今の部の雰囲気が合っていないこと(怒鳴りや詰めが多い、自分以外全員男性、など)、ケアレスミスの多さからマイクロマネジメント気味になりつつあること、2ヶ月ほど前からよく絡むようになったチームの人と合っていないことかと思っています。
元々、金融が好きでもないし働き方も合わないと感じており転職活動中ではあるのですが、決まるまで気持ちが持たなそうです。このまま業務を続けてた上で転職したほうがいいのか、休職した上で転職した方がいいのか悩んでいます。
個人的にはもうかなりつらく、仕事的にもこの会社・職種で頑張りたいという気持ちもないことから、一回休職や退職でもいいから休んでまた頑張れるところでやり直したい気持ちが強いです。
一方で、周囲から見ると単に上記のあるチームの人から怒られ続けたことで凹んでいるだけのようで(フロアでしょっちゅう怒鳴られていたからだと思います)、「もっとこうしたらいいよ」「2年目だからうまくいかないこともあるよ、気を落とさないで」といったフォローを受けます。自分としてはそう言われてこの3ヶ月ほど(短いですが…)頑張ってきたけど、ここへきて一気に糸が切れた感じがあり、そんなこと言われてももう無理、という気持ちが強いのですが、先輩や上司からそう見えるなら単に落ち込んでるだけなのかな、とも思います。この合わないチームの人は、怒鳴ることが多く人格否定的な言い方も多いものの、仕事自体は優秀であることから、やはりここが踏ん張りどきなのかと悩んでいます。どうせ辞めるにしても逃げグセがつくのは良くないですし、また、一応この会社に入るまで頑張ってきたという気持ちもあり、休職が転職後のキャリアに傷をつける・大きくキャリアダウンした先にしか転職できないのかと思うと不安で、それであればもう少し頑張ろうか…とも考えてしまいます。
でもこのまま頑張ってなにかいわゆる鬱っぽくなってしまったらと思うとそれも怖いです。
乗り越えるべき壁と、逃げるべき場面について、ご意見を伺いたいです。お手数ですがよろしくお願いいたします。

中田:‖さん
いやぁ、「出社後涙が止まらなくなり、医務室に行ってそのまま無理やり早退」「ケアレスミスが多発し土日は16時間寝る」のはとっくに限界を超えているように見えます。人生には踏ん張りどころがあるのは確かですが、既にふんばるためのエネルギーを失っているどころか精神的には満身創痍ではないでしょうか。「もともと金融が好きでもない」のに投資銀行に来てしまったのが根本的な間違いではありますが、今はそれを言っても仕方がありません。まして、好きではない分野で踏ん張ろうと思っても無理が来るのは時間の問題ですので、まずは心身を正常な状態にまで持ってくることの方が先決です。
とはいえ、すぐに退職する必要はありません。精神的に弱っているときにありがちなことなのですが、「ゼロかイチか」でしか考えられなくなることがよくあります。ご質問を拝読していても「退職」「休職」「踏ん張る」の3択しかないように見受けられますが実際にはもっと幅広くやりすごす方法が存在します。まずは現在ある有休をすべて使い切るだけでも1-2か月は休めるでしょう。1-2か月も休まねばならない状態になればさすがに人事部が動きますので異動になる可能性が高いと思います。外資か日系かによって移動できる範囲が異なりますが、外資でもチームくらいは替えてもらえます。日系でも外資でもめったなことではクビにできませんから(大企業であればなおさら、労働者側の権利の方が強いのです)心身が限界であることを上司と人事部に伝えた上で休み続けてもそのままクビになったりはしません。そういう相談をする気力さえなければ、ある日唐突に上司と人事部に「もう無理ですごめんなさい」とだけ一行メールを飛ばして後は連絡手段を断つという方法を取るのも一法です。会社側は相当焦るでしょう。
例外的に、外資がIBDごと撤退するようなときには問答無用でクビになりますが、その際にも相応のパッケージで数か月は給料が出ます。外資であっても従業員の心身の不調を理由としてクビにすることは非常に難しく、リーマン・ショックの時に2年間も病休を取って、景気が回復してきた時点で同業他社の外銀に転職したIBDの猛者もいたくらいです。まずはこの、「病気で休んだところでクビになることはまずない」という開き直りから始めましょう。
「でも転職時に不利になるのでは」と思われるかもしれませんが、入社2年目程度の人のレファレンスを取るのは業界内でも簡単ではなく、しかも「病気で休んでいた」といってもその病気には千差万別なのでそんなに顕著に不利になったりすることはありません。現に上記の2年間休んだ人も普通に転職できましたし、もっとひどい例では会社の経費を横領してクビになった人が他社のコンプライアンス担当として転職した例もあります。業界内でレファレンスチェックが機能していない好例です。今はレファレンスチェックをする業者もありますが、個人情報保護法が強いおかげで本人の許可を取らないとレファレンスチェックができないのが普通です。そういう正々堂々としたレファレンスチェックが来た時のために社内に味方を作っておく(自分のことを良く言ってくれそうな同僚を作っておく)ことは重要です。というわけで、「転職で不利になることはほとんどない」ということも覚えておくとよいでしょう。
「でも昇進や昇給に不利になるのでは」と思われるかもしれません。それはなります。でも現状で既にそんな怒鳴られ続けている状態ではいずれにせよスムーズな昇進や昇給は無理でしょう。今の会社での出世は諦めて(とっくにそんな気持ちはないのだと思いますが)そんなことよりまずは健全な精神と生活を奪還することの方が重要です。
最後に、怒鳴られそうな時は可能な限りすべてスマホで録音しておくとよいですよ。強力なお守りになります。実際に裁判に至ることはまずないのですが、そうではなくとも「上司が怒鳴り散らした証拠が残っている」ことは多くの場面で質問者さんを救ってくれます。第三者から見て質問者さんの助けになろうと思ってくれる人の数も増えるでしょう(録音や録画がないと、どれくらい酷いのかが外からはわからないからです。部下が豆腐メンタルなだけの場合は上司の方が被害者かもしれませんし)。あるいは、上司のド詰めの怒鳴り声を延々と大音量で職場で流し続けながら「申し訳ございません!申し訳ございません!申し訳ございません!」と延々と一人で叫び続けるような、「こいつ狂ってしまったか」と思わせるような行動に出るのも効果的です。会社としては訴えられるリスクを懸念して穏便に片付けようとするでしょう。休職扱いでさえなく、「人事部付」という肩書で、特に何も職務を与えられないテレワークがずっと続くという処遇をされることもあります。サイコーです。「弁護士にも相談したんですが、まずは休むことが先決って言われました・・・」と、弁護士にコンタクトしていることをちらつかせることも有効です(ちなみに投資銀行の管理職以上の人であれば過半の人が何らかの形ですぐにコンタクトできる弁護士がいます)。1万円~数万円も出せば普通に相談に乗ってもらえるので、お守りがてら実際にコンタクトしてみるのも楽しいですよ。
結論として、「すぐに休んだ方がいい」「でもすぐに退職・休職する必要はないので、"上司から怒鳴られ続けたせいでこうなった"と周囲に思わせられるだけのエビデンスを確保した上で好き放題休める方法を取りましょう」とお伝えしたいと思います。