キャリアの行き詰まりを感じており、今後のキャリア戦略についてご教示頂けますと幸いです。
当方、新卒から日系IBDで勤務しており、今年度からVPに昇進したのですが、マーケット環境の変化などで自分がアナリストだった時と比較して自分の担当するプロダクトの収益が明らかに減少しています。
その影響からか、私のチームへの新卒の配属も見送られ、さらには優秀だったシニアバンカーの人達や自分と近い年齢の後輩も退職を次々と決めており、チームの人数も減少しています。人手不足の影響で、本来的にジュニアがやる仕事も全て自分でやってと上から言われ、VPらしい仕事に手が回らない状況となっており、同じ仕事の繰り返しでつまらないなと感じる事にも繋がっています。
また、会社としても元々社内でプレゼンスの高いプロダクトじゃない事から、自分のチームから昇進するのは歴代最高でもMDまで、そのMDの枠も他のチームに割り振られるようになり、昇進の枠も狭められている状況となっており、明らかに中長期的に同じチームにいても明るい未来が見えません。
一方で、そんなに先が明るくないなら転職活動をすれば良いというのは分かっていながら、①最近戸建を買って住宅ローンを組んだ事から給料を下げたくない、②英語ができないこともあって、転職活動をしても、年収の下がる先しか転職先候補がない、③今のポジションにいてもそこそこ給料を貰えているので、危機感を持って転職活動をするモチベーションもわかないし、自己研鑽もやる気が起きない、という感じで残念なサラリーマン一直線という感じになっています。
現状維持以上を保たないと住宅ローンが払えなくなって生活が辛くなる、でも環境を変えて上を目指すほどのエネルギーもないといった感じで、40代半ばとか50手前くらいでキャリアも人生も詰むといったことは避けたいのですが、どうすればもっと危機感を持って自身のキャリアに向き合えるようになるのでしょうか。

中田:‖さん
日系IBDは5大証券すべて業績が絶好調のはずですが(直近決算ではなぜかMUMSSだけ奮いませんでしたが)、ご担当されているプロダクトの収益が落ちているなら儲かっている部署に異動することでとりあえずその「うだつがあがらない」と感じる状態は抜け出せるはずです。転職より前に異動を考えましょう。住宅ローンが不安で云々みたいな問題も異動なら発生しないはずです。
収益低下を背景に新人が配属されなかったとのことですが、会社としては実は質問者さんにも異動してもらいたいと思っている可能性が高いですよ。現場が「明るい未来が見えない」と言っているのに会社が期待している例は少ないと言えます。
もし異動さえも「環境を変えるほどのエネルギーもない」という理由で忌避するなら、ご質問は「どうすれば危機感を持って自身のキャリアに向き合えるようになるか」ではなくて「現状にしがみつきたいのでそれを正当化したい」なのでしょうから、実際に危機に陥るまでは周りの助言は意味がありませんし、ご自身も求めていないということなのでしょう。実際に日系IBDだと居座る戦略も相応に成功しやすいので、その路線も一つの選択肢だとは思います。