いつも投稿を拝見し、勉強させていただいてます。
リビングインの投稿は、子供がまだいない夫婦で、2次取得を検討している私にとってまさにタイムリーな投稿でした。タイムラインでは、リビングインに否定的な意見を目にする機会が多く、とはいえリビングインならではのメリットもあるのでは?と思っていました。
なぜなら、2次取得を検討している物件がオールリビングインだからです。それ以外は、立地や周辺環境などは文句なく、唯一の懸念点がリビングインです。
中田さんが、「小さい頃はリビングインもメリットがある」と明確におっしゃってくださり、大変助かりました。※もちろん、それだけで即座に意思決定をするわけではないですが。
文章の最初ではなく最後に質問となり恐縮ですが、リビングインについて他にもメリットデメリットなど、ご意見があればぜひお伺いしたいです。よろしくお願いします。

中田:‖さん
背中を押せていたなら良かったです。最適な間取りは個々の家庭によって大きく異なり、万人にとっての唯一の正解があるのではなくマッチングの問題なので、「〇〇の間取りが良い・悪い」というコメントは全て「(私にとって)〇〇の間取りが良い・悪い」と主語を足して解釈すべきものです。その点、私が書いた「子供が小さいうちはリビングインもメリットになり得る」でさえも傾向の話でしかなく、子供が小さくてもなおリビングインは嫌だという人もいれば、逆に子供が大きくなってもなおリビングインが好き、あるいはリビングインに「すべき」という思想の人も一定数存在します。
マッチングの問題でしかない以上は「こんな間取りが良い」という話は「こんな男/女がいい」という趣味の世界の話と相似形であり、タイムライン上で「こんな男/女がいい」なんて話が流れてきても話半分に他人の趣味の話として受け流して「でも私はこういう相手が良い」という話で終わるわけで、間取りについても同様です。
(同時に、相手の尊厳を否定するような暴力暴言を奮う人はどんな人とでもマッチングしない、すべきでないのと同様に、人間の尊厳を奪いに来る間取りというのも稀にあります。刑務所の独房みたいな。でもリビングインは明確にそういうのとは違う話です)
リビングインは「プライバシー性が薄い」という特徴を持つわけですが、これをメリットと取るかデメリットと取るかは目指す家族の形によりますし、誰の視点から見るのかにもよります。多くの研究が、リビングインの方が子供が引きこもりになりにくいとしており、これは親から見たら朗報と言えるでしょう。プライバシー性が高いということは孤立しやすいという言い換えもできるわけで、子供を孤立させないためにはリビングインの方が当然有効というわけです。
しかしこれは同時に子供の側から見ると「孤立させてくれない」ということでもあり、これもこれでストレスだという研究も同時に存在します。別室だからといって孤立しているわけでもないですしね。親の側からしても、大きくなってきた子にずっと目をかけていることはむしろ不健全だという考えもあります。いわゆる子育て四訓にある「少年は手を離せ、目を離すな」「青年は目を離せ、心を離すな」に倣うならば、一定の年齢になればもう目を離すべきという点につき多くの親が合意するところでもありましょう。あとはどこからが「青年」なのかという線引きと、リビングインだからといって間仕切りはあるわけですから一応目は離しているだろうという解釈もできます。
だいたい、一口にリビングインといってもその実態は様々で、リビングの隅に目隠しをする程度のものもあれば、しっかりした壁とドアで相当程度音が遮断されていてドアノブもあれば、動線としては家族との交流を確保しつつプライバシーも一定程度保たれているとも言えます。前者のリビングインも悪いわけではなく、これはいわば大きなリビングの一角だという見方をすれば、この形が好きな人がいることも納得できます。2LDKや3LDKの部屋の壁を取り払って1LDKにする人がいたりしますからね。
専ら子供がいる前提で話しましたが、夫婦だけであっても最適な間取りは夫婦関係によって大きく異なります。典型的なテーマがベッドをどう置くかという問題でして、当然1つの寝室で一緒に寝るという夫婦と、別室でそれぞれ寝たいという夫婦では最適な間取りは大きく異なってきます。これは夫婦のかたちが間取りを決めているとも言え、逆に間取りが夫婦のかたちを固定化・誘導しているという面もあるでしょう。ちなみに我が家は寝室にシングルベッドを2つ並べるという方法が好きで、引っ越してもずっとこの方法を通しています。
というわけで、リビングイン固有のメリット・デメリットがあるわけでなく、リビングインの特徴に合った家族関係があり、そしてその特徴が家族関係に影響していくものなのだ(その解釈によってメリットにもデメリットにもなる)、というふうに捉えると良いのではないかと思いました。